問わず語り

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場を振り返る

2017/03/01 16:53 投稿

  • タグ:
  • ゲーム
  • マンガ
  • 漫画
  • ドラクエ
  • ドラゴンクエスト
  • DQ
  • 4コマ
今回はエニックス社コミック事業の原点とも呼べるドラゴンクエスト4コママンガ劇場についてのお話です。


本題に入る前に、そもそも「ドラゴンクエスト4コママンガ劇場」とは何ぞや? という話をしましょう。

まあ読んで字のごとく、DQシリーズの4コママンガが載っているコミックです。ぶっちゃけそれだけです。ただ出版時期や取扱い内容がDQシリーズであったこと、また掲載作家の力量の高さ等々から尋常じゃない勢いで大ヒット作となりました。この作品に人気を基に「月刊少年ガンガン」創刊が決定したため、本作が無ければ「ジャングルはいつもハレのちグゥ」も「鋼の錬金術師」もその他様々なマンガが世に生まれなかった可能性もあるでしょう。……別誌でやったかもしれないけど。

DQシリーズが大作RPGとして超人気だったことは言うまでもありませんが、容量やFCソフトという点からどうしても世界観の掘り下げをしきれていない部分も多く、だからこそゲームで描かれている以外の世界観を楽しめる4コママンガは非常に人気となりました。
例えば仲間キャラクターは加入時に一言二言喋る程度で以降は黙々と戦ってくれるだけでしたが、冒険中にこんな会話をしながら冒険したのだろう……という体で描かれ、それを4コママンガという起承転結の展開の中に留めて表現することでゲームとはまた違った楽しみ方が出来ます。しかも各作家さんごとに多種多様な作品を描いてくれるため作品数も豊富で、もう20年以上前のコミックですが今読んでもハマれます。
また、当時のゲームは描写不足故の想像の余地の広さがあった点も見逃せません。
当時は呪文を唱えると……例えば「ヒャド」を唱えたとすると画面が青く点滅するだけだったため、冷気を放っているのか氷の塊を飛ばしているのか、あるいは相手を凍結させているのか。どのように攻撃しているのかが分かりませんでした。しかしだからこそ、これはこんな呪文なんだろう、というプレイヤーごとの解釈や想像によってその人ごとの世界観を構築していたと思います。それは4コママンガにも顕著で、作家さんごとに微妙に描写が異なる呪文はいくつか見受けられました。

さて、そんな大ヒットシリーズとなった4コママンガ劇場の作家さんを数人ご紹介します。順不同です。


衛藤ヒロユキ






まずはこの方でしょう。4コママンガ劇場初期から中期にかけて参加しており、上記の「ふんどしネタ」は読んだことがないけど聞いたことはある、という方もいるのではないでしょうか。
主にDQ4のネタを多く執筆しており、しっかり者設定であるミネアを結構残念なキャラクターとして描くことで有名です。あの緊張のあまり特に意味もなくバロンの角笛を吹くネタ結構好き。
DQ5ネタとしてはベビーパンサーに「ゲレゲレ」と名付けていたのが有名でしょうか。ビアンカフローラ論争に次いでベビーパンサー名前論争もよく見かけますが、その時に「衛藤ヒロユキがゲレゲレだったからゲレゲレにした」という理由は何度か見た覚えがあります。私はプックル派です。

漫画家としては「魔法陣グルグル」の作者であると言えば大体の人はピンとくるでしょう。現在でも「魔法陣グルグル2」が連載中で、1作目は今年再々アニメ化するそうで今なお現役活動中の方です。グルグル自体、DQパロディが豊富ですしね。DQ5のネタを描かれている頃の絵柄はもう完全にグルグルの絵ですね。


