四方山

[映画]途中からネタバレ有 「寄生獣」

2014/11/29 18:45 投稿

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  • 寄生獣
  • 映画
観てきました。

原作は大好きです、漫画と言うジャンルでベスト3には入る大傑作。
アニメも見てますよ、評価は言わぬが花と言うやつで。

私にしては珍しく事前情報多め、トレイラーも最初の方のは見たし、阿部サダヲに目いっぱい不安を煽られながら公開を待っていました。
デビルマンに2点をつけてちょっと名が売れた前田何某は25点と評価したそうで。
でもあの人は原作原理主義者ですから、原作を知ってる映画ではいつもそんな感じ、あてにはならないと思ってましたよ。

本日朝一で行ってきましたが。
良かったね、こんなに良い出来になるとはね。
ミギーがね、やっぱりちょっとフレンドリーすぎるのは引っかかった。
喋ってる内容は決してフレンドリーじゃないから、逆にそのギャップが良い って評価もあるかなぁとは思うんだけど。

でも他はほぼ文句無し、原作とはかなり色々変えてるんだけど、寄生獣の世界観を損なってないから全然問題無し、むしろ上手く補完してさえいる。
脚本の人が相当上手いんだろうねコレ。それにかなり時間をかけて書いたんだろうな と想像できる。
原作とはいろいろ変えてるのに整合性がかなりしっかりとれてる、一部?な部分も無いではないけど。

演出も良い。
かなりエピソードを詰め込んでて時間的に余裕無いだろうに、ちょっとした脇役まで含めて登場人物同士の関係を丁寧に描いているのが好感。
キャラクターがしっかり描けてるから物語にも説得力が生まれるし、共感できる。

原作モノにしては とかそういうことわり無しでもかなり面白い映画ですよ。




    ━ここからネタバレ━━━




染谷は脳男で見たのが最初かな、デビルマンにも出てたそうだけどそれは忘れてあげようw
脳男では原作の島田秀夫みたいな役だった。
だから新一はどうなのかな と思ってたけど、さすが若手ナンバー1と目されるだけはある、まるっきり普通の高校生だったね、母親に負い目を感じながらも高校生らしい反発はある。
映画では父親がいなくて母子家庭 って設定を聞いた時は、父親だって重要な役回りなのに大丈夫か? と思ったものだけど、出来たものを観たら納得。
限られた時間で母子の絆、それも原作より掘り下げてるくらいの関係性を描くには父親はあえて排除したわけだね、その意図は見事に成功してると思う。

ただ天麩羅鍋のエピソードを新一が喋るだけなのは残念だったなぁ。
あれをどういうふうに表現するか興味あったのに。
後半やる ってことは無いよなぁ、やってほしかった。

余さんは新一の母親としては年齢行きすぎなのが気になってた、実際お婆ちゃんでもいけるくらいに見えたし。
でも優しさ思いやりを強調されるキャラだったから良かったのかな?若くてきれいなお母さんよりは悲劇性も際立つのかもしれない。
でもやっぱりもっと若くても良かったような、それこそ深津絵里で。

田宮良子は・・・
うーん、無難にこなしたって印象だなぁ、悪くは無かったけど特によくも無い。
やっぱりあの身長では凄みに欠けると思う。

原作よりも色んなとこに絡んでくる改変はそれはそれで面白かった。
妙に学校の先生してたとこが好きだな、敬語使いなさいとか下校時間は過ぎてますよとか。
あの辺いい改変だと思う、人間社会に溶け込もうとしてるって設定にリアリティを与えてる。

ちょっと無理があるとこもあったけど、島田にトドメ刺すはずがまだ生きてる とかは田宮らしからぬミスだし、仮にあれで死んでても死体が残っちゃうだろ ってことでシナリオの穴になっちゃってる。
なんでも原作通りにするべきとは言わないけど、田宮良子のキャラクターだけは変えない方が良かった気がするな。
原作の田宮良子は他人のミスに憤ったりしない、怒るってのは期待してたってことだからね。
田宮良子は他人に期待なんかしない、他人がミスったらちょっと呆れてからすぐ対策を考える
。その割には自分はけっこうミス多いんだけどねw
ちょっと感情が発露しすぎな気がしたな。

田宮登場前と後で数か月くらいの時間経過がハッキリわかる演出が欲しかった。
新一と会った時にはもうコミュニティー作ってたけど、それをどれくらいの期間で作り上げたのか釈然としない感じが残る。

