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第三章 第十三話 「文化祭準備」①

2014/02/08 19:00 投稿

コメント:15

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「文化祭準備」①

三日間もずっと家にいたから、
なんだか久し振りにクラスの皆に会った気がしていた。

お昼のお弁当仲間も、私に何があったのか、知るはずもない。
考えてみれば、あれは全部、休日中のことだったんだもの。

いつもと変わらず、
楽しそうに話をしてくれる皆といるのが、嬉しかった。



……その話題に触れるまでは。

****************************

「書道教室ってさ。」

「聞いた~、それ。
 ちっちゃい座敷わらしが出るんでしょ?」

「あれッ?
 私は緑色した小さい宇宙人って聞いたよ?
 被服部の子が見たって。」

「うわ、嘘っぽーい!」

「あとね、書道教室のある旧校舎ってね。
 声楽部はもうないのに、放課後、
 女の子の歌声がかすかに聞こえるって。
 それで探してみても女の子の姿なんて、どこにもないって。」

「え~、やだ。そっちのほうが怖~い!」



「ねえねえ、でかミクさん、多田さん、
 あなた達、何か見てない?
 やっぱり何か出るの?」

「え~? さあ~?」 

「そんなの、ぜんぜんしらないよお~?」

心なしか、私だけじゃなく、
みらいも、まるで棒読みの台詞回しみたいだった。

「まあ、噂だしね!
 でも、気をつけなよ~。」

「あはははは!」



***************************

「でかミクさん、まずいよね。」

「うん。なんだか噂になってるよね?
 ところどころおかしいけど。」



二人して眉間に皺を寄せる。

「ぐーちゃんに言わなきゃね。」

「うん。どうしよう……。
 そう言えばちびミク、先週、鼻歌うたってたもんなぁ。
 噂とは言っても、きっと今に、あの人の耳に入っちゃう。」

二人でヒソヒソ話しながら廊下を歩いていると、
不意に後ろから声をかけられた。

「ロンドラインさん。少し、いいかしら?」

「る、流川先生……。」

思わず息を呑んでしまった。



「先日は、本当にごめんなさい。
 私が大人気なかったわ。
 あなたの評判を聞いて、つい試したりなんかして。
 教師として、失格ね。
 本当に恥ずかしいわ。
 許してね。」

いきなり、なんなんだろう。
先週、教室で会った時の雰囲気とは全然違って、
流川先生はどこか、しおらしかった。

「い、いえ。それはもう……。」

「先生、なんであんな変なことまで聞いたんですか?」

みらいがキッと流川先生を見据えて言った。

「やめようよ、みらい。」



「でも!」

「いいえ、いいのよ。
 あなたは……ごめんなさい、誰だったかしら?
 そう、あなたの言っていたとおり、
 無視していたから名前も覚えてなくて。
 あれも……恥ずかしい限りだわ。
 それこそ、あなたが言っていたように、
 プライバシーに関わることだから、どうか許してね。」

本当に申し訳なさそうに謝る流川先生に、
みらいはさらに何か投げつけようとしていた言葉を
ぐっと、飲み込んだみたいだった。

「ただ……。」

何だろう?
流川先生はすっと、私の耳元に顔を近づけると、
私の肩に手を置いて、ささやいた。

「あなた、誰かにつきまとわれているとか、そんなことない?
 私の思い過ごしならいいのだけど。
 気をつけてね。



私の肩に置いた手で髪を軽く撫で上げると、
流川先生はにっこり微笑んで去っていった。

「な、なんだったのかな?
 でかミクさん、何言われたの? 大丈夫?」

「う、うん……大丈夫。
 なんでもない。
 ただ、ちょっと、ね。
 急に、寒気が。」

なんだろう?
この三日間で、私は神経質になっちゃったのかな?
流川先生がどうのっていうんじゃないけど、
『誰か』って……それって、あの人のこと?
でも、だとしたら何故、流川先生が?

ふと、言いようのない不安に襲われてしまった。

「でかミクさん、ホントに大丈夫?
 保健室にいこうか?」

「うん。大丈夫。私は大丈夫。心配しないで。」



たとえ、あの人と、今、顔を会わせたとしても、
それは平静ではいられないだろうけど、
もう、自分を見失ったりはしないでいられると思う。

私は胸に手をあてて、呼吸を整えた。
心臓の鼓動は、まだ速い……。

うん。
ちびミクの言うとおり、
焦らないでいればいいんだ。

****************************

放課後、
久し振りに感じる書道教室。
せいたかさんとちびミクは、倉庫かな?

