ふだん、食べ物のことばかっかりなので、たまには違ったことも書かなくてはと思い、今回はファッションに関するネタです。
ファッションといったら、ヘアースタイル。
少し前に、夜遅くまで開いている美容院を探して行ったところ、客は私が最後のひとり。美容師さんもひとりきり。夜遅くの美容室でたんたんと会話を交わしたので、その内容を再現します。
――遅い時間にやってきてすみません。
美容師さん「いえいえ、営業時間ですから」
――いや、本当にすみません。本当は休日の朝イチとかに来たかったんですけど、タイミングが合わなくて。
美容師さん「全然大丈夫ですよ」
――……すごい前なんですけど、やっぱり遅い時間に美容院来たときに、担当してくれた人がとても眠そうなオーラを放っていて。このままだと適当に切られちゃうって危機を感じて、私、一生懸命自虐的なネタで笑いをとって、その人を目覚めさせようとしたんですよ。疲れました。その時以来、美容院は早めに来ようと思ってたんです。
美容師さん「ははは。そうですね、朝からずっと入っている場合、立ち仕事なのでね」
――そうですよね。
(・・・沈黙・・・)
美容師さん「雑誌、大丈夫ですか? 取り替えますか?」
――大丈夫です、読んでますんで。あの、出す雑誌ってどうやって選んでるんですか?
美容師さん「それはその人の服の雰囲気を見て、とかですよ」
(なお、この日の私に出してくれた雑誌は、withとar。妥当なチョイスでしょう)
美容師さん「あと、雑誌を反対側にめくっている人は、だいたいもう読み飽きたんだんだなって思って声かけます」
――そうなんですね、すごい! 私、渡された雑誌が年齢より上めのだとショック受けます。
美容師さん「ああ、そういいますよね」
――前、婦人週刊誌を渡されて。
美容師さん「ははは。お客さん、成人式前くらいじゃないんですか?」
――ちょっ、いやいや。そういうの言われると、一瞬本気にしたくなるけど、でもお世辞なんだって自分に言い聞かせて、心が屈折していくのでやめてください。
美容師さん「ははは」
――ところで、婦人週刊誌ありますか?
美容師さん「あ、うちはおいてないです」
――わかりました(読みたかったけど)。
(・・・沈黙・・・)
美容師さん「お客さん、お仕事はパソコン使いますか」
――はい、一応オフィスワークみたいなもんなんで、パソコンやりますね。
美容師さん「ずっとパソコンと向かいっぱなしだと肩凝るでしょ」
――そうですねー。たまに外も出ることもあるんでけど、凝りますね。
美容師さん「ははは。職場の人とご飯食べに行ったりしますか」
――時間帯があまり合わないんで、そこまで多くないですね。
美容師さん「シフト制なんですか?」
――シフトじゃないんですけど、みんな何してるかよくわからないんです。帰り時間もバラバラで。それとお酒飲む人少ないんですよ。
美容師さん「へえ、さみしいですね」
――でもたまに、ピザ取ってくれて、みんなで食べます。
美容師さん「いいじゃないですか。ピザ最近全然食べてないです」
――でも、そんな時に限って、ご飯食べた後で腹一杯だったりするんですよ。
美容師さん「ピザ、ゲリラで来るんですか?」
――ゲリラです。
美容師さん「ははは」
美容師さん「自衛隊の人とか、どうですか? 好きですか?」
――自衛隊の人ですか。えーと! 会ったことがあまりなんで、ちょっとよくわかないです。
(・・沈黙・・)
美容師さん「うちにいるスタッフの子で、おもしろいんですけど、自衛官が好きで、ずっと付き合っていた自衛官の彼と別れたけど、その次にもまた自衛官と付き合っている子がいるんですよ」
――自衛隊の人が好きなんですね(なんでその話を、私に?)
美容師さん「すごい好きみたいですねー。いますよね、自衛隊を好きな女の子」
――自衛隊の人だと、硬派そうですよね。浮気とか絶対しなそう。
美容師さん「いや、そうでもないみたいですよ。その子の彼、けっこうやんちゃで泣かされたみたいですよ」
――でも、また自衛官と付き合うんですね。
美容師さん「ははは、そうなんですよ」
(・・沈黙・・)
――帰りに、買い物していきたいんですけど、この近く買い物できるところありましたっけ?
美容師さん「とおりの向こうの道入ったところに、○○ってスーパーありますよ」
――見かけたことはあったけど入ったことはなかったです。
美容師さん「あそこ深夜までやっているので、僕よくつかってるんですよ。この時間だと煮物系の惣菜安くてけっこういいですよ」
――じゃあ帰り寄ってみますね。
美容師さん「あそこたまに、包丁を研ぎの人が来て、ただで包丁で研いでくれることがあるんですけど、すごいいですよ」
――ハサミ研いでもらうんですか?
美容師さん「ははは、ハサミは出さないです。普通に家で使っている包丁です。研いでもらったあと、スパスパと切れ味がよくて。本当に感激しますよ」
――包丁、研いでもらったことないんで、出したいです!
美容師さん「ははは、本当に感動しますよ」
(・・沈黙・・)
美容師さん「夜ご飯、つくるんですか?」
――もう遅いんで、なんか惣菜にします。ご飯というより、酒のつまみですね。
美容師さん「お酒飲みまむんですか?」
――毎日飲んでます。
美容師さん「どれくらい飲むんですか?」
――けっこう飲みます。
美容師さん「すごいっすね。ワインはどうですか?」
――ワインも飲みます。
美容師さん「僕、最近ワインにハマってて、よく飲むんですけど、スーパーでありますよね、すごいでかいワイン。あれいいですよ」
――ああ、2Lくらいのでかいペットボトルのワイン。
美容師さん「あれすごいですよね」
――でっかいですよね。
美容師さん「あそこのスーパーで売ってますよ」
――買って帰ろうかな。
美容師さん「ははは」
(・・沈黙・・)
美容師さん「……では、ありがとうございました。2ヵ月以内にお越しいただけると、割引になります。次回の予約とか、入れておきます?」
――ちょっと予定がわからないので、また、そのときに連絡します。
美容師さん「はい、ではお気をつけて」
――本当に予定わからないんですよ。
美容師さん「ははは」
(美容師さん、ドアの外まで出て送ってくれる)
――これから、レジの締め作業とか、片付けですか?
美容師さん「そうですね。まぁそんなに時間かかからないです」
――遅い時間にきてしまって……。
美容師さん「とんでもないです、時間かかってすみませんでした。今日も飲むんですか?」
――はい、飲みます!
美容師さん「気を付けてください、あ、そこ段差があるので」
――ありがとうございました。では(ペコ)。
・・・以上、夜更けの美容院の美容師さんとの会話でした。だからどうした、と思うかもしれませんが。だからどうなんでしょう。
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