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PCの過熱・熱暴走を防止しよう(主にノートPC向け)

2014/04/29 14:44 投稿

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冬が去り、春…どころかGWになりました。
気温が20℃を超える日も多くなり、今後夏に向けて更に気温が上昇します。
最近の夏は35℃以上の猛暑日になることも決して珍しくなく(というかむしろかなり多く)、ことに熱に弱い電子部品で出来たパソコンには、より一層の熱対策が求められます。
PCの排熱が上手く行かなくなると、最悪の場合熱暴走してフリーズ、再起動不能、もしくはHDDの過熱による故障→データ消失などにつながる場合があります。
今回は、高負荷の動画エンコードをノートPCでやっている筆者ならではの熱対策を紹介します。

※これはあくまでも一例です。他にも様々な対処法があると思います。
尚、スリムタワー以上のデスクトップであれば、これら対策を施すより、クーラー換装やエアフローの改善、大きなケースに交換する…などの方法を施した方が効果が高いと思われますので、高温になるようであれば一度冷却環境を見直してみた方が良いと思います。
ここに示す例は基本的にノート向けのものです。
また、これらは全て自己責任でお願いします。不具合が起こったとしても筆者はその責を一切負いません。

筆者のPC
機種:Lenovo IdeaPad Y580 209973J
OS:Windows7 Home Premium SP1(64bit)
CPU:Intel Core i7-3610QM
  (Ivy Bridge・2.3GHz→TB最大3.3GHz(4コア稼働時3.1GHz)・4コア8スレ・TDP45W)
マザー:Intel HM76 Express
メモリ:DDR3-1600 4GBx2
GPU:NVIDIA GeForce GTX660M(GDDR5・2GB)
   CPU内蔵(Intel HD Graphics4000・VRAM最大1696MB)
SSD:PX-128M5M+(mSATA・128GB・SATA3)
HDD:ST1000LM024(2.5インチ・1TB・5400回転)
モニタ:15.6型光沢フルHD(ノート内蔵)

サブモニタ:IO-DATA LCD-A174YW(17型非光沢SXGA、外付け、D-SUB接続)
外付けHDD1:ST2000DM001(3.5インチ・2TB・7200回転・USB3.0接続)
外付けHDD2:WD10EACS(3.5インチ・1TB・回転数可変・USB2.0接続)
外付けHDD3:1TB(USB2.0接続)


1.排熱効率を上げる
PCには結構熱が籠もります。それを防止するために、ノートの場合は最低限度の排熱を「冷却ファン(基本的にキーボード左上の直下にある)」で行っていますが、布団の上など熱が逃げにくい場所で使っていたり、ファンの排熱限界を超えた処理などを行っていると、冷却ファンのみでは冷却が追いつかなくなって内部温度が急上昇してしまいます。
そこで、ノート本体のみではなく、それ以外の周囲の空間で冷却を補助してあげましょう。

有名どころでは「ノートPC冷却台」があります。基本的にはノートの下に敷いて、裏蓋周辺の冷却を改善するもので、USBで電力を供給し冷却ファンが回転して送風を助けるもの、単純に熱伝導の良い素材を使って熱をこもらせないようにするもの、両方を併用したものなど色々なタイプが存在します。
私が使っているのは、純度99%のアルミを使ったファンレス冷却台「すのこタン。」です。

すのこタン。A4ワイド - Amazon

すのこタン。公式サイト

冷却効率自体はファン付きの方が良いかもしれません。ただ、いずれにせよ冷却効果はそれほど高くないので、過信は禁物です。

これ以外にも、単純にPCの下に空間を開けたり、冷却材を水分が出てこないように梱包した上でタッチパッドの横付近においたり、また、部屋の温度を冷やすために風通しを良くしたり、冷房を掛けるなどするのも結構効果があります。
特に、夏場は冷房必須と思われます。考えうる限りのことを可能な限り実行してみましょう。


2.ファンに溜まったゴミを掃除する
これはノートPCを分解出来る程度のスキルが有る人向けですが、PCを解体して、冷却ファンの羽根を1枚1枚丁寧に掃除します。これによって冷却効率は購入時並みに復活します。
ただ、解体難易度の高い機種もあるので、事前にしっかり調べてから行って下さい。