私とみらいは早速、噂のことをナナに話した。
流川先生のことは、関係ないと思ったんだけど、
みらいは流川先生のことがまだ不満らしく、
やはり同時にナナに話した。

「その噂、私も聞いたよ。
 せいたか先生にも言っておいたけど、
 
ホント、人の口に戸は立てられないもんねぇ。
 『気をつけるくらいしかないんだけど』
 って、せいたか先生も言ってる。
 実のところ、それしかないよね……。

 それにしても、流川先生がね~。」

「謝ってきたのはいいけど。
 でも、なんだか釈然としない。」



「まぁ、その気持ちもわかるけど。
 でも頭まで下げるなんて、
 そんなに丁寧に謝ってきたんなら、いいんじゃないのかな?
 そんなに気にしなくても。
 まぁ、人によりけりなんだけど・・・・・・。」

人によりけり?

「どうかしたの? ナナ。」

「ん? うううん、何でもないよ。
 そうだ、でかミク。
 せいたか先生、ちびミクちゃんと、今、倉庫。
 でかミクの作品のお手本、書けてるんじゃないかな。
 もらってきなよ。

 あ、それとせいたか先生には
 文化祭当日の大まかな日程とか、プリント渡してあるから、
 パフォーマンスの流れ、でかミクも確認してきてくれる?」

「う、うん……わかった。」



ナナが『きっかけ』をくれた!

昨日、思わず、せいたかさんの胸に飛び込んじゃったから……。
恥ずかしくて、自分からせいたかさんの所に
行きにくくなっちゃっていたから……。

*****************************

よし、これで少しの間、でかミクは倉庫だわ。
 ねえ、みらい。
 でかミクには言えないけど、
 あの人……氷先生、
 もう顔を出すなって言ってあるのに、
 昼休みにモップ筆、もう一本作っていたらさぁ……。
 ノックの音がして、まさかと思ったら、



:::::::::::::::::::::::::

「……やっぱり。
 もうここには来ないでって、言いましたよね?」

「ロンドライン君がいる時は、来ないつもりだ。」

「わけわかんない。
 じゃあ、来る意味、無いんじゃないの?」



「待ってくれ。少しでいいんだ。
 君がここに入ったのがわかったから、君と話をしたいんだ。」

「えーっ!
 教室、見張ってたの? やだ最低~! 気持ち悪~い!」

「何と言ってもらっても構わない。
 いや、教えてもらいたいんだ。
 ロンドライン君は、その……元気かな?」

「あの子の元気奪ったのは、あんたでしょ?」



「そうだ。その通りだ。
 だからロンドライン君に謝りたい。
 謝りたいが、私は会えない。
 会う資格が……ない。
 ロンドライン君が『死にたい』などと言うほど、 
 彼女を追い詰めるような酷いことを、
 私自身がしていたとは、
 君に言われるまで、考えてもいなかったからだ。
 それで日曜も、
 朝から学校に来て校門を見ていたんだが、
 ロンドライン君は登校してこなかったから、
 その後、どうなったかと気になって。
 今日は来ていると聞いて、安心したのだが……。
 その、なんというかずっと気になっていて。」

「ふーん。
 まぁ、私が簡単に言えるほど、
 あの子も難なくまた来られるようになったってわけじゃ、
 決してないんだけどね!
 少しはあの子の立場に、思いを寄せられたわけ?」

「思いを寄せる?
 そういうことになるのかな?
 ああ、きっとそうだ。
 ロンドライン君のことが、ずっと気になっている。」



「ああ~、なんか、いちいちめんどくさいな。
 その話し方が胡散臭いのかな?
 申し訳ないけど、あんたと関わってると、
 こっちが疲れてくるわ。
 今、立て込んでるんで、帰ってくんない?」

「わかった。また来る。
 ロンドライン君のいない、昼ならいいだろうか?」

「やめて! ほんとにもう!
 じゃね!
 ばいばい!」



::::::::::::::::::::::::

