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第三章 第十六話 「書道パフォーマンス」 A面

2014/02/28 19:00 投稿

コメント:14

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「書道パフォーマンス」 A面

中庭は想像以上に、かなりのお客さんで一杯だった。
私は面識はないけれど、引退した三年生はもちろん
おばあちゃん、同窓会の方……、あ、大家さん、今日も。
他にも大勢の人が集まってくれていた。

体育館から聞こえてくる軽音楽部の音に負けないくらい、
えっちゃんの声が中庭に響き渡った。

「それでは中庭の特別企画!
 『書道パフォーマンス』の始まりで~す!!」

私達は、更衣室の前にあったついたてから
中庭の、パフォーマンスの舞台へと進んだ。



「きゃー! かわい~!」

そんな声援も上がったけど、
衣装の恥ずかしさより、
練習どおりにできるかなって、緊張してしまって
私の心臓はドキドキだった。

一瞬、ついたての陰に立っていたせいたかさんが見えた。
右手の拳を前にだして、にっこり笑ってくれていた。

うん! 頑張らなきゃ!



自然に笑顔になれた。

三人が配置につく。

声楽部の歌声が流れ始めた。
ちびミクとみらいの選曲で『これから』という歌だそうだ。

『空をユラユラリ 流れる白い雲
 風に連れられて どこまで行くのかな
 春をフワフワリ 街を染めるサクラ
 君と手を繋ぎ 歩いた帰り道



一人ひとり、墨の入った手桶を持ち、
私が振り回したあの筆で、それぞれのパートを書く。

 また季節が巡る旅への風が吹く
 道なき岐路(みち)を歩いて行く僕達は
 色んな事を この場所(場)「ココロ」で感じてた
 ほら 忘れないでいてこの時を いつも

私達は、ひたすら大きな紙面に、筆を走らせた。



声楽部の歌声が、美しく響く。
お客さんの、手拍子まで加わりだした。

 君と居るこの瞬間を
 永遠に出来るのならば
 君のために捧げたいな
 この愛を (これからも)



君と居るこの瞬間を
永遠に出来るのならば
君のために (捧げるから)
変わることのない 愛を

だんだん、私は無心になっていた。
心地いいな。

それぞれのパートが終わると、
真ん中に大きく、『感謝』の二字を書く。

私、初心者なのに
ナナもみらいも、『この言葉は、でかミクの言葉だから』って
私にモップ筆を託してくれた。



全身前霊を込めて。

大きく体を動かして、一気に書いていく!

 今 季節が巡る旅への風が吹く
 道なき未知を歩いて行く僕達は



 色んな事を この場所(ば)「ココロ」で感じてた
 ほら 思い出してみてあの時を いつか

書き上げて……
声楽部の歌が終わった余韻で、
ナナが落款の、木製印を押した。

『静雅女子』……印泥の朱が映える。



そして書き上げたものをお客さんに見えるように、
巨大な紙の両端に付けた竹ざおを持ち上げた。

私達の、『感謝』の気持ち。

「完成です! 拍手をおねがいしま~す!!」



拍手が……鳴り止まなかった。
見渡すと、お客さんみんなが
あたたかい笑顔を向けてくれている。

嬉しくて、息が詰まりそうになった。

「それでは、書道部部長の、ごうりきさんの言葉です。」

司会のえっちゃんが、マイクをナナに渡した。
ナナは一度、お辞儀をすると
すっきりとした顔を上げて話しだした。

「今日は、文化祭、一般公開終了間際の
 ちょっとあわただしい中、
 私達、書道部の『書道パフォーマンス』をご覧頂きまして、
 ありがとうございました!」

「ありがとうございました!」



私とみらいも、自然に一緒に声を出していた。

「部員が三人だけで、存続も危うい書道部ですが、
 今日まで活動して来れたことを、
 私達に活動の場を残してくれた先輩や
 支えてくれた方々、協力してくれた声楽部、被服部、美術部、
 そして、ご覧いただいた皆さんに感謝いたします。
 私達はくじけず、頑張ってまいります!
 バックで声楽部のみんなに
 歌ってもらった曲のタイトルどおり、
 『これから』も!
 本日は誠に、ありがとうございました!」