3.そもそも性能を下げてしまう
発熱が大きくなるのは、CPUの性能がノートの排熱力を上回っている(本来あってはいけないはずだけど、最近のノートでは排熱を二の次にしてまで、軽薄短小を追求しているものが多い)可能性があります。
そこで、特に高負荷な作業においては、CPUの性能を下げてでも適切な排熱を確保する必要が出てくる場合があります。
しかし、ノートの場合、特にメーカー製だとBIOS設定を殆どいじれない場合が多く、性能を制限することさえ困難です。
ここでは、擬似的ながら性能を制限する方法を紹介します。

※以下はWin7の例です。なお、EIST非対応のCPUではいじっても効果はありません。

「電源オプションのプロセッサの状態」から性能を制限します。
・「Windowsキー+X」で「Windowsモビリティセンター」を呼び出し、電池マークを押す
・タスクバー右下の電池マーク→「画面の明るさの調整」または「その他の電源オプション」
のどちらでも。現在のプランと、他のプラン一覧が表示出来ますが、その後、どのプランでもいいので「プラン設定の変更」→「詳細な電源設定の変更」を押します。
「電源オプション」というウィンドウが出ます。

ここで、選択項目から「バランス」を選び、下の方にある「プロセッサの電源管理」のチェックボックスを選択、更に「最小のプロセッサの状態」をバッテリ使用時・電源接続時共に0%に、「システムの冷却ポリシー(メーカー製の場合はない場合あり、別の項目に同じような設定がある場合あり)」を、バッテリ駆動・電源接続時共に「アクティブ」にします。
「最大のプロセッサの状態」に関しては、用途に応じて変更します。
私は、バッテリ使用時は最低性能で固定したいので0%に、電源接続時は擬似的にターボブーストだけオフにしたいので99%にしています。もし、それ以上に下げたい場合には75%などを指定してみて下さい。



筆者の場合は他に、省電力・高パフォーマンス設定もそれぞれ編集しておき、それぞれバランスと変えてあるのは、
高パフォーマンス
・最大のプロセッサの状態を、電源接続時のみ「100%」に変更
省電力
・システムの冷却ポリシーを、両方共「パッシブ」に変更
・最大のプロセッサの状態を、電源接続時も「0%」に変更
としてあります。これら以外はバランスと共通です。

この「プロセッサの状態」設定は、以下のようになっています。
「インテル ターボ・ブースト・テクノロジー」を、以下「TB」と略します。
・100%…(TBがある場合)TBが有効になり、最大でTBの上限値までクロックが上昇
    (TBがない場合)定格値の最大までクロックが上昇
・99%…TBが擬似的に無効になり、TBを除いた定格値の最大までクロックが上昇
・40%くらい~99%まで…TBを除いた定格上限を100%とした場合の設定値の割合までクロックが上昇
・0%~40%くらいまで…そのCPUの最低クロック値が反映される。勿論0Hzにはならない

…案の定、訳が分からなくなってきたので、例を示します。
例として「Core i7-2630QM」と「Core i3-3110M」というCPUで説明します。

Core i7-2630QMは…
・最低クロック:0.8GHz
・定格クロック:2GHz
・TB最大クロック:2.9GHz(1コア稼働時)、2.8GHz(2コア時)、2.6GHz(3・4コア時)
・コア数:4(スレッド数8)
というCPUです。

Core i3-3110Mは…
・最低クロック:1.2GHz
・定格クロック:2.4GHz
・コア数:2(スレッド数4)
というCPUです。

最小のプロセッサの状態を全て「0%」としているという仮定で、各%設定が最大クロックにどのような効果をもたらすのか説明します。

Core i7-2630QMの場合
・100%…TBが有効化されるため、2.9GHz(1コア稼働時)、2.8GHz(2コア時)、2.6GHz(3・4コア時)というクロックが上限になる
・99%…TBが実質的に無効化されるため、何コア稼働していても関係なく、上限クロックは定格クロックの「2GHz」になる
・40%~99%…定格クロック2GHzを100%とした時の割合のクロックが上限になる。
例えば「75%」を設定すれば2x0.75=「1.5GHz」が上限になり、「50%」を設定すれば2x0.5=「1GHz」が上限になる
・40%以下…2x0.4=「0.8GHz」、即ち最大設定を40%にすると最低クロックに固定される。それ以下に設定しても、それ以下のクロックになることはない。

