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今日,「米軍北部訓練場 きょう返還記念式典 沖縄 」(http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20161222-00000000-nnn-pol)のニュースをみました。
日本テレビ系(NNN) 12/22(木) 2:14配信
日米両政府は、沖縄県にあるアメリカ軍北部訓練場のおよそ半分の土地を日本に返還することで正式に合意した。22日、沖縄で返還を記念する式典が行われる。
安倍首相とアメリカのケネディ駐日大使は、沖縄県内最大のアメリカ軍施設・北部訓練場について、およそ半分の4000ヘクタールの土地を日本に返還することを発表した。沖縄の本土復帰以降、最大級の返還となる。
これを受け、日本政府は22日、沖縄県で返還を記念する式典を菅官房長官らが出席して行う。これで、県内のアメリカ軍施設の土地のおよそ2割が返還され、日本政府は沖縄の負担軽減をアピールしたい考え。
しかし、沖縄県の翁長知事はオスプレイの飛行再開などに抗議して、22日の返還式典を欠席する方針を示すなど対立が続いている。
( 引用終わり )
私は,このニュースを見て,映画「この世界の片隅に」の北條すずの一場面を思い出しました。それは,天皇陛下の玉音放送を始まり終戦が決まった時に,周りの人々が安堵の表情を見せる中,一人泣き叫びながら「戦争継続」を訴える北條すずの悲惨な姿でした。私は,その時に,沖縄の人々の苦しみと泣き叫ぶ北條すずの姿が重なり,涙が止まらなくなりました。
(下記 YouTubeの公式予告より )
そこで,思い出したのが,特攻生みの親を言われる,旧帝国海軍大西瀧次郎の以下の言葉でした。
「近代日本の宿命」である対米戦を諦めぬことは全国民の義務 海軍中将 大西 瀧次郎
( 「日本陸海軍失敗の本質:兵頭二十八著」より引用 )
私は,この大西中将の言葉をあたかも軍国主義的な常識外れの発想と思っていましたが,泣き叫ぶ北条すず,映画「怒り」に出てきた沖縄の苦しみ,今日の米軍基地返還記念式典に沖縄知事が出席せずにオスプレイ抗議集会に参加する等の状況を目のあたりにして,「大西中将や北条すずの懸念とは,この様なことだったのでは?」と思い背筋が寒くなりました。
私は君に対してできる限り正直に話そうと思う。しかし正直に話すことと真実を話すこととはまた別の問題だ。正直さと真実との関係は船の舳先(へさき)と船尾の関係に似ている。まず最初に正直さが現われ,最後には真実が現われる。その時間的な差異は船の規模に正比例する。巨大な物事の真実は現われにくい。我々が生涯を終えた後になってやっと現われるということもある。だからもし私が君に真実を示さなかったとしても,それは私の責任でも君の責任でもない。
( 村上春樹著 「羊をめぐる冒険」より引用 )
戦後71年が経った今,
巨大な物事の真実は現われにくい
だから,今,その巨大な真実が現れているのかもしれません。
最後までお読み頂き,誠にありがとうございました。
よろしくお願いします。
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