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第三章 第三話 「多田さん」⑤

2013/10/09 17:00 投稿

コメント:18

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「多田さん」⑤

*****************************

「多田さん、……良かったね!」

「ありがとう、ロンドラインさん。」

多田さんが、恥ずかしそうに笑顔を見せてくれた。

話を聞き終わった時、私はなぜか興奮を抑えられなかった。
ちびミクや、
せいたかさんの行動力に驚いちゃったのは、勿論だけど。
多田さんは決して大人しいだけの人じゃなくて
芯の強い子だったんだ。
そう、初めて知ることができたってことに
驚きと、嬉しさも感じていた。

「ちびミク、すごいね!
 それで今夜、仕上げなのね?」



その時、私にはちびミクがとても大きく見えた。

「うん♪ 今夜、最後にお父さんに勇気をひとふり♪
 これからの方が大変だって、せいたかさんも言ってたしね♪」


ちびミクは私の手のひらへ、ぴょんと飛び乗った。
私は話題の主役を皆の真ん中へと、手を差し出した。

「睡眠学習の成果は十分あったってことよね!?
 ミクちゃん、今度私にもそれやって~。
 中間テスト近いし!!」




うわぁ。ごうりきさん、開口一番にそれって。
でも、
ごうりきさんも、ずっと一緒に見守ってきていたんだものね。
一安心して出てくる冗談よね。
そんなごうりきさんに、ちびミクが笑いながら答えた。

「あはは♪
 でも私、多田さんの声色で
 『お父さん♪』って、ささやいてただけなんだよ。
 せいたかさんが、それが一番いいって。
 だから、何日かして、
 お父さんの夢に、多田さんが出てきたって聞いた時は
 私達もとっても嬉しかったの♪」



そうか!
下手に「頑張れ」なんて励ますより、
お父さんの潜在意識に働きかける
『多田さんの声』が良かったのか。
仲が良さそうな家族だから、多田さんが夢に出てくれば
あとは、お父さんの記憶で夢は作られる……。
お父さん自身が、自分から変わらないとダメだものね。
ちびミクもだけど、せいたかさんもすごいな。

