Moneytreeの開発元であるマネーツリー(株)はこのたび、みずほキャピタル(株)、三菱UFJキャピタル(株)、SMBCベンチャーキャピタル(株)という3大メガバンク系のベンチャーキャピタルと(株)セールスフォース・ドットコムからの出資を受けたことを発表しました。今回の出資にあたってのリードインベスターは、(株)セールスフォース・ドットコムとのこと。
MoneytreeはこれまでC(コンシューマー)向けのアプリでしたが、直近のアップデートで加わった有料サービスの「Moneytree PRO」により、みずほ、三菱東京UFJ、三井住友などの法人口座を管理できるようになっていました。また、経費精算機能「Moneytree PLUS」も有料サービスとして用意されています。ベンチャーキャピタル側が最も注目しているのは、Moneytree本体や有料サービスよりも、Moneytreeのバックエンドで動いている「MT LINK」というプラットフォーム。
Moneytreeは、オンラインバンキングやクレジットカード、ポイントカードのウェブサービスのIDやパスワードをユーザー自らがアプリに入力することで、アプリがそれぞれのウェブサービスにログインして情報を取得・分類してMoneytreeに表示するという仕組みです。MT LINKはこの仕組みを高いセキュリティー(TRUSTeマーク取得済み)のもとで提供するサービス。
金融機関にこのMT LINKを開放することで、金融機関側のサービスにMoneytreeの一部機能を組み込んだりできるようです。具体的な事例は今後出てくるかと思いますが、例えば複数のクレジットカードの支払い明細を一画面に表示して指定口座にそのまま振り込むとか、提携しているポイントサービスを一覧してポイントの移行手続きを進めるとか、従来は複数のウェブサービスを利用する必要があった作業を集約できるようになります。
マネーツリーによると、金融機関などにMT LINKをAPIレベルで開放はするが、自社でリリースするのは今後もMoneytreeだけで、出資企業向けのアプリを作る計画はないとのこと。
なお、マネーツリーは10月21日に、日本アイ・ビー・エム(株)が提供するPaaSの「IBM Bluemix」とMT LINK とAPIで連携することを発表しているほか、弥生会計、アックスコンサルティングなどの会計アプリとの連携も果たしています。MT LINKの普及により、ネットを利用した金融サービスがさらに便利になることを期待したいところです。
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