現在日本で買えるWindows PCとしては最小の、マウスコンピューター製スティックPC『m-Stick』。価格は1万9800円と激安だが、実際どれぐらい使いものになるのか? 登場したての『Kindle for PC』や画像編集ソフト『Photoshop CC』など、様々なソフトの動作やベンチマークでガッツリ実力を検証してみた。 m-Stick徹底検証

■Kindle for PC(日本語版)

m-Stick徹底検証

 タブレットで使いたいという人も多かった、待望のWindows 8.1対応電子書籍リーダー『Kindle for PC』。書籍のダウンロードはもちろん、『Cloud Reader』と違い、コミック以外の書籍も表示できる。

テレビの大画面で書籍を見開き表示できた

m-Stick徹底検証

 Kindle for PCで週アスを表示してみると、しっかり見開きで閲覧可能。大画面テレビに表示すれば、迫力もあるうえに見やすくなった。

■Windowsのファイル共有機能

m-Stick徹底検証

 省電力なので常にテレビと接続しておき、テレビのチャンネルのように扱える。その消費電力の低さを利用して、常時起動のNASとして使い物になるのかチェックした。

USB有線LANでアダプターで運用すれば十分使える

m-Stick徹底検証

 WiFiのみで接続したところ、100MBのファイルを保存するのに1分4秒かかった。ちなみに同環境で計測した『nasne』が約8秒だったため、WiFiは結構遅いと感じた。そこで、USB2.0接続の有線LANアダプターを使ったところ、100MBのファイル保存が11秒で完了した。このぐらいの速度なら困ることはないだろう。

■BlueStacks

m-Stick徹底検証

 次は『BlueStacks』を利用して、Windows上でAndroidのOSをエミュレートしてみた。

Google Playで動作未確認アプリも試せた

m-Stick徹底検証

 すでにBlueStacks側で動作確認が行なわれているアプリのほか、Google Playから動作未確認のアプリのダウンロードも可能。スマホのGoogleアカウントを使ってアプリ購入もできた。しかし、Android端末と比べるとさすがに動作は重く、動かないアプリも結構あったので、なかなか万能とはいかないだろう。

■PhotoShop CC

m-Stick徹底検証

 ソフトの起動は14秒。写真ファイルの読み込みはスムーズに完了した。明るさの調整など、画像処理は1秒程度で反映され、1600万画素のRAWデータの現像は1枚9秒程度。想像していたよりもわりと快適に動作してくれた。

■Premiere Elements13

m-Stick徹底検証

 『Premiere Pro CC』は64ビットアプリなので起動せず。『Premiere Elements13』で検証してみると、10分のフルHD動画のH.264出力で5時間以上かかった。また、エフェクトの確認にも長時間待たされた。動画処理には向いていない印象。

■総合性能はAtom Z3740搭載タブレットの方が上

m-Stick徹底検証

 8インチタブレット『Vivo Tab Note8』と総合性能ベンチマークソフト『PCMark8 Home Accelerate3.0』で比較。m-Stickはボディーが小さいためか、動作クロックが不安定だった。

 ということで、m-Stickはベンチマークでは高クロックな8インチのWindowsタブレットに負けるが、KindleやPhotoShopの軽めの画像処理などには十分対応できる実力を備えてることがわかった。インテルの純正スティックPCの国内販売動向も気になるが、m-Stickは現状日本で購入できる最小リビングPCとして魅力的な選択肢だろう。

関連記事

RSS情報:http://weekly.ascii.jp/e/301871/