さねゆき のコメント

たいへんな悩みをお抱えですね。真実をそのまま伝えたら、娘さんとの信頼はきっと傷つくでしょう。自分にはウソをつかないと信じていた母親が、ただのウソつきになってしまうわけですから。

 ところで、人間は他人や自分にウソをつきます。化粧で素顔を隠して他人を騙すと同時に、本当はそんなに美人じゃないことを一番良く知っている自分を欺きます。仕事で好きでもない相手に愛想を振りまきながら、「本当の自分を活かせる職場がどこかにあるはず」なんて思い込みます。勉強が苦手な子どもにやればできると言いつつ、この子は人並みにできるはずだと自らに訴えます。

 普通に生きているとこういうウソ八百な自分の人生を顧みることができませんが、子育てをしていると、そうはいきません。親は子どもの前で立派な人間を演じなければならないからです。たとえば、「好き嫌いをせずに食べなさい」という親の命令に子どもが従うのは、栄養バランスのとれた食事の重要性に気づいているからではなく、単に親が立派だからです。

 さて、今回のウソの種明かしをすると、娘さんは、「ママの言うことをきかなくてもいいのではないか」なんていうとんでもないことを考えだすかもしれません。挙げ句、朝食を残したり、宿題をさぼったり、午後5時のチャイムで家に帰って来なくなったりするかもしれません。これはピンチです。

 ですから、別の作戦で乗り切りましょう。娘さんから「ママの本当の年齢は24歳なんだよね」と言われたら、「○○はまだ子どもだからわからないだろうけど、実はママは34歳なの」と答えましょう。ウソをウソで凌ぐのです。

 娘さんが高校に上がったら、母子手帳をみせてあげてください。そうすれば娘さんは、今まで母親が「立派な母親」を演じていてくれたことに驚くでしょう。そして、もしかしたら母親になるかもしれない自分の人生を、娘さんはしっかりと見つめることができるようになるのです。

No.13 135ヶ月前

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岡田斗司夫ゼミ

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