電子版週刊アスキー1038号  Oculus Riftの発売が2016年第1四半期に決まり、いよいよ本格化するVR(仮想現実) HMD。Project Morpheusも大手ゲームメーカーが続々デモを発表し、一般ユーザーにとっても身近な存在になりつつあります。

 数あるVR HMDデバイスの中でも、ゲーマーにとってはかなり強力な一台となりそうなのが『SteamVR』です。世界最強のPCゲームプラットフォームがが開発、HTCが製造を担当しているHMD『HTC Vive』のすごいところは、Oculus RiftやProject Morpheusとはポジショントラッキングの考え方がまったく逆なところ。 電子版週刊アスキー1038号 ↑HTC Vive。解像度2160×1200ドットなど、スペックはOculus Riftと同等。

 Oculus RiftやMorpheusは、付属カメラでHMDから発する赤外線を検知して位置情報を取得。一方HTC Viveは“ベースステーション”と呼ばれる2台の装置を部屋のスミに置き、ベースステーションが部屋全体に照射した赤外線レーザーをHMD側で読み取るという仕組み。これが“Lighthouse”という位置検出技術です。
 部屋全体をトラッキング可能な空間にでき、検出精度は0.1ミリ単位というから、非常に細かい動きも検出できるようです。さらに位置検出の処理はHMDだけでなく、VRコントローラーなどのデバイス側で行なうため、トラッキング対象の数が増えても対応できるのが隠れたメリットです。複数人が同時に遊ぶことも可能ですね。Lighthouse対応を表明するVRヘッドセット(あのFOVEも!)や、グローブ型デバイスなどの開発が進められているので、一気に広まっていきそうです。

電子版週刊アスキー1038号 ↑こちらがベースステーション。部屋全体に赤外線レーザーを照射する。 電子版週刊アスキー1038号 ↑2つのベースステーションが部屋全体をVR空間に。Oculusではできない、全身没入型のゲームが出てきそうだ。

 というわけで、本日から配信中の週刊アスキー1038号電子版の特集は『HMD最前線』です。今VRヘッドマウントディスプレー業界はどうなっているのか、時代の流れを押さえられる記事になっています。Morpheousのキーマン、SCEワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏にもインタビューをしておりますので、各電子書店で試し読みをしてみてくださいね。

週刊アスキー No.1038(2015年7月21日発行)[Kindle]

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