3Dプリンターでつくったみらいちゃんから、ロウ素材の複製品“ロウ型”をつくりました。その後、電鋳(でんちゅう)と呼ばれる手法で“金型(かながた)”をつくるため、銅のメッキ液にロウ型をひたしたところ――までが前回までのお話。
メッキ液には銅がイオンの状態で溶けていて、それが導電性を帯びたロウ型表面に引きつけられ、徐々に付着していきます。銅が一定の厚さになったら完了なのですが、この反応はとってもゆっくりしたもの。
完成までの期間はロウ型の大きさによっても変わりますが、60センチドールとなるみらいちゃんのパーツで数日から1週間ぐらい。もっと大きいものになると、数週間かかるケースもあるそうです。
数日後、メッキ液から取り出し、中のロウ型を熱で溶かして流し出すと、銅でできた中空の器のようなものがつくられます。内型にはロウ型の表面がコピーされていて、これが“金型”になるのですが、できあがった金型をよく見ると、なんだか歪んでいるものがあるような……?
どうやら電鋳の際にロウ型がつぶれることがあるらしく、そうなると当然、でき上がった金型もつぶれた形で完成してしまいます。これでは製品をつくる際に使いものにならないので、ダメだったパーツはロウ型をつくるところからやり直しました。
こうして苦労の末、完成した金型に、今度は“フライパン”と呼ばれる鉄製のプレートや補強フレームが溶接され、ついに完成です!
あとはここにソフビの原料を流し込んでパーツをどんどんつくればいいのですが、ここでもまた問題が。マニュアル版みらいちゃんを発売した途端、注文が殺到して製造が追いつきません! 金型は現在1セットしかないので、今ある需要を満たすには、更に数セット用意しなければならないことに気付かされた次第です(> <)
なお、みらいちゃんの金型は、高い技術が評価され幾つかの賞を受賞した、カミジョーさんにお願いしてつくっていただきました。
みらいちゃんは、メイド・イン・ジャパンなのです!
さあ、次回はいよいよ、ソフビパーツづくりのはじまりです!