「ミクちゃ~ん!
 数学の公式とか、歴史の年表だけでもいいのよ!」

え?
ごうりきさん、冗談じゃなかったの?!
まだ食い下がっているわ……。

「あはは♪ 
 それが楽しいなって、
 心から思えるものなら効果ありそうだけど、

 それって楽しいお話?」

「うーん、楽しくなさそう~。」

「ありゃま!」




ごうりきさんは本気だ!!
ちびミクにだって、それは畑違いってものよね。
……仕方ないわね。

「ごうりきさん、
 わからないところは、今度、私が教えてあげるわ。」

「えッ?! ロンドラインさんが?」

あなた、鳩が豆鉄砲食らったような顔してるわよ。
すると、多田さんが笑いながら言った。

「ぐーちゃん、知らなかったの?
 ロンドラインさん、成績、学年一番なんだよ。」

「うっへ~!! 平均付近の私には雲の上の人じゃん!
 天上人だから、平民の私は知らなかったわけだ!」




「そんなの、机上の学問だから。
 むしろ、私を言い負かした
 ごうりきさんの話術や、駆け引きの仕方の方が

 生きていく上では、必要な力じゃないかしら?」

私は、実際、本気でそう思っていた。
学校では、終始、ごうりきさんのペースだったもの。

「頭いいのに、鼻にかけない人、初めてよ!
 ロンドラインさん、なんていい人なの?」

「調子いいのね。」

可笑しいな。
ごうりきさんって、やっぱりいいな。
明るくて。さっぱりしていて。友達思いで……。

「ね、私のこと、『でかミク』でいいよ。
 言いにくいでしょ? ロンドラインじゃ。
 ちびミクも私を『でかミク』って呼んでるから。」



!!!
言って、自分でも、私がこんなこと言うなんてって
少しびっくりしたけど
なぜかスッと言葉に出てしまった。

「わかった。でかミク!
 私は『ナナ』でも、『ぐーちゃん』でもいいよ!
 どちらかと言うと、先に言ったほうが第一希望だけど。」

即答がとても嬉しかった。

「ナナ! 
 かっこいい響きだね。改めてヨロシクね!」

「ああ~、初ナナ!
 嬉しい!!
 大人の女って気分だわ~。」



多田さんが、上目遣いで、また赤くなりながら言う。

「あの、私は、『みらい』で……お願いしてもいいかな?」

「うん! もちろんよ、みらい!」

「よろしくね、ロン…うぅん、でかミクさん。」

「あはは♪」

私の笑い声が、ちびミクと被った。
これは嫌などころか、とっても楽しかった。
子ども染みているけど、なんだか嬉しくなった。
あ、でもでも。そうそう。
もう一つ大事なことを聞かなきゃ!

「ねえねえ、もう一つ!
 せいたか先生、
 いったいどうやってそのグループの人と話をつけたの?」


なにか凄いことだったはずなのに、
みらいって、さらりと話してなかった?!
私はちびミクに問い正した。

「あの時、私はポケットの中にいたし、 眠かったし。
 せいたかさんはずっと黙ってたから、わかんない♪
 後で何かあったの?
 って聞いたけど、何もないよって言ってたよ。」



「そんなはずないじゃない?!」

でも相変わらずちびミクは、ニコニコしているだけだ。
すると、ナナも話に加わってきた。

「何もなかったなんて、絶対変よね。
 『上の人』とかと、知り合いだったのかな?
 眼だけで……なんて、睨みが効くようなワルだったのかな?
 それにしてはいつも眠そうな目じゃなーい。
 ホント、いったいどんな過去があったのよって感じね。
 あ……そう言えば、
 塾以外の先生のことは、私もあまり知らないわ。

 ねぇミクちゃん、先生、昔は何してたの?」



「私と会うまでのことは、よくわかんない♪
 聞いてみたことあるけど、
 『あれ~忘れちゃったよ~』って言うだけなんだよ♪」


「じゃあ、今、普段は何をしてるの?」

「『お仕事』だよ♪
 何か書いたり、電話したり、走り回ったり、運んだり、
 人に謝ったり、お願いしたり……サボって寝てたり♪」



「うーん、たぶん社会人であることに違いはなさそうだけど
 大雑把過ぎて絞り込めないわよ? ちびミク!」

「あはは♪」

ちびミクは笑ってばかりなんだから。

「女が三人揃うと姦しいって書くけど、ホントだね。
 あ、ごめん。今は女の子4人だな。」

「ぎゃあッ!」



突然、声をかけられ、
私達は驚いて叫び声を上げてしまった。
いつのまにか、せいたかさんが戻ってきていた。
せいたかさんについて
みんなして根掘り葉掘りちびミクに聞いてたトコ
見られちゃったかな?
恥ずかしくなってうつむいていると
せいたかさんが私達に、小さな包みを差し出した。

「はい、お土産。
 食堂のじいちゃんばあちゃんから頂いたよ。」

包みの中は、鳥のから揚げだった。

「多田さんにヨロシクってさ。
 良く働いてくれて、とてもありがたかったってよ。
 こっちは家に持ち帰って、
 お父さんと弟クンの夕飯の足しに。」



せいたかさんはそう言いながら、から揚げを一つくわえて、
もう一つの包みをみらいに渡した。

「あ……ありがとうございます!」

みらいは静かに涙を拭いていた。
食堂の老夫婦にも、きっと、良くしてもらっていたんだろうな。
みらいって、一生懸命な子なんだな。

そんなことを感じながら、
皆で分けて食べた揚げたてのから揚げは、とても美味しかった。
今まで食べたことがないくらい。



突然、私はハッと気がついて、せいたかさんに聞いた。

「せ、せいたか先生!
 もう、遅いのかも知れませんが、
 私にも、何かできることはありませんか?
 いえ、何かしたいんです!」

何をしていいか、わからなかったけど
私だけ、何もしていないのはイヤだった。
ん? 違うかな。
自分でもどうしてかわからないけど、
みらいの話を聞いているうちに、
私も何かしたいって気に、なっていた。