 なんてね~。
 でかミクのことでは、少しは遠慮してるみたいだけど……。
 下手に無視すると、私の教室にまで来ちゃいそうだし、 
 そんなことになったら、
 氷先生のファンが変な勘違いするだろうし……。
 ああ、もう、やだな~。
 きっと、また明日の昼に来るよ……。
 悪いけど、みらい、一緒に立ち会ってくれないかな?
 噂の件もあるし、バチンと言っておけば……ね!」

「うん、いいよ!
 でもさ、『氷の貴公子』……私も氷先生にしちゃお。
 氷先生ってさ、でかミクさんのこと、好きなんじゃない?」

「うえ?!」



「そう聞こえたよ?
 うん、そう考えれば、
 でかミクさんを異常に特別視してたのも分かる感じ。
 それか、そうじゃなきゃ、
 ぐーちゃん、気に入られちゃったんじゃない?」

「はあ~?!」

「そう聞こえたよ? 
 ああいう自信たっぷりの男の人ってさ、
 びしっと叱られたことって、なかったんじゃないかな?
 ある意味、甘えてるんだよ、叱ってくれたぐーちゃんに。」

「ひ!
 そう言えば何度も『私の話も聞いてくれ』とか、
 お、思い当たる節が……。」

「ね。
 でも……どっちにしても面倒だね。」



「悪夢だよ……。
 なおさら、今度来たら一緒にお願い!」

「うん、いいよ! でかミクさんには内緒だよ。」

*************************

お手本をいただいて、日程の確認もしたんだけど……。
変に意識しちゃって、せいたかさんの顔、
しっかり見ることができなかった。

心なしか、せいたかさんも。
私に顔を向けてくれない気がしちゃった……。

ちびミクは私の気持ちを知ってか知らずか……。
いつものように肩にすわりながら
ニコニコしてくれているけど……。



あれ? ナナはなんでそんな格好してるのかな?

「ナナ、どうしたの?」

「ああ、うん、パフォーマンスの動き方とか、
 どうしようかな~って。

 ん? でかミクこそ、どうしたの?」

「うん……。
 せいたか先生からお手本、頂いてきたんだけど。
 なんだかその……前より意識しちゃって。
 話もギクシャクしちゃう気がして。」

「そう?」

「せいたか先生も、なんだか改まって……というか。
 よそよそしい、というか。
 なんだか、どことなく前と違うような……。」

「別に、いつもと変わりないよ?
 気にしすぎじゃない?」

「昨日、何か、あったの?」

昨日、何かあったかって?!
何って?
そんな!



「え? な、何も……。
 私、ちょっと、トイレいってくる。」

私はちびミクとお手本をみらいに預けると、
逃げるように書道教室を出た。

そして手洗いの鏡に向かって、自分に言い聞かせた。

大丈夫!
お、落ち着くのよ!

****************************

「でかミク、いきなり真っ赤になって。
 ……何か、あったね。あれは。」


「んふー! やっぱり昨日だよね?!」

「みらい、マテ! 
 でかミクはそっとしとこ。
 ……でも、ちびミクちゃ~ん!!!」

「おおう! 二人とも、凄く近いよ!!」



「ちびミクちゃん、詳しく聞いてなかったけど
 昨日でかミクが学校に来た時、
 せいたか先生と何かあったの?」

「私たちが来る前に!」

「ん? ああ、そのこと!
 でかミクさんは、男性恐怖症になりそうだったところを
 私と過ごした三日間で克服し、
 せいたかさんとも無事お話しすることができたんだよ?」

「うわあ、ちびミクちゃんらしくない解説的なセリフ!」

「あは♪ もっと私を褒めて♪」

「ごめんね、ちびミクちゃん。感謝してるわ!」

あれはね、でかミクさんの、気のせいだよ♪
 むしろ、せいたかさんは前より、
 でかミクさんのことも、
 ぐーちゃんのことも、多田さんのことも、
 今のみ~んなのこと、しっかり見てると思うョ?」

