スマートドールの外皮やアクセサリーは手作業でつくっているため、生産段階で少なからず不良品が出てしまいます。検品はとても地味な作業になりますが、品質管理には欠かせません。
チェック項目は多く、外皮だけでも次のような感じです。
【1】異物混入――成型段階で金型に紛れ込んだホコリなどが、ほくろ状の黒点として現われる。
【2】気泡――成型段階で外皮の材料に紛れ込んだ空気によるもの。小さな穴として現われる。
【3】シミ――塗料などの汚れ。
【4】湯皺(ゆじわ)――外皮を金型から引き出す際にできてしまう白い筋。
【5】歪み/凹み(へこみ)――外皮どうしの接触による形状変化。
■“Ninja”たちが検品と修正をしています!
各パーツは複数人で厳重にチェックし、必要に応じて現場で修正、又は工場につくり直してもらっています。生産を始めて間もないため、現状では根本的な問題解決には至っていませんが、対処法は幾つかあります。
修正作業で使う三種の神器はシンナー、スポンジヤスリと温風機ボックス。表面的な汚れの大半はシンナーを浸した綿棒で擦れば落ち、シンナーで落ちなかった頑固な汚れや湯皺は300~1200番のスポンジヤスリで擦れば消えます。また、外皮の歪みや凹みは、温風機ボックスで温めることによって、元の形状に戻すことができます。
照明環境も大切です。以前作業をしていた自宅兼事務所では電球色の間接照明が多く、検品に向いていなかったので、オフィス移転の際は照明を充実させました。新オフィスでは日当りの良い場所で、LEDデスクランプとアーム型ルーペを使い、入念にチェックしていきます。
ドールの命であるヘッドは特に注意が必要です。 ただ、やはり検品で最も重要な要素は、検品を行なっている“人”です。いくら設備が充実していても、注意力やスピード、問題箇所を的確に修正するスキルが無ければ意味が無いので、ある程度の訓練を積んだ“Ninja”でなければ任せられないのです。
人材は一番の財産です(^^)
次回は、スマートドールの超重要な骨格“ミライフレーム”について、お話したいと思います。
※Ninja(忍者):英語圏のOTAKU用語で“プロフェッショナル”のことをNinjaと呼びます。
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