すると、せいたかさんがから揚げをゴクンと飲み込んで言った。
なぜか、みらいに。

「多田さん、明日から学校、行けるよね?」

「あ……は、はい! 行きたいです。」

せいたかさんは今度は私の方を見て、教えてくれた。

「ロンドラインさん、明日も駅からバスでしょ?
 多田さんと一緒に、学校行ってあげなよ。
 長いこと休んじゃった後って、
 結構行きにくいもんだからさ。」


そんなこと、私は全然思いつかなかった。
でも、そんな簡単なことで……。

「そんな、簡単なことで、いいんですか?」

「案外簡単でもないよ。
 これから毎日のことだから。

 それに、ぐーちゃんは反対方向の上、遅刻の女王だしさ。
 君にしか、出来ないよ。」



せいたかさんは笑いながら言ってくれた。
みらいを見ると、みらいはまた頬を赤らめてこう言った。

「私も、そうしてもらえると嬉しいな・・・・・・。
 一人じゃ、なかなか、勇気が……。」

「はい! 任せて!」



私はみらいに、しっかり答えた。


                         つづく

*******************************

【 出 演 】 

 [オリジナルキャラクター:『初音ミク』『KAITO』
              (c)Crypton Future Media Inc,]

 ミク・ロンドライン
  (RLmiku ver.1.240改変モデル→オリジナルモデル:ろんどらいん様) 

 ぐーちゃん(ごうりき七葉)
  (七葉1052式(仮)G型 ver.1.10改変モデル→オリジナルモデル:gouriki様)

 多田さん(多田みらい)
  (Tda式改変ミク JKStyle改変モデル
    →改変:Re:YaMa*(山本)様→オリジナルモデル:Tda氏)

 ちっちゃいミク
  (DIVA風ミクver1.05改ちび:ままま様  DIVAオリジナル: (c)SEGA )

 せいたか
  (KAITO_ruto_jacket:ruto(ると)様 )


【アクセサリー他】

 黒鞄:制作者不明

 整列散乱書類束改変モデル→オリジナルモデル:待つ様

 リアルな感じのローファー:にゃんたろう様


【使用ソフト】

 MMD:樋口M様

 MME:舞力介入P様

 PMXエディタ:極北P様

 Adobe Photoshop CS6





コメント

せいたか (著者)
No.16 (2013/10/10 18:39)
>>15
poncan718さん、コメありがとうございます。
私であって私でない、お話の中のせいたかは一体何者なんでしょうね(笑)
不明のままかも知れませんが、小出しにはしていこうと思っています。
次回もまたよろしくお願いします。
ハル
No.17 (2013/10/10 22:22)
一区切り。スッキリ感が強く残る回でした。
せいたかさんはきっと「やる」ということに余念のない方なのでは?と思いました。過去に本当にいろいろな経験をされたのでしょう。だからこそ即座に解決策を見出だし、行動に出られたのではないのかなと、そういう強さを持った人ってそうそういませんよね。
てかミクさん堂々とし過ぎw やはり自重シテクダサイw
せいたか (著者)
No.18 (2013/10/10 23:25)
>>17
ハルさん、コメありがとうございます。
スッキリ感。良かったです。そう感じて頂けて。ほんといい一区切りがつけられました。
せいたか•••精一杯やったけど、うまくいかなかったこと、悔いが残ったこと、そんなことが過去には多かったと思います。
それでやれるだけのことはやるって姿勢になってるのかな。
なんて他人事なのか、自分の事なのか•••そこは曖昧にしておきますが。

ちびミクさん、大人しくはしていそうにないかな?心配になってきますね。

次回、ロンドラインさんの話をちょっと入れますが、またよろしくお願いします。
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