それとは別に、ない袖は振れない、という現実も踏まえるべきかと思います。この二つを混同してはいけない。現実は現実でそう簡単に変わらないのですから、基本的には自分たちでどうにかするしかない。ある問題で困っている人がいるとして、ではその人は別の問題で困っている人に手を差し伸べたことがあるのでしょうか。じっさいは関心すら持ちますまい。非難を承知で言えば、今保育で困っている方々でも、結婚が出来ぬほど低所得の非正規労働者に対しては自己責任だと述べるのではないでしょうか。また、正規労働の女性がまだしも産休育休を取って保育園を探せる一方、その穴埋めの派遣労働者が妊娠したら、即辞めろと言われるわけです。介護する親がいない世帯からすれば、介護職員の給与を上げるのに1000億も使うなよ、住宅ローンやエコカー支援に回せと言いかねません。そういうものです。みな自分が可愛いのではありませんか。

ヒューマニズムを隠れ蓑にしたエゴイズムの主張というものが世の中にはある。政治家の傲慢さとは別にそうした偽善にも注意しなければならないのではないでしょうか。お上が当てにならない以上、身近な他人のことをもう少し考えるべきかと思います。情けは人の為ならず、です。