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触ってわかった“後からピント”カメラ『LYTRO ILLUM』の本当の楽しさ

2014/12/24 22:00 投稿

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 あとからピントを変更できる 『LYTRO ILLUM』(ライトロ イルム)は、写真の新しい撮り方を提案する画期的なカメラ。全域でF2の光学8倍ズームレンズを採用し、“CMOSライトフィールドセンサー”を搭載。通常のカメラ が光の強さと色を認識するのに対し、さらに光の方向を捉えることで空間として記録し、再フォーカスを可能にしています。 Lytro ILLUM-1 Lytro ILLUM-1

 背面には4インチバックライト付きTFT液晶を搭載。2軸ヒンジのチルト式で下方10度、上方90度で可動。マルチタッチに対応し、リフォーカスビューがカメラ単体でできる。バッテリーは3760mAhで、撮影可能枚数は約400枚。無線LANも備え、IEEE 802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz、5GHz)に対応。サイズは145(W)×166(D)×86(H)mm、重量は940g。

 さまざまなメーカーのカメラに触れる機会が多く扱いには慣れているので、取説も見ずにさっそく試してみたのですが……

LYTRO ILLUM ちなみにかなりデカイです。重量は見た目ほどではなく、むしろサイズのわりに軽い印象。

 あれ? さっぱりわからん(笑)。カメラとしての普通の使い方はもちろんわかるのですが、なんというかキモが全然つかめなくて焦ったのです。

 LYTROはフォーカス位置に幅があり、その範囲内でならあとからピントを変えられます。撮影時はフォーカス変更可能範囲を示すバーが表示され、それを目安に撮ればOK。さらにシャッターボタン隣にある“LYTROボタン”を押すと、このようにピントのリフォーカス範囲を表示してくれ、青い部分は近距離、オレンジの部分は遠距離になっています。

LYTRO ILLUM 青い部分とオレンジの部分は別々にピントが合わせられるというわけです。

 そんなわけで手当たり次第撮ってみたのですが、全体がボケてしまったり、イマイチ狙ったとおりに撮れずにがっくり。

 ところが、大きな勘違いをしていたと気づいたのは、撮ってきた画像を専用ソフト『LYTRO DESKTOP』に読み込ませたときでした。全体がボケて失敗したと思った写真を何気なくクリックすると、そこにぐーっとピントが合って被写体がクッキリと表示されたのです。

 そうか、これがLYTROか。

『LYTRO DESKTOP』でピント位置を変更可能

LYTRO ILLUM Mac版『LYTRO DESKTOP』の画面。クリックした位置にピントが合います。F値の変更も可能。 LYTRO ILLUM

1枚の写真から2種類の作品がつくれる

LYTRO ILLUM LYTRO ILLUM どちらのパターンも捨てがたく、普通だと2枚撮るところですが、撮っておけば後から選べます。

 実際に散策していてとっさに救われたということもありました。池に沿った遊歩道を歩いているとちょうど電車が通り、なんの設定もせずにシャッターを切ったところ、どこにもピントが合わず暗い写真が撮れていました。ですが、そこからちゃんとこのような写真を得ることができました。

LYTRO ILLUM

 ちなみに、写真で丸印を付けてあるあたりにピントが合っているものももちろんつくれます。例えばここに人を立たせて写真を撮ろうとしているときにレアな電車が通りかかったとしても、1枚で両方を押さえることができるんです。

LYTRO ILLUM

 ちなみにとっさに撮った写真はこんな状態でした。

LYTRO ILLUM

 そのあとはどんどんおもしろくなってきて、何を撮ると効果的か考えました。それで思いついたのが、我が家のペットのスナネズミ。ハムスターによく似た動物で、すばしっこく動き回ります。じっとしていてくれないので、小物などといっしょにかわいらしく撮影するのは至難の業。ですが、LYTROならとりあえずピントの合う範囲内 にさえ入るように撮ればいい!

留守番カム 手のひらサイズの生き物。

 撮影場所をつくっておもちゃを配置し、ネズミをケージから出していざ撮影! これが用意したネズミ用簡易スタジオです。段ボールで囲いをつくって白いタオルを敷きました。

LYTRO ILLUM

 元々狭いところが好きな動物なので、おもちゃのすき間に放ってもすぐに逃走したり、隙間にもぐりこんだり好き放題でしたが、なんとか撮影は成功しました。

 成功と言っても、撮った時は以下のように全体がボケてしまっていました。スタジオ内のどの位置でかわいいポーズを取るかわからず、動きも速いのでしっかりピントを合わせて待ち構えることがなかなか難しいのです。

とりあえず撮った写真はこちら

LYTRO ILLUM

 ですが、ソフトに取り込めば、以下のようにネズミにピントを合わせたものがバッチリ!

ネズミにピントを合わせた!かわいい!

LYTRO ILLUM

 そして、手前のおもちゃにピントを合わせたものも、全体にピントの合ったものもつくれるわけです。

LYTRO ILLUM 手前のおもちゃにピントを合わせてネズミはボカしてみた。 LYTRO ILLUM おもちゃにもネズミにもピントが合うようF値を変更した。

 これまでネズミをこんなにうまく撮影できたことはほぼないので感激でした。実はこの子、先日腫瘍ができて一時は死も覚悟したのですが、腕のいい獣医さんに出会って手術してもらい、驚くほど回復したばかり。奇跡的に元気になった姿をこうしてLYTROでバッチリ撮れたことは個人的にも特別うれしい出来事になりました。

 ちなみに、手術直後の傷がふさがらないうちは、仕事で留守にしている間に傷口をひっかかないかを見張るためにプラネックスの『カメラ一発!(CS-W60HD)』を仕掛けていました。部屋の電気を消してても赤外線モードでしっかり見え、小動物にとって重要な室温も確認でき、怪しい行動を見つけたら遠隔でアラームを鳴らしたり声を掛けて気を引くことができるからです。まさにデジタル武装ですね!

カメラ一発 LYTRO ILLUM 赤外線モードなのでモノクロ。目が光ってます。

LYTRO

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