「まあ! そうなの? 
 ああ、そっか。
 土曜日ぐだぐだだったから、反省しちゃったのね。きっと。」



「ううん、まあ、そゆことかな?」

「でも、そうよね、ちびミクちゃん。
 私達も、でかミクさんの気のせいだと思ってるから。」

「あ、でも、今聞いたの、でかミクには内緒にしてね。」

「りょかい♪」

***************************

大丈夫って言い聞かせたのに、
トイレから出たとき、
また言いようのない不安が私を襲った。

あれ?
気のせいかな。
誰かに見られて……違う、あの人では……ない。

あの人の感じではない。
あの人の持ってる雰囲気じゃない。



少し怖くなって、私は慌てて書道教室に戻った。

「あ、でかミク戻ってきた。
 じゃ、これからパフォーマンスの練習するよ!」

「ん? どうしたの?
 でかミクさん?」

「大丈夫? お昼と同じだよ? 顔色悪いよ?」



「ん。ちょっとね。
 私、きっとまだ神経質になってるんだよね。
 なんだか、誰かにずっと見られていた気がして……。」

「まさか、あいつ!!」

「うううん、そうかな?と思ったけど、誰もいなかったから。
 きっと私の気のせいだよ。
 それより、練習しよう。
 私、そっちに集中したい。」

うん。
そうだ。
気のせいだ。
こっちに集中して、忘れたい。

「う、うん。
 だけど、心配なことあったらすぐに言ってね。」

「そうだよ、遠慮いらないんだからね。」

「そうだよ!」

「ありがと。ナナ、みらい、ちびミク。」

「じゃ、準備して、始めようか!」







                         つづく

*****************************


【 出 演 】 

 [オリジナルキャラクター:
『初音ミク』『KAITO』『巡音ルカ』
              (c)Crypton Future Media Inc,]

 ミク・ロンドライン
  (RLmiku ver.1.240改変モデル→オリジナルモデル:ろんどらいん様) 

 ぐーちゃん(ごうりき七葉)
  (七葉1052式(仮)G型 ver.1.10改変モデル→オリジナルモデル:gouriki様)

 多田さん(多田みらい)
  (Tda式改変ミク JKStyle改変モデル
    →改変:Re:YaMa*(山本)様→オリジナルモデル:Tda氏)

 ちっちゃいミク
  (DIVA風ミクver1.05改ちび:ままま様  DIVAオリジナル: (c)SEGA )

 流川先生
  (とる式巡音ルカ ver1.5.14:とる様)

 氷の貴公子
   (KAITO_ruto_vest_G改変モデル→オリジナルモデル:ruto(ると)様)

 クラスメイト達
  (ブレザーさんv0.9:mato様)


【アクセサリー】
 

 小さなお弁当:エレクトリカ様

 
 
 ランチョンマット:Cloud9様
 

 黒鞄:制作者不明


【使用ソフト】

 MMD:樋口M様

 MME:舞力介入P様

 PMXエディタ:極北P様

 Adobe Photoshop CS6


***************************
























コメント

yashiro
No.13 (2014/02/09 23:09)
んー・・・うわさの起点はいったいどこなのでしょうねー・・・
もちろんきっかけはあの騒動なんでしょうけども。
そして気になる「視線」・・・
まさか流川センセ、とうさt(ry

そして予感はしてたんですがぐーちゃん氷先生に気に入られちゃいましたね。主にお母ちゃん的な意味でw
せいたか (著者)
No.14 (2014/02/10 07:45)
>>12
kazu2さん、コメありがとうございます。
でかミクさんに何があったのか、級友は知る由もないのですが
三人娘達の知らないところでも、何かと事態は進行してましたね。
『噂』ネタ……実は最初の構想では、この噂は文化祭成功後に広まっていて、
これが原因でせいたか、ちびミクは学校を去る……なんて程度にラストを考えてました。

流川先生、久々の登場です。
怪しさムンムンですが、
>そもそも、氷先生以外にでかミクさんをストーキング(?)している人間が本当にいるのかどうか・・・
kazu2さん、流石。
ううう、これ以上は言わないでおきます(汗)

ぐーちゃんに対する氷先生は、何を考えているのか……次回、本人に語ってもらいましょう。

氷先生、流川先生、何かしているのは確かなのですが(とく... 全文表示
せいたか (著者)
No.15 (2014/02/10 07:51)
>>13
yashiroさん、コメありがとうございます。
『噂』は、出所はやっぱり被服部の子ですね。
せいたかは噂になるかもしれないのは仕方ない、と思ってはいましたが、広まるの速いですね。
でかミクさんの心配と裏腹に、当然、氷先生の耳にも入っています。
この辺、これからのお話しです。

流川先生、読んでくださる方々には、彼女の腹が見えてますからね~。
外見はしおらしくしていますけど。
……yashiroさん、いい勘……あはは♪

次回もよろしくお願いします。

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