さて。原型製作の続きです!
3Dプリンターで原型パーツを出力する際は、完成品より 6 パーセントくらい大きくしておく必要があります。なぜなら、金型をつくるまでの工程で、縮んでしまうから。一旦完成した原型を改修して大きくするのは難しくて、お金もかかりますが、3Dデータなら、原寸でつくったあと、拡大率の数字を入力するだけで、簡単にすべてのパーツを拡大縮小できます。
この、“収縮”への対応力こそが、3Dデータを使って原型をつくった理由のひとつでもあるんです。
そんなわけで、少し大きめのみらいちゃんの原型をつくったら、次はシリコンで型取りし、シリコンの型の中にロウを流しこむことで、“ロウ型”と呼ばれる複製品をつくる工程に進みます。
ロウ型製作がうまくいけば、その後、金型製作に進み、その金型からみらいちゃんのドールがやっと完成する、という流れです。
原型をつくるときは、3Dプリンターの出力素材であるレジンの料を減らすために、体の内部を空洞にしましたが、このままでは原型の中にシリコンが流れ込んでしまいます。そこで内部をロウで埋めるのですが、ここでひとつわかったことが。
目には最終的な製品で必要な穴を開けたのですが、そこからもシリコンが入ってきてしまいます。こういう穴は、ソフビになってから切り取るので、原型では塞いでおくのだそうです。
3Dデータは、金型をつくることを想定して作成すべきでした。
同じように、次段階の金型には、ビニール素材を流し込むための“湯口”と呼ばれる注ぎ口が必要です。これを変な角度で付けてしまうと、型の中で気泡がたまり、みらいちゃんの肌に小さな跡が残ってしまうのです。
黒い部分が“湯口”。つける角度は、職人さんでないと、なかなかわかりません。 湯口の取り付けは、経験とカンが必要なので、今回は業者さんにお願いしました。今後は、最適な角度を見つけて、3D造形段階で付けておきたいところです!
次回は、いよいよ金型(かながた)づくりのお話です!(^^)