柴田亜美






シュールネタの極致を描くのがこの方。「南国少年パプワくん」の作者の方と言うと伝わりやすいでしょうか。
明るいハイテンションで笑わせるというよりは、この時代にはまだちょっと早い気もするシュール系のネタを多く描いています。DQ3のネタが多く、武闘家のもりそばと賢者のうおのめをレギュラーキャラとして起用しているのが特徴的です。
勇者が両手に日の丸のセンスを持っていることが多く、ただの服を着たパプワくんに見えないこともありません。本編要素よりも作者独自の要素の方が強く、そのあまりにも自由度の高い作風から専用コーナーが設けられる程でした。
月刊少年ガンガンで「南国少年パプワくん」を連載するためか、DQ5発売あたりから4コママンガ劇場には登場していませんので、極めて初期の時期のコミックにしか作品が収録されていません。パプワくん超人気だったから仕方ないね。エニックスの初アニメ化作品だし。
最近ではプライベートサロンをオープンし、ボディメイクをしているとのこと。……漫画は?


新山たかし





4コママンガ劇場におけるお色気担当。全体的にちょっとHなネタが多く、登場人物も女性キャラクターが中心に描かれています。
DQシリーズにおける定番ネタであるセクハラ装備に執着が強いことでも有名で、フローラやビアンカにグランバニアで手に入るエッチな下着を装備させるのはもちろん、非プレイアブルキャラクターであるターニアにまで着せるという飽くなき性への執着心には感動させられますね。
ちなみに描いたはいいものの読者層の年齢の都合上お蔵入りになってしまう程のセクシーな作品は、全て編集の方に弾かれたそうです。その没ネタだけを集めた作品も非公式同人誌としてあったりなかったり。
FC版のネタももちろん面白いのですが、SFCリメイクで性格が追加された後の作品も読んでみたいところです。


村上ゆみ子



絵がめっっっっちゃ鳥山明に似ている事で有名な作家さん。
その激似具合たるや公式にも認められており、DQ6の公式ガイドブックの表紙イラストなんかはこの人の絵。更にリメイク版のDQ4、DQ5はメインビジュアルを描かれています。いや~、言われなきゃ気付かないわ。
もちろん絵だけではなくマンガの質も高く、本編の雰囲気を壊さない世界観での作品が多いです。4コママンガ劇場参加数69回にして表紙に関わる回数が40回強というあたり、いかに絵の質を評価されていたかが窺えますね。

鳥山明さんの絵はドラゴンボールの兼ね合いで集英社の作品以外に使うことができないらしく、例えDQ関連であってもエニックスの出版物には掲載できなかったそうです。そのため、似た絵柄の作家さんは重宝されたのではないでしょうか。


幸宮チノ


















DQ5のコミカライズ、主人公が石像にされている8年間の軌跡を描いた「天空物語」の作者の方。4コママンガでもDQ5のネタが多い印象です。しかし、本人が一番好きなのは3の女僧侶とのこと。
……ところで本当にバギって主人公しか使えないんでしたっけ? そもそもバギを使う場面自体そうそうないというか、だったらそのMPをホイミに回して普通に攻撃した方がいいと思うんですが。こういう小ネタというか、半ば冗談みたいな攻略情報が記載されてたりするところも面白いですよね。私はオリビアの岬突破法を4コママンガで知りました。


牧野博幸



















登場するキャラクターに独自のキャラ付けする方の中でも、ダントツに好きです。
何かこう、メッサーラっていうチョイスが絶妙ですよね。スライムナイトとかだと……何か違う感じがします。
DQ4のピサロを題材にしたネタが多く、当時公式イラストが存在しなかったピサロは作家さんごとに全く異なるデザインをしていましたが、多分この人ピサロが一番美形だったのではないかと。


坂本太郎




















特徴的な絵柄とシュールなネタで記憶に残りやすい人です。このネタ超好き。
比較的新しいDQ9の4コマにもまだ参加されているらしく、ちょっと読んでみたいのですが見た事ないんですよね、書店で。
と言うか最近古本屋からドラクエ4コマコーナー消えてませんか? 昔は結構スペース使って置いてあったと思うのですが。