私たち書道部三人と、被服部、声楽部の子達も並んで
一緒にお礼をした。

また大きな拍手が私達を包んでくれた。



「存続危ういなんて、勿体ないよ!」

「良かったよ!」

「これからも頑張って!!」

お客さん達から、そんな励ましの言葉がたくさん投げられた。

「やったね!」 

「お疲れ様!」


「ありがとう、えっちゃん、浦野さん、みんな!」



私達が中庭から撤収しようとした時、
お客さんが私達を囲んできた。

ナナは引退した三年生に囲まれた。
そっか、私が入る前は、三年生のほうが多かったんだ。

「ごうりき! ありがとう!
 素敵なプレゼント、もらったよ!」

「先輩!」



「泣くなよ、ごうりき! 良く頑張ったね!」

「先輩も、泣いてるじゃないですか!」

「あははは!」

ナナの涙を初めて見た。
部長って立場で、私達には言えないくらい、
気を張っていたんだね、ナナ。



するとバックを肩から下げて、手帳を広げた人が
ナナに近付いていった。

「君、写真と取材、いいかな? 新聞社の者だけど。」

「え? わ、私ですか?」

「小さい新聞社にはもったいないくらい
 いい記事書かせてもらえるって言われてね。
 『体験コーナー』も勝手に写真撮らせてもらったけど、
 今日のパフォーマンスは、本当に素晴らしかったよ!
 明日の新聞に載せるから!!
 さっきの『存続が危うい』って、気になる話もさ、
 是非詳しく聞かせてよ!!
 勿体ないって! 本当に!!」



新聞記者さんは興奮して一気にまくし立てていた。
ナナがまた緊張した表情に戻った。
バックからカメラを取り出そうとした新聞記者さんが、
脇にいたせいたかさんに気づくと、ペコリと会釈をした。
せいたかさんは軽く手を挙げて答えただけだった。
あ……一昨日先に帰ったのは……そういうこと!

だけど、その直後、
うちのおばあちゃんと同窓会の方々が
せいたかさんを取り囲んで、もみくちゃ状態に陥っていた。

「さわらせてさわらせて!!」
「あなたもういっぱいさわったでしょ?」
「だめよ!あげないわよ!!」

「た、たすけて~!」



な、なんだかなぁ……。
とりあえず、他人のフリをしておこう……。
あ、でもちびミクは大丈夫なのかしら?

その時、突然、隣にいたみらいが叫んだ。

「お母さん?!」



「みらい!」

「どうして? 退院、来週だったんじゃ?」

「今日はどうしてもって、外出許可を頂いて。」

「姉ちゃん驚かせようって、内緒にしてたんだ!」

「引っ込み思案だったみらいがなあ。
 ……素晴らしかったよ。」

「ありがとうみんな、ありがとう……。」



みらいのご家族……ほんとに良かったね、みらい。
私もまた泣けてきちゃった。

するとまた不意に声をかけられた。
担任の先生だった。

「ロンドライン君、いい発表だったね。」



「あ、先生、ご覧になっていただけましたか?」

「ああ、ロンドライン君も、多田君も、
 展示会場の作品は落ち着いた感じなのに、
 ここではあんなに大きな、堂々とした字を書くんだなって、
 感動したよ!
 いいねえ、『感謝』か。
 『これから』も頑張る、か。
 そうだね! 
 私こそ、ありがとう、素敵なものを見せてもらったよ。
 こういうクラブ活動は絶対に残さなきゃね!
 これからは私も、もっと頑張るよ。」



「私も同じです。先生、ありがとうございます!」

『書道パフォーマンス』、やって良かった!





