鮎滝 渉のブロマガ

天皇陛下の「お気持ち」表明を受けて(5) 英国は1000年で8回の王朝交代、日本は王朝交代なし

2016/08/23 22:59 投稿

  • タグ:
  • 天皇
  • 天皇陛下
  • 政治
  • 選挙
  • 言論
< 目 次 >
(1) 天皇陛下から国民への御相談にどう答えるか?
(2) そもそも天皇とは何なのか? 日本の権威を担う天皇
(3) そもそも天皇とは何なのか? 祈りを捧げる天皇
(4) かつては戦争も引き起こした天皇の譲位
(5) 英国は1000年で8回の王朝交代、日本は王朝交代なし ←いまココ
(了) 伊藤博文たちが考えた天皇の譲位問題と、最後に私見
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

英国は1000年で8回の王朝交代

日本の皇統と比較するのに適当な王統が外になかなかありませんが、おそらく英国の王統との比較が適当だと思うため引き合いに出します。

英国は、いまでもエリザベス2世陛下を戴く、議院内閣制を踏まえた立憲君主制の国です。しかしその王統は、ノルマン朝を開いて現在の英国王室の開祖となったウィリアム1世(1027年-1087年)から数えて、既に8回の王朝交代をしています。






ざっと見ていただいてお分かりの通り、開祖ウィリアム1世の血統は、エリザベス2世陛下まで受け継がれています

では、それでなぜ8回も王朝交代をすることになったのかというと、伝統的に子は父親の家名を継承するからです。具体的には、エリザベス2世の曽祖父・エドワード7世は、母親がハノーヴァー朝のヴィクトリア女王で父親がアルバート・オブ・サクス=コバーグ・アンド・ゴータですが、父親の姓を継承してサクス=コバーグ=ゴータ朝の初代となります。

エリザベス2世陛下だけでなく、ヴィクトリア女王やエリザベス1世など、英国は女王の即位を認めている国です。それでも、伝統的に子は父親の家名を継承することになっているため、王朝交代が8回となった訳です。

ちなみに旧来の例に倣うと、エリザベス女王2世陛下の次からは、女王の夫フィリップ・マウントバッテンの家名を継承してマウントバッテン朝になるはずです。しかし、

・ジョージ5世以来いまの英国王室はウィンザー姓を名乗っていること
・エリザベス2世と夫フィリップ・マウントバッテン公の間に生まれる子の姓を
 ”マウントバッテン=ウィンザー”とする枢密院令が1960年に出されたこと

から、ウィンザー朝のままになるかもしれません。

もっとも英国の場合は、エリザベス2世陛下だからこそ国としてまとまっている側面もあります。伝統に変化を加えるかどうかは所詮、人の手によって決められることですし、英国が英国としてまとまるためにも、英国にとってはこの方が良いのでしょう。

王朝交代を経験しなかった日本

一方、日本の皇統は、この2676年間で王朝交代の経験が一度もありません。

古事記・日本書紀に系譜は存在するものの事績が記されない欠史八代(第2代 綏靖天皇から第9代 開化天皇まで)や、傍系から天皇位を継いだ継体天皇(西暦450年?-531年)に対する評価等でケチを付ける学説は存在します。

しかし、継体天皇以降に限ったとしても1500年間、完璧な男系継承を続けた王朝は、世界で唯一、日本の皇統のみです。時代が下るに連れて、貴族や役人らが遺した文書が増えて裏付けもされているため、誤魔化しもありません。










今上天皇陛下が生前にご譲位されることを考えるに当たっては、この「『神武天皇の即位から2676年間も変わらずに来た伝統』を、この先どうするのか?」という視点は欠かせないでしょう。

(つづく)

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事