インスタグラムなどの写真共有サービスを混同されがちですが、自分が撮影した写真を友達に公開して一緒に楽しむというソーシャルネットワークサービスではなく、好きな写真を集めて自分のウォールを充実させるパーソナルなサービスです。
例えば、料理を作りたいときにレシピを参照することはよくありますよね。こんな時にPinterestを使えば、写真から料理を絞り込めますし、人気のある写真は見つけやすくなります。クリックすれば、もともとの共有元のサイトに移動して、すぐに情報を手に入れられます。
花柄のシャツが欲しいと思ったときも、「花柄シャツ」で検索すればたくさんの写真がピックアップされます。気に入った写真をクリックすれば、その写真の投稿者のほかの写真を見られるので、どんどん花柄のシャツをたどっていけるというわけです。
Pinterestの米国本社のインターナショナルビジネス部門長であるマット・クリスタル氏によると、Pinterestのコンテンツの3分の2はビジネスドメインからきているとのこと。
米国では、スターバックスやP&G、ユニリーバ、ウォルマートなどがビジネスドメインを所有しており、ユーザーがこれらのビジネスドメインから公開された写真をピンすることで購買にも繋がっているそうです。
ユーザー数は全世界で7000万人を突破しており、そのうち米国以外が40%、モバイル利用者は全体の80%、米国外の年間成長率は135%だそうです。
クリスタル氏は、Pinterestは自分の考えや生活のヒントになるアイデアを見つけてコレクションするビジュアルブックマークであると説明していました。
また、Pinterestの日本カントリーマネージャーである定国直樹氏によると、日本で最も人気のあるPinterestのカテゴリーのトップ5は、レディースファッション、アート&デザイン、インテリア、ハンドメイト・DIY、旅行とのこと。
国内では、H.I.Sやユニクロ、ローソンなどのビジネスドメインが運用されているそうです。中でもH.I.Sは、多くの画像を使って1つのボードを作るというPinterestのシステムが「需要を喚起する、旅情をかき立てる」という点で非常に合っているとして重宝しているとのこと。
H.I.Sのビジネスドメインでは、台湾やハワイ、ベトナムなどの国や地域でまとめた写真だけでなく、パープルやブルーなどの色で分けた写真などもあります。H.I.Sが公開した写真の場合、そこから関連するツアーの情報を参照できます。
定国氏は日本のユーザー数についても触れ、月間のアクティブユーザーは1年で3倍に増加したとのこと。
また日本には、ジャンプスタートチームと呼ばれる米国外では初の組織があり、ここにはデザイナーやマネージャーなどが所属して、日本の文化に合わせたサービスの提供を目指すとのことでした。
発表会の最後には、国定氏とデザイナーの山縣良和氏のトークセッションも開催されました。山縣氏はPinterestを、リサーチブックとして活用しており、クオリティーの高い素材を集めやすいと語っていました。
Pinterestのジャパンオフィスの紹介もあり、デザイナーの山縣良和氏と坂部三樹郎氏がプロデュースするデザイナーユニット「東京ニューエイジ」が手がけたインスタレーションが、ジャパンオフィスに展示されていました。
日本では、名前は知ってるけど使ったことがないという人も多いかと思いますが、ジャンプスタートチームが結成された日本で、Pinterestが今後どのように発展していくかに注目ですね。