                       
                      つづく

*****************************


【 出 演 】 

 [オリジナルキャラクター:『初音ミク』『KAITO』
              (c)Crypton Future Media Inc,]

 ミク・ロンドライン
  (RLmiku ver.1.240:ろんどらいん様) 

 ぐーちゃん(ごうりき七葉)
  (七葉1052式(仮)G型 ver.1.10改変モデル→オリジナルモデル:gouriki様)

 多田さん(多田みらい)
  (Tda式デフォ服ミク/エリカバージョン:へなちょこえりか様
    →Tda式デフォ服すっぴんモデル・金子卵黄様/化身バレッタ様改変
    →オリジナルモデル:Tda氏)

 せいたか
  (KAITO_ruto_jacket:ruto(ると)様)

 
 生徒会長:浦野さん
  (ula式初音ミク改変モデル→オリジナルモデル:ula様)

 運営委員長:えっちゃん
  (初音ミクXS改変モデル→オリジナルモデル:mqdl様)

 引退した先輩達 *改変してお借りしています。
 (初音ミク@七葉1052式:三次元CG@七葉1052氏
               2439氏
               ARミクの人(cs7008)

  初音ミク1052Mid v1.00PonnyTail:Toriten様
  初音ミク1052C-Re Ver.1.8a
  & 七葉HT_レーシングミク 2011_Ver.1.1a:箔鳥居様)

 おばあちゃん
  (律子_割烹着 改変モデル フォトショップによる衣装の色変更
    →『メイド服リッチャン』改造モデル:ガンプラP様
    →秋月律子_衣装・オレシュミセーラー:S2K3様)


 多田家 父
  (モブ親父セットより:モノゾフ様→ベースモデル:mato様)

 多田家 母 
 (Tda式改変ハク・ワンピ ccv bc:coa様)

 多田家 弟
  (「K」八田美咲:海の幸様)

 声楽部員&同窓生
  (ブレザーさんv0.9&ブレザーさん改変モデル:mato様)

 新聞記者
 (大神一郎v1_2:ちゃむ(Mukara)様)



【お借りした楽曲】


 【初音ミク】これから【オリジナル曲】


   作曲・編曲:ごぼ天様 作詞:syu様

   http://www.nicovideo.jp/watch/nm17803493

 *本作品内では、三人のパフォーマンス時間に合わせ、
 
  フルコーラスではなく、一部を省略しています。
  ご了承ください。
  是非、フルコーラスをお聴き下さい。


 
 

【舞台・アクセサリー】

 学校セット V0.0.1:mato様

 肩下げバッグ:
  バッグモデル(PMX)mt_v0.8:mato.sus304様

 ワイヤレスのダイナミックマイク(改良版)
  4種バージョン1.0:ましまし様


 
【使用ソフト】

 MMD:樋口M様

 MME:舞力介入P様

 PMXエディタ:極北P様

 Adobe Photoshop CS6


***************************

*なぜか最近、ブロマガで記事を打ち込む際、
 字の大小の設定が出来なくなっています。
 統一感がなく、お見苦しいとは思いますが、ご容赦ください。
 問題解決したようなら(運営側の?)、修正したいと思います。















コメント

せいたか (著者)
No.13 (2014/03/02 12:25)
>>12
鉄の心臓さん、コメありがとうございます。
『感動しすぎて』、なんてご感想をいただけると感激です。
今、次回作の作画中の休憩中ですが、嬉しいお言葉とともに、また午後への活力も頂きました。ありがとうございます。

三人娘の晴れの舞台、みんながんばってきた成果を形にすることが出来ました。
応援してくれた方とのエピソードも簡単ですが盛り込んでみました。
みんな、それぞれにドラマがありました。
今回は、余計な邪魔は入って欲しくないっていうのは私も同じです。

で、次回、いよいよトラブルが起きてきます。
またよろしくお願いします。
レグルス02
No.14 (2014/03/03 19:04)
うぽつです、せいたかさん。
今回の小説に感動しました。
次も楽しみで仕方ないです。
楽しみにしてます。
せいたか (著者)
No.15 (2014/03/03 19:08)
>>14
レグルス02さん、コメありがとうございます。
そう言っていただけると光栄です。
続編、本日先ほどUPしました。
そちらもよろしくお願いします。
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