連載400回ってスゴイですよね。そこで、連載300回記念で大好評だったイラスト傑作選企画を今回も決行! 著者の山崎氏と担当編集Kが第301~400回の中から選び抜いた傑作イラスト10点をドドンとお届けします。
<山崎浩一氏のベスト5+1>
第1位(2012年3月26日発売号に掲載)
今や「第3世代iPad」「古い新しいiPad」「古いほうのRetinaディスプレイモデル」などと名称が混迷しているモデルが、「新しいiPad」として発売された直後に描いたイラスト。iPad2より50グラムほど重いことも“話題”でしたね。50グラムで騒いでるユーザーやレビュワーをからかおうという意図はありません。虚弱なくせに重たそうなアクセサリーをジャラジャラ身につけていたデスメタルな友人を思い出したので、たまたまこんな絵になっただけで。週アスらしいハードウェアとナンセンスな笑いが幸福に(笑)合体したケッサクであると自画自賛しております。(山崎)
第2位(2012年4月3日発売号に掲載)
これもまた同じ路線のイラスト。コラムの内容は“旧モデルiPadのいろんな再利用法”だったかな。iPadはもう何度も描いてるので、イラストのほうはMac miniの旧モデルにしてみました。Mac miniを初めて見たときから「中学時代に使ってたアルミの弁当箱みたいで懐かしい」と思ってましたので。その中身も当時母が作ってくれたお弁当を再現してみました。もちろん実在のMac miniの構造とは無関係な絶対ありえないアイデアですが、担当のK君は「(光学ドライブの)スロットからの汁漏れが心配ですね」と、きちんとツッコんでくれました。ありがたいことです。(山崎)
第3位(2011年8月1日発売号に掲載)
英国の動物写真家がカメラをクロザルに奪われ、そのサルが仲間の生態を撮影した。その写真の著作権者は写真家かサルか?――という実際に起きた論争がネタ。写真家が「あの話はウソ。私が撮った」と言えば済みそうなものだが、とにかく絵にしやすいネタだったことは確か。毎回アイデアと作画で時間との戦いになるのが常ですが、これは下描きなしでスラスラ描けた唯一の作品。そのせいかクロザルの表情も異様なまでの生気と迫力に満ちてませんか?(笑)「CM」というのは当時放映されてたEOS KissのCMのこと。いろんな動物のお父さんが幼獣の写真を撮ってたアレです。(山崎)
第4位(2011年7月5日発売号に掲載)
この連載では1ヵ月に1度は美人画を描こうと決めていたのですが(もちろん描いてて楽しいから)、この絵は描いた本人もドギマギしました。高校時代に憧れてた女子をモデルにしちゃったんで。コラムの内容は“電通大がディープキスの舌使いを遠隔伝達する触覚デバイスを開発”という話題。つまりそこから独自のディープキスマシーンを妄想してしまった、と。もっと露骨なイラストもたくさん描いてるのに、なぜこれがこんなにエロく感じるのかと理由を考えたんですが、いつもの余計な手書きネームが入ってないせいもあるかも。ボタンやスティックも実にいやらしいですね。(山崎)
第5位(2011年10月31日発売号に掲載)
Appleを生んだもう1人のスティーブであるウォズニアック氏は、とても描きやすいキャラクターです。漫画のキャラが3D化したような。連載でも何度か似顔絵を描いてますが、ここまで描きやすいと普通に描いてもあまり面白くない。というわけで達磨になってもらいました。既成の達磨のデザインを活かしたまま、そこにウォズ氏の顔とイメージを溶け込ませるのは簡単なようで難しかった。あのヘアスタイルも個性の一部なのに達磨には髪そのものがないし。結局、顔面の上端にチョロっと前髪を描き加えることで、なんとかクリアしました。やや反則でしたが。(山崎)
次点(2012年4月23日発売号に掲載)
あのGoogle Glassが発表された直後に描いた絵。モデルはもちろんGoogle創業コンビのラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリンの両氏。描いたことのない2人を同時に描くのは、なかなかのホネでした。動いてるの見たことないし。なのでもっぱら動画検索を活用しました。やはり静止画じゃダメなんですね似顔絵の資料には。観察に時間がかかったため漫画チックすぎて完成度の低い絵になっちゃいました。が、似顔絵としては成功したような気がします。このへんが似顔絵の不思議なところ。巧く描くと似ない。これは大学の漫研時代に似顔絵のバイトで学んだことです。(山崎)
<担当編集Kのベスト3+1>
第1位(2011年8月23日発売号に掲載)
2011年7月26日に80歳でこの世を去った小松左京氏とその作品群について書かれた回のイラスト。中学時代から小松作品の愛読者だという山崎さんの“愛”があふれ出ていて、ものすごく印象に残っています。コラム冒頭で引用された小松氏の「今は大変な時期かもしれないけれど、危機は必ず乗り越えられる。この先、日本は必ずユートピアを実現できると思う。日本と日本人を信じている」という最後の言葉は、しっかりと胸に刻みたいものです。(担当K)
第2位(2012年10月9日発売号に掲載)
山崎さんからメールで届いたイラストの中身を確認して、思わず吹き出してしまうことはしばしばあります。これもそのひとつ。コラムの題材は「オランダの田舎町で、16歳の少女の誕生日に約4000人が殺到して暴徒化。その原因はフェイスブックの誤操作だった」というニュース。オランダ発のB級(?)ニュースと、あの“年収低すぎ”な女性が結びついた奇跡。それを世界でいちばん最初に目撃できる“担当編集のしあわせ”をかみしめたのでした。(担当K)
第3位(2012年12月4日発売号に掲載)
「あれ、これってマジなんじゃない!?」と担当Kも一瞬、納得しかけたイラスト。初代iMacをスライスした断片がその後のiMac各モデルの筐体になっているというネタですが、このイラストを説明抜きで見た人の何パーセントかは本気にしてしまうんじゃないでしょうか。ツイッターで流したら、けっこう“釣れる”かもしれません。(担当K)
次点(2012年9月4日発売号に掲載)
この連載のイラストで、美人とならんで最も多く描かれている題材が猫。編集部でも、山崎さんの猫イラストは人気です。この子猫たちのイラストも、文句なしにカワイイですよね! ニャンといっても猫は正義! コラムの内容なんてすっかり忘れちまったよ! ……というのはもちろん冗談ですが、猫イラストが届くたびに「ああ、おれも猫が飼いたい」と身もだえする担当Kなのでした。(担当K)