そんなに多くないよという人もいるかもしれません。でも一人暮らしでそれほど広くない部屋に住んでいる筆者ですら、エアコンをつけようとしてリモコンを手に取り、ボタンを押したらテレビの電源が入り腰砕けになったことが何度かあります。
アスキー編集部の人など、家電とAV機器がありすぎるせいで、リモコンで打順が組めるなどと言い出す有様。1(二)テレビ、2(中)エアコン、3(指)AVアンプ……もういいです。
ソニーの「SAP」プロジェクトからあらわれたHUIS REMOTE CONTROLLER(以下、HUIS)は、ふだん使っていたリモコンをひとつにまとめられるリモコンです。ちなみに“HUIS”は「ハウス」と読みます。価格は2万7950円。「むっ、安くない」と思った人にこのアイテムのよさを解説していきましょう。
「あのリモコン、どこに置いたっけ?」とはサヨウナラしましょう家中のリモコンを一つにしてやるからな
HUISは学習リモコンです。テレビ、エアコン、照明、オーディオ、レコーダー、セットトップボックス、プロジェクター、扇風機のリモコンの赤外線信号が登録されており、家にある機器とメーカーを選ぶだけで、簡単にリモコンの設定が可能です。
画面は電子ペーパーです スッキリとしたデザインで、室内でも悪目立ちしません 充電はmircoUSB経由で サイズ的にはiPhone 7と同じぐらい赤外線信号を追加登録する機能があるため、機器・メーカーが登録されていなくても、赤外線リモコンの信号を保存して利用することができます。
要するに、HUISはテレビのリモコンにもなるし、エアコンのリモコンにもなるし、照明のリモコンにも、オーディオのリモコンにも……すべてをこれ1台に集約できる。家中の家電をHUISで操作できるようになるわけです。
テレビの操作もHUISで。上下にフリックすれば画面が切り替わる エアコンの操作もHUISにしましょうもっとすごいのは、設定したリモコンからよく使うボタンだけをピックアップするだけで、ひとつの画面で複数の機器を操作できるリモコンを作れること。
よく使うボタンをまとめてしまえば、リモコンの画面を切り替えずに操作できる。家中の電源ボタンをまとめて一画面に集約すれば、寝る前に使っている家電をすべてオフにするということも可能になります。
たとえばこの画面。上部分でエアコンの電源と運転切り替え、下部分でテレビの電源とチャンネル/音量の切り替えができる 下にフリックすると照明のオン/オフ画面が出てくるようにしましたアップデートで最強に、マクロも使える、フリック操作もできる
ただでさえ便利なHUISですが、11月2日にソフトウェアアップデートを実施。使いやすさがすっごいことになりました。
特に進化したのはパソコンアプリケーションのHUIS UI CREATOR。ボタンの配置や大きさはもちろん、ボタンのデザインや背景なども、自由自在に変更できるので、好みのリモコン画面を作れます。対応OSはWindows 7、8.1、10。
「HUIS UI CREATOR」 画像も読み込めるので、ためしに作ってみた「ナベコTVリモコン」。基本的なテレビの操作が可能なほか、写真の指先を押すと、部屋中の家電の電源がすべてオフになります目玉は「マクロ機能」。1つのボタンで複数の操作をまとめて行なえるというもの。これにより、テレビと照明とオーディオの電源を一度に入れたり、たとえばテレビなら「電源を付ける、入力切替をする、音量を上げる」といった操作をワンタッチで済ませたりといったことが可能になりました。
リモコンの中にマクロを入れられるのがすごいたとえば、家のテレビのHDMI端子にPCも繋いでいる、といった場合。テレビでPCの画面を見たい場合は、まず電源を入れて、「入力切替」のボタンを押して、ちょっと明るさも調整して……といったことが必要になる。
ところがマクロ機能を使えば、「電源入れて、○○秒後に入力切替して、明るさを最大にする」がワンタッチでできるようになる。
毎回操作するのはいまいち面倒くさい、というパターンでも…… マクロ機能でひとまとめに!登録しているリモコンならマクロに組み込めるので、「部屋の照明をちょっと暗くして、オーディオの電源を入れ、5秒後にCDプレイヤーの再生ボタンを押し、10秒後にエアコンと扇風機の電源も同時に入る」なんてこともできますよ。
そのほかに、1つのボタンにタップやフリックなどの複数の操作方法を設定できる「フリック操作設定」もあり、リモコンとしてこんなに便利に使えていいのかしらという感じになっております。
フリック操作設定。1つのボタンに、タップで電源を付ける、フリックで消す、といった異なる操作を割り当てられるUI CREATORで作成したリモコンデータをインポート/エクスポートできる「インポート/エクスポート機能」も追加されました。リモコンデータをバックアップとしてパソコンへ保存することはもちろん、シェアすることもできるので、自分だけの「便利」「かっこいい」「かわいい」リモコンを作って、ほかのユーザーに使ってもらってもいいですね。
リモコン画面は公式サイトにサンプルが用意されているので、まずはそれを編集するところから始めめてみるのもいいでしょう本体サイズは幅68×奥行き24×高さ123mm、重量はおよそ130gとなっています。
単なるリモコンだと考えると「ちょっと高級かな?」と思ってしまうかもしれません。しかし、家中の家電を操作できる、画面を自由にカスタマイズ可能なガジェットだと考えると、これほど便利で面白いものもなかなかないと思います。強く推薦です。
シンプルで落ち着いたデザインはインテリアにすっとなじみます