na85 のコメント

 magaomeさんは既に読まれていると思いますが、おススメ図書に岩澤信夫氏の『究極の田んぼ』、木村秋則氏の『りんごが教えてくたこと』を加えておきます。『究極の~』は不耕起栽培・冬季湛水で田に自然の生態系を造りだすことで農薬も肥料も要らないコメ作りを提唱するものであり、『りんご~』も果樹園を自然の生態系にすることで農薬不要にすることです。これは宮脇昭氏の『鎮守の森』にある潜在自然植生の森と組み合わせ、松永勝彦氏の『森が消えれば海も死ぬ』から海と森との物質循環を考えれば環境回復の一つの処方箋が書けます。
 他に槌田敦氏の『「地球生態学」で生きよう』という地球環境にエントロピー理論を採用した著作があります。エントロピーは増大し続ける(熱力学第二法則:自然の系は無秩序に向かう)のですが、地球は自然状態では安定しています。その秘密は、太陽光として地球に入ってきた熱エネルギーは気象循環によって地球外に捨てることができ、汚染物質は微生物分解によって無害で安定した物質に変えることができるからです。熱を大気圏外へ運ぶのは水蒸気であり、上昇気流(低気圧)がその役を果たしますが、森林が少なくなると上昇気流の発生場所が少なくなって温暖化しやすくなります。また生物多様性が失われて食物連鎖や共生などの生態系が繋がらなくなると物質循環ができなくなり、人工的にエネルギーを使って処理する傾向が今より強くなります。その物質循環論では松永氏の『森が消えれば~』や畠山重篤氏の『森は海の恋人』にも触れています。そして江戸の暮らしが最も地球生態学的に正しいと結論してもいます。また経済的弱者が市場原理主義の世界で生き残るためにはグローバル経済から距離を置くことだとして暗に鎖国を勧めてもいます。つまりこれは環境を足掛かりに人間活動全体の処方箋にも言及しています。

 『近代の呪い』は仕事関係の本が一段落したら取り掛かります na85

No.172 135ヶ月前

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