鷲音モー のコメント

はははっ、承認を得られない虚しい主婦どものネトウヨ化って笑うわ。
はははっ、妻に昼顔されるよりネトウヨ化が無難だと目をつぶっている器が御猪口のダンナどもって笑うわ。
意識の高い俺としてはそんなお連中を憐れでミジメな存在だと嘲笑してこまそうと思った。
でも何故か笑えなかった。
それどころか、何だか心が苦しくなった。
それはネトウヨ化する者を自己責任だと笑っていても何の解決にもならないからだ。
自分を高みに置いてニヒリズムに浸り、他人を嘲弄して溜飲を下げていても何も変わらない。
現実に向き合い、日本の社会構造の歪みを正すことを真剣に考えていかねば、肥大した承認欲求からおぞましい差別に走る者が続々と増えてゆく一方だ。
しかし何の力も持たない俺がクソマジメに考え込んだところで何になるのだろうとも思う。
そんな時は「花燃ゆ」の伊勢谷友介のモノマネをして考えを改める。
「知りたいからです。学びたいからです。変えたいからです。今までの学問じゃ、もう日本国は守れん。本当にこん国を思う者は知っとる。死に物狂いで学ばんにゃ、こん国は守れんと」

てな訳で、ただ暗い気持ちになるだけのルポタージュを知る為、学ぶ為に読みましてん。
鈴木大介という人が書いた『最貧困シングルマザー』ちうのを読みましてん。
もう俺の心がぐらぐらに揺れました。
自分の周りにいる人間の現実がそこにまざまざと描かれていて胸が痛くなりました。
頭が激烈且つ劇的に悪い俺では言語化・文章化出来なかった最底辺に生きる者の肉声を見事に拾い上げている本でした。
「女手ひとつで福祉の力も借りずに立派に子供を育て上げるというワケの分からない立派な母子家庭幻想がなぜか日本の風土に定着」
「女は自力のみで子育て出来る存在ではありませんという価値観を堂々と言う人をあまり見たことがない。言えば叩かれる。もしかすると叩くのは、むしろシングルマザーで、自力のみでバリバリ子供を育て上げてしまった母親かもしれない。私に出来たのに、なぜ出来ない」
「育てられないなら、子供を施設に入れるのも手ではないかという声もあるが、これこそ現場感覚を知らないとしか思えない」
「社会の裏を見れば見るほど、そこには泣いている子供の顔がある。泣きはらした顔の子供のまま、大人になってしまった人々がいる」
「苦しいと叫ぶ母を助けられない世の中ならば、苦しいと叫ぶことが憚られる世の中ならば、それはあなた方が間違っているのではなく、世の中の側が間違っているのだ」
「心から望むのは、福祉を含め、社会全体の力で子供を育てていくことが当たり前に感じられる世の中になって欲しいということだ」

胸を抉られるような言葉の数々に、知ること、学ぶことって、つらいなぁと思いながら、どんな問題も安易に自己責任論で片付けることなく、真剣に向き合っていかねばならないなぁ、しんどいけど。
などと考えたりして、晩酌して、バラエティー番組を観ながら早くも気分転換している鬼畜な俺。

No.106 121ヶ月前

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