射出成形工程を経て完成した骨格は、ランナーに付いた状態でオフィス兼倉庫に送られてきます。届く量は一度に段ボール箱で数十箱!
そのままだとあっという間にオフィスが段ボール屋敷になってしまうので、すぐにパーツをランナーから取り外さなければなりません。ランナーとつながっていたゲート部分は、ニッパーやデザインナイフでていねいに除去していきます。
■ミライフレームの骨格を組み立てよう!
組み立ては、手、前腕、上腕、肩、胴体、太もも、すね、足首の順にひとつひとつ行ないます。所要時間は慣れた人で1体につき30分前後。関節部分は押し込むだけのスナップフィットで、それ以外の部分はネジ留め。脊髄部分は専用工具で取り付けます。
ミライフレームは骨格だけでも鑑賞に堪えるようなデザインにしたため、ネジ穴などは足の内側や腕の後ろ側にくるよう、目立ちにくい設定にしました。また、肘や手首など、露出する球体関節部分は特に目立つので、ランナーから切り取ったときのゲート跡が隠れるように、部品の配置を考えながら組み立てて行きます。組み立てが全て完成すると、骨格は外皮に隠れてほとんど見えなくなるという寸法です。
一日中これらの組み立てを続けるには、ある程度の握力と筋力が必要になるので、この部分は男性スタッフ達が担当しています。
ポリアセタール製のミライフレームは、材質の性質上どうしても、潤滑剤を塗る必要がある箇所があります。塗布量が多すぎると緩くなりすぎてしまうので、さじ加減が難しい工程です。また、成形条件の関係で手首や足首の接続軸のサイズが合わず、緩くなってしまうケースも。緩い関節には瞬関接着剤を塗り、軸を太らせて、適度な太さに調整していくのです。
アニソンを聴きながら黙々と作業を続ける、骨格組立担当のスタッフ。集中力が必要です。 頻度は少ないのですが、外皮と同様に、骨格も一定の確率で不良品が出てしまうので、検品は欠かせません。
不良パーツには異物、湯ジワや歪みなどがあります。特にパーツの歪みはやっかいで、外皮とは違い、歪みは人間の眼では判別が困難であり、組み立ててみないと分かりません。一旦組み立てたパーツはバラすと傷がついてしまうので、不良パーツが発覚した部位は、一緒に組んだ良パーツもまとめて廃棄する羽目になりますからね(><)
さて。さまざまな作業を経て外皮と骨格が揃いました。次回は再検品と外皮装着工程についてお話します!
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