"巻き寿司アート"が誕生したきっかけとは?
絵画や彫刻など、芸術の表現方法は数多(あまた)あるが、そのなかで“巻き寿司アート”は、最近、ネットはもちろん、テレビや新聞などでも多く取りあげられ、注目を集めているアート表現のひとつだ。その巻き寿司アートのパイオニア、“たまちゃん”こと清田貴代さんが巻き寿司を使ったアートをはじめたのは、すでにイラストレーターとして活動していた2005年のこと。房総半島に伝わる飾り寿司の写真を雑誌で見かけたのがきっかけだったという。
「こんな技法があるのか! って思ったんですが、ただ、どの本を見ても作者は違うはずなのに、花柄といった同じような柄のものしかなかったんですよね」
これは自分でもつくれるのでは、と思ったたまちゃんは、あるとき犬のぬいぐるみを絵柄にして、実際に巻き寿司をつくってみた。
「思いのほかキレイにでき上がったんですよね。いっしょにいた母はビックリするし、私も感動してしまって。そういったことがあって、私は“アート表現”として巻き寿司をつくろうと思ったんです。」
こうしてはじまった“巻き寿司アーティストたまちゃん”の活動。今年3月には巻き寿司アートを1冊の本にまとめ、『Smiling Sushi Roll たまちゃんのにっこり寿司』を上梓。巻き寿司アートの世界が、世に広く知れ渡ることとなったのだ。
巻き寿司アーティスト/イラストレーター
清田貴代さん東京都生まれ。多くの広告や書籍などを飾るフリーのイラストレーターとして活躍するかたわら、'05年より巻き寿司アーティスト"たまちゃん"としての活動を開始。
世界が注目! 魅惑の"巻き寿司アート"傑作選
●巻き寿司アートを世界に知らしめた作品
作品名:エドヴァルド・ムンク"叫び"より ムンクの名画『叫び』がモチーフ。ノルウェー観光局主催の『世界一長い"叫び"プロジェクト』で第2位に輝き、巻き寿司アートの存在を世界に知らしめた。●意表を突く豪奢な作品
作品名:金の茶室 切った断面に絵柄が現われると思いきや、中は空洞になっているという意表を突いた作品。空洞の周りには金箔がはられている、なんとも豪奢なつくりだ。もちろん、食べてしまった。●一気に食べる気が失せる絵柄が!
作品名:うんことハエ 食べ物をキャンバスに用いているにもかかわらず、あえて絵柄は文字どおり"うんことハエ"。そんな、おきて破りなところも、たまちゃん独特のサービス精神なのかもしれない。●実は栄養満点のミドリムシ
作品名:健康の為なら死んでもいい! これも、食べ物のモチーフとしてはグレーゾーンなミドリムシだが、実は緑色を出すために、健康によいとされる“ミドリムシの粉”を使用しているのだという。ワークショップも精力的に展開中!
●たまちゃんが直接指導
たまちゃんが直接つくり方を指南する、巻き寿司アートのワークショップを各地で開催。どの会場も応募が殺到するほどの人気ぶりなんだとか。●仕上がりは十人十色
ワークショップ参加者による作品がズラリ。同じ題材でも、作り手によってかなり異なるところが、巻き寿司アートの難しさでもあり、楽しさなのだ。週刊アスキーで全部読めます!
9/16発売の週刊アスキー9/30号(No.996)では、巻き寿司アーティストである"たまちゃん"のインタビューをすべて掲載。作品に込めたメッセージなどを知ることができます。
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