Aの解釈は映画独自で面白かった。
まさか母親を乗っ取るのがAだとはね。まぁ2ちゃんねるでネタバレ食らって知ってたんだけど。何の関係も無いスレでまで警戒してないからな、ほんと勘弁。
切断・分離・結合・蘇生 は2,3回ならいいけど、そんな何回も何回も唱えんでもw
でも母親殺される過程はなかなか自然だったな、新一がAにトドメ刺さないのは原作通りだし、新一の通学路に母親の勤務先があるから同じトコ通るのは当然だし、人が倒れてたら声かける人だってのはそれ以前に描写されてたし。
伏線が上手いよね、この脚本。

脳を奪われても脊髄に意識が残ってうんぬん ってトンデモな話が公開前から聞こえてたんだけど、実際に該当のシーンを見たらなかなか悪くない。
あそこで「きっと脊髄に意識が~」とか「移植された臓器のドナーの記憶が残っていたというような話は~」とか、解説的なことをやられたら萎えたと思うけど、どうしてAの右手があんな動きをしたのか、明確な解釈はされなかったからね。
曖昧なままだけど、少なくとも新一は母親が助けてくれたと信じている それくらいが丁度いいと思う。

島田秀夫はこの映画最大のヒットかもしれんねw
原作とは全く違うキャラクターだけど、とても面白い。
ミギーが頭を乗っ取ってたらあんな風な寄生生物になってたのかも。
田宮「同じ高校生だから話が合うかと思って」には笑った、あわねーだろww

原作では硫酸か塩酸かで攻撃されたのが、油絵用の剥離剤に変わってたけど、あれも早い段階でどういうモノかわかりやすく見せてるのが上手かった、ちょっととってつけた感はぬぐえなかったから、絵を消す理由はもう少し説得力が欲しかったかな。
剥離剤は軽い麻酔効果があり皮膚に炎症を起こす らしいけど、ちょっと強力に描かれ過ぎな気はしたけどな。
硫酸なんてそんな杜撰な管理してないだろうし、まぁ仕方ない許容範囲ではある。

ただ正体がバレたとこで周りを脅かすみたいに数をかぞえる演出はいらなかった。
いくら寄生生物にしては茶目っ気がある個体とはいえ合理性に欠け過ぎる。
そこは残念、尺的にもさっさと襲い掛かって欲しかった。

島田を仕留めるのはやっぱり石でやって欲しかったけどなぁ。
弓でやるための伏線は前半にあったから唐突感は無いんだけど、あの投石がかっこ良かったから。
聖書読んでる国ならダビデとゴリアテの故事で投石はポピュラーだろうし通用すると思うんだけどな、日本じゃ投石が強力な攻撃だって感覚が無いから変えたんだろうけど。

里美は・・・
うーん、とくに褒めるところが無い、悪いわけじゃないが。
ちょっとガタイが良すぎてなぁ、もう少しか弱い感じが欲しい、体は小さいけど肝は太い感じが欲しかった。
お姫様抱っこするのも一苦労ってかんじだったもの(苦笑)

いくつかの残念演出の一つが 犬の形をした肉 だなぁ。
里美と新一のやり取りまでは普通に良かった(犬が妙に大きかったり、ぬいぐるみにしか見えないのはわざとだろうか)
里美が去ってミギーに何が悪かったのか聞くところ、ミギーがいきなり「犬の形をした肉なんて私が言いそうな表現だ」これだけ。
これはダメですわ、「君はなに一つ間違っていない、私から見ればね」この前置きは必要。
ミギーのセリフは原作と比べて増えているくらいなのに、何故ここだけは妙に端折ったんだろう?
その後の犬を埋めるとこが無かったけど、これはたぶん後編にあるはず、そこでミギーにももう少し喋らせるのかな?

あと印象に残ったのは、美術部員の名無しちゃんは上手だった、リアル高校生なのかな?
普通の高校生って雰囲気を構築するのに貢献してた。
中華料理屋のパラサイトも良かった、あの場面は原作より良かったくらいかもしれん。
「よくない、よくないぞー」が良い。
原作だとパラサイトの死体はあるはずなのに噂になるのが遅すぎるってちょっとした矛盾点があるんだけど、早い段階で平間さんが出てきて捜査してるからその辺を補えてる。
その辺も良改変だな。


内容同じでもう少し時間を延ばしてくれたらなぁ と思う、2時間10分くらいあってもいいじゃない。
やっぱりちょっと詰め込み過ぎのきらいはある。
島田の死後、母に寄生のA戦後がちょっとあっさりすぎないかな。

しかし全体的にはかなり高レベル、エンターテイメントとして非常に優れてる。
続編も楽しみ。




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