Core i3-3110Mの場合
・100%…上限クロックは定格クロックの「2.4GHz」
・99%…上に同じ
・50%~99%…定格クロック2.4GHzを100%とした時の割合のクロックが上限になる。
例えば「75%」を設定すれば2.4x0.75=「1.8GHz」が上限になる。
・50%以下…2.4x0.5=「1.2GHz」、即ち最大設定を50%にすると最低クロックに固定される。それ以下に設定しても、それ以下のクロックになることはない。

これらはあくまで擬似的なものであり、また、OSから制御するため正常にクロックを調整出来ない場合もあります。ただ、少なくとも筆者のノートPC(i5-460M、i7-3610QM)では、これら設定による不具合は確認されていません。

とりあえず筆者は、これら設定により、

Core i7-3610QM
・最低クロック:1.2GHz
・定格クロック:2.3GHz
・TB最大クロック:3.3GHz(1コア稼働時)、3.2GHz(2コア時)、3.1GHz(3・4コア時)
・コア数:4(スレッド数8)

…を、
省電力…1.2GHz固定
バランス…上限2.3GHz
高パフォーマンス…上限3.3GHz(1コア稼働時)、3.2GHz(2コア時)、3.1GHz(3・4コア時)
(電源接続時のみ、バッテリ駆動時は全て1.2GHz固定)
と、切り替えられるようにした上で運用しています。勿論、エンコ時やゲーム時などはバランス設定に切り替えて、擬似的にTBをオフにしています。

また、筆者はこれら以外に、

CoreTemp

というソフトに存在する「過熱保護の設定」も利用し、指定した温度まで上がると自動的に電源オプションが「バランス」に変更される(要するに擬似的にTBが切れる)ように設定しました。
上記リンクからCoreTempをインストールした上で、この下のリンクから、変更用ファイルをDLします。

energy.zip

DLしたら、何も変更せずに展開し、展開したフォルダをフォルダごとそのままCドライブ直下に置いて下さい。
その後、CoreTempの「オプション」→「過熱保護」から、以下の設定を行って下さい。



プログラム実行の欄は、参照だとvbsが直接指定出来ないので、以下をコピペして直接入力したほうが早いかも。

C:\energy\balance.vbs

温度は筆者は無難そうな75℃で設定しましたが、個人の判断で自由に変更して下さい。
但し、あまりにも低すぎると、頻繁にTBが切れてしまってTBの意味がなくなることがありますし、逆に高すぎると、この設定をする意味がなくなってしまいますね。

この設定をした後は、基本的に高負荷作業以外はTBオンで常用しても安心して使えるんじゃないかと思います。

なお、過熱保護設定で変更先を「省電力」にしたい場合には、「プログラム実行」欄を…

C:\energy\conservation.vbs

に変更すれば、切り替わり先が「省電力」になります。


4.独立GPUを、普段はオフになるように変更する(※NVIDIAのGPU内蔵ノート限定)
普段からこれがオンになっていると、それだけでかなりの発熱をします(GPUコア自体がさほど温度高くなくとも)。なので、これを普段はオフにしてしまいましょう。

デスクトップで右クリック→「NVIDIAコントロールパネル」から…
グローバル設定→優先するグラフィックスプロセッサ「統合型グラフィックス」
に変更します。
ただ、これだけだと、GPUが必要なソフトが独立GPUで動いてくれないため、「プログラム設定」タブから必要なプログラムを追加し、該当プログラムを「高パフォーマンスNVIDIAプロセッサ」に変更しておく必要があります。




…以上、幾つか対策を紹介してきましたが、恐らく他にも有効な対策は幾つかあると思われます。
また、これらだけでは抜本的な対策にはなりません。
結局のところ「ノートや一体型で高負荷作業は難しい」というのが現状です。
PCの排熱に困っている方は、これら対策を講じて我慢するのか、それともタワー型のデスクトップPCにするのかを真剣に考えた方が良いと思います。

…まぁ、筆者は暫くはこのY580を使っていくつもりですけどね。
…oO(ミドルタワーデスクでエンコすれば解決だろアホ)

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