LGのG Watchで手首を電脳化してみたら意外とヨカッタ
「OK、グーグル」が気恥ずかしい初日 今年のアンドロイド開発者のお祭り“グーグルI/O”で発表されたアンドロイドウェア対応機、LG『G Watch』を早速入手してみましたよ。えへへ。
LGを選んだ理由は“なんとなく”……とはいえ、編集部にあるサムスン『Gear Live』と比較してみると、LGの方が普通の時計っぽく私服に馴染む。ある意味正しい選択。
時計に向かって「OK、グーグル」と話しかけるのは最初はなかなか慣れない。結局僕はタップで“g”ボタンを押しコマンド待ち状態にして、音声コマンドだけしゃべる方法で使い始めた。まずは口頭でメモとって『Keep』に保存してみたり、「19時にアラームをセット」と言ってアラームセットしたりなど。
あまり実用的じゃなかったのはカレンダーの予定確認やメールの通知。件数が多すぎると無駄通知が多かったり折り畳まれたりするためだ。もっとも落胆する必要はない。真価を発揮するのはココじゃなかったからだ。
グーグルナウとアプリの良さが光りまくる
数日使ってみてわかったのは、なんだかんだ言ってコイツの価値は、“対応アプリの増加”と“グーグルナウ連携”に集約されるということ。アプリは発表以降、思いのほか大手・個人ひっくるめて豊富になった。プラットフォームをつくるとはこういうことなんですね。たとえば、ディズニーランドの乗り物待ち時間を見られる非公式アプリがある一方でエバーノートも使える。なんとノートを音声検索して内容までG Watchで見られる! スゴイ。
こうした広がりは一社展開だったソニーのスマートウォッチとは比べるべくもない。また、グーグルナウとのスマートな連携は、たとえば台風の状況が更新されるとさりげなく内容を通知してきたり、カレンダーを分析して移動時間を教えてくれたりする。いかにも正統派のスマートコンパニオンっぽい。
この手のギアはスタミナが気になるけど、起動を頻繁にさせず通知メインの使い方なら、2日程度使えたこともあった。
対応アプリが時計側に認識されるタイミングがまちまちで戸惑ったりなどの微妙な点は今後少しずつ改善されていくはず。オモチャではなくて、意外と便利だぞ、というところまで来たというのは大したものだと思う。来週はベルト交換のカスタムにも踏み込んで使ってみたい。
未完成感も強いが筋の良さを感じるギア
数日触りながら原稿を書いている間にも対応アプリが増えているという事実は、初モノだからとはいえ大きな一歩。音声認識がSiri並みに良くなれば見える世界がずいぶん変わるだろうな。
磁石で吸着する充電器。『Gear Live』より使いやすく、バッテリー容量も1.3倍多い。ナイス!ベルト交換でシャレオツなスマートウォッチに!?
交換できるという22ミリのベルトを探す
スマートウォッチがニガテという人は、デザインがガジェットぽいこと自体がNGという人もいると思う。僕もどちらかというとそう。ただでさえ角張ったデザインな上、微妙に流線型だったりデザイン性の薄いラバーバンドだったりすると、その点が余計に強調されてしまう。『G Watch』は、珍しくベルト交換に対応している。公式には“22ミリ幅のベルトに対応”となっているので、人柱も兼ねて2種類試してみた。
一方はカシス製のファブリック素材のフランス国旗柄。もうひとつはモレラート製の腕時計らしい革ベルト仕様で、ベルト取り外し用の工具が付属。どちらもアマゾンで取り扱いがあり、2つ合わせて1万円以下だった。
ベルト交換するならNATOタイプを推奨
ベルトが到着したので分解してみると、G Watchのベルト取り付け部分のクリアランスがかなり狭いことが判明。カシス製ベルトはいわゆる“NATOタイプ”というもので、1本のリボン状ベルトを時計に通して使う方式。これはすんなり装着できて、しかもG Watchがポップな雰囲気になってなかなか良い。柔らかい布ベルトなので装着感の良さもある。欠点は、ベルト装着時に充電できなくなること。もっとも、NATOタイプは取り外しも簡単なので、いちいち工具を出してくる必要はないんだけど。
一方で、革ベルトのほうが場合により多少が加工が必要なことがあるようだ。個体差かもしれないけど、ベルト差し込み部分のクリアランスがかなり狭いので、厚いベルトだと装着できない。今回のモレラートは片側は装着できたけどもう片側がハマらなかった。たぶん個体差。 しばらく思案して、カッターナイフで薄く削ぐ、という力技で解決。削るときの注意点は、ベルトの内側を中心に削ること。削る場所次第では、装着時に結構、削りあとが目立つのですよ。
編集部で数人に聞いてみると、一様に評判がいいのはカシス。ちょっと洒落っ気があるみたいね。期待してた革ストラップは人によって評価がまちまち。僕はスマートウォッチらしさが弱まるし、手入れクリームで色を濃くすることもできるから好きなんだけど……。
ともあれ、こういう楽しみを用意してるところに、G Watch設計者の遊び心を感じますね。これからの盛り上がりに期待!
カスタムで愛着倍増この楽しさはいいね!
生活ガジェットは、自分でも身につけたくなる何かがないと広まらない。Jawbone『UP』的なものしかり。いいね!感を備えて対応アプリが増えたら、強いプラットフォームになりますね。
NATOタイプは標準ベルトのバネ棒を流用。バネ棒の隙間からスルッと通すだけで簡単に交換できる。 ■今回使った製品LG G Watch
●LGエレクトロニクス
●直販価格 2万2900円