ふじいたかし









丸っこいほのぼのとした絵柄とは裏腹にブラックなネタが多い作家さんです。
最大の特徴は主人公キャラクターに一切セリフを喋らせないことであり、ストーリーは展開を回す用のキャラが必ず用意されていることですね。上記の一連の流れで言えばベラが。モンスターズシリーズではテリーが無言でホイミスライムが話を進めていきます。


夜麻みゆき













2頭身のキャラクターによる絵柄が特徴的な方。
ゲラゲラ笑う系のネタというよりもほのぼのとしてしまうようなネタ、今で言う日常系の枠組みに分類されるようなネタが多かったのではないかと思います(当時は日常系というジャンルはなかったはず……)。勇者がペロペロキャンディに異様に執着を見せる、ペロキャンネタはこの方の持ちネタの一つです。
ガンガンで「刻の大地」を連載されていたため、そっちの方が馴染みのある方もいるでしょう。



猫乃都









まるで少女漫画やレディースコミックのような絵柄が特徴的な作家さんです。
何と言うか、自分の絵柄そのものを武器にしている印象ですね。2コマ目のミネアなんてこの絵柄だからこそ心情が伝わってくると言いますか、丸っこい感じの3頭身くらいの絵だとミネアの切迫感が伝わらないと思うので。
この他、ピサロが中々鼻の高いイケメンだったりと非常に記憶に残りやすい絵柄の方でした。


梶原あや









シュール系のネタの方。
シンプルな絵柄なんですが、サマルトリアの王子の目が細く、ローレシアの王子の目がしっかりと黒く丸いという描き方は特に理由もなく「なるほど」と思わせられました。女の子受けが良さそうなイメージの作品が多いですかね。


きりえれいこ









手塚治虫の元アシという経歴を持つ方。頬が出っ張った顔や限りなくデフォルメされた絵柄が特徴的ですね。
有名なネタはこのバブーンのが丈夫か……だと思うのですが、バーサーカーが叫びながら走り回るやつも人気らしいですね。


田村きいろ



















このテンポの良さよ。
この後購入→断られる→説明を要求する→メダパニをかけて無理矢理着せようとする等々、この女賢者にあぶない水着シリーズはどんどん続いていきます。グーグルの検索候補に「田村きいろ 賢者」というのがあって盛大に笑ってしまいました。



タイジャンホクト



















柴田亜美さんのアシスタントを勤められた方。個人的な印象としては(鳥山明+柴田亜美)÷2という感じです。……伝わらないかっ!
DQ5のネタで主人公の顔がめっちゃヤムチャに似てるコマがあるんですよ。



少し長くなりすぎたので、こんなところで。
この他にも「マヒャドじいさん」や「遠くへ飛ばされた二人」などのオリジナルキャラクターや鉄板ネタを多く持つ栗本和博さんや、ハッサンやメルビンなどの親父臭いキャラのネタを描かせては右に出る者のいない堀口レオさんなど、本当に面白い作家さんが多いので興味がある方は是非読んでみてください。……今手に入れるの難しそうだけど。

展開上どうしてもストーリーのネタバレとなってしまう部分はありますが、ラスボスを扱ったネタは出さないなどの配慮もされており、未プレイのシリーズの作品も楽しめるかのではないでしょうか。

DQ8以降は規模が縮小してしまいましたが……これに関してはゲーム内での描写が詳しくなりプレイヤーの想像の余地が減ってしまったことや、ネットの普及によりわざわざ4コマに限らずとも誰かが常にネタを提供するようになったため当時程需要が薄くなってしまった点などが原因ではないかな、とも思います。
また初期、中期などで参加されている方の移り変わりも激しく、お気に入りの作家さんが参加しなくなったから読まなくなったという方も少なくないのでしょう。

今年はDQ11も発売するかもしれませんし、また何かの形で過去の作家さん方にドラクエ4コマ描いてほしいなぁ……とも思いますが、実際は難しいんでしょうね。

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事