特筆すべきは録画番組を再生する際に、番組内のコーナーを見出しのように頭出しする“もくじでジャンプ”なる新機能だ。この機能は、ネットから番組内容のメタデータを取り込み、録画された動画から余計なシーンを飛ばして視聴ができるというもの。
このハード、もう少しブラッシュアップして機能を追加すれば、世界的なヒットが可能だと感じる。例えば、2ちゃんねるのテレビ実況スレとの連動や、YouTube、ニコ動の人気動画や番組のシームレス再生など。ほかには有料動画の購入機能が備わっているといいかもしれない。こういう機能的な面を充実させれば、“ソニーTV”ボックスの中核となるポテンシャルを秘めていると思う。
しかし残念なことに、既存の“家電の域”を出ていない感じがしてしまう。アップルがiPhoneで示したことは何か? 家電というよりおしゃれなアクセサリーといった感じのデザイン。金型成型のプラスチックボディーではなく、工作機械削り出しの金属ボディー。そして、何といっても研究されつくしたヒューマンインターフェースの、マニュアルなしでオーケーな操作感だった。
ソニーはよい技術をマーケットに送りだす能力は持っている。あとは外面と売り方なのでは?
ソニーは、それだけのポテンシャルを秘めているはず。
■今週のガジェット■
『BDZ-ET1000』
キーワードやジャンルを登録しておくと自動で関連番組を録画する“おまかせ・まる録”機能を搭載。3番組を同時に長時間録画できる。HDD容量は1TBで、最長約981時間の録画が可能。
録画した番組について、従来の電子番組表(EPG)に加えて、コーナー目次や紹介されているお店の情報などをダウンロードし、表示できる。
発売 ソニー(関連サイト)
実売価格 8万8000円前後
■今週の近況■
ソフトバンクは、プラチナバンド獲得とイーアクセス買収でライバルと並んだ。大企業病を抱えている他2キャリアと比べ、経営トップが強く柔軟なソフトバンクは強い。次はウェブベース課金のユーザーを増やし、課金プラットフォームを押さえることじゃないだろうか?
※この連載は週刊アスキー2012年12月11日号(11月27日発売)に掲載されたもので、堀江氏の意見をもとに編集・再構成したものです。
●関連サイト
堀江貴文オフィシャルブログ
『六本木で働いていた元社長のアメブロ』