YouTubeにグリモンプレ監督の質疑応答動画が多く上がっているのですが、「なぜサッチモが農業長官だったんでしょうね?」と訊かれて「大麻(クサ)について詳しかったからでしょう」と答えていました(笑) オウム真理教の内部で「真理国」と名付けられた国家構想があり、その要職に教団員の誰をつけるかの話で盛り上がっていたという話を読んで、身内のメンバーを何々大臣呼ばわりして「これならほんとに世界は良くなるよ」とか言い始めたらもう終わりだよなと思っていたところ、オウムより遥か前にディズがやっていた洒落はそんな欲求不満妄想を吹き飛ばすような内容で(笑)、ジャズマンの頓痴気は本当に素晴らしいと思いました(のちのザ・ウチアゲや全冷中も含め)。実際、その妄想によって偽の権力掌握感が得られる根拠自体をユーモアの使用によって崩しているのが、とても音楽的かつ健康的です。 それに対して、といってはなんですが、松尾潔が衒いもなく表明していた「反戦フェスをやりたい。キャスト候補はこんなにいる」の言は、あっ、これ真理国パターンだと一瞬で頬を引き攣らせるほどのものでした。そのフェスが実現するまでもなく平和大臣マヒトゥの「辞任」があったのも含め、なんかもう、ディズがひっかかりもしなかった磁場に言論人もミュージシャンも共倒れで絡め取られてる(もしかするとそれを「連帯」と勘違いしてる)様は、たぶん90年代以降に特徴的な現象だろう、と時代論に帰して考えを止めたくなってしまいます。 今日がサマー・ソニック最終日? で、デヴィッド・バーンはもう出たのかどうかすら知りませんが、マッシヴ・アタックをあれだけしゃぶった民衆(「けっ、フェスで政治的主張とかやめろよな」という反応の側も含めて)がデヴィッド・バーンをも喰いがるのか(もしくは単に喰えるのか)、それとも解離されたとして、その理由は何なのか。というトピックが冷凍庫に放置された棒アイスのような、旨味のない晩夏の楽しみになっています。
「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。
音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。
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YouTubeにグリモンプレ監督の質疑応答動画が多く上がっているのですが、「なぜサッチモが農業長官だったんでしょうね?」と訊かれて「大麻(クサ)について詳しかったからでしょう」と答えていました(笑)
オウム真理教の内部で「真理国」と名付けられた国家構想があり、その要職に教団員の誰をつけるかの話で盛り上がっていたという話を読んで、身内のメンバーを何々大臣呼ばわりして「これならほんとに世界は良くなるよ」とか言い始めたらもう終わりだよなと思っていたところ、オウムより遥か前にディズがやっていた洒落はそんな欲求不満妄想を吹き飛ばすような内容で(笑)、ジャズマンの頓痴気は本当に素晴らしいと思いました(のちのザ・ウチアゲや全冷中も含め)。実際、その妄想によって偽の権力掌握感が得られる根拠自体をユーモアの使用によって崩しているのが、とても音楽的かつ健康的です。
それに対して、といってはなんですが、松尾潔が衒いもなく表明していた「反戦フェスをやりたい。キャスト候補はこんなにいる」の言は、あっ、これ真理国パターンだと一瞬で頬を引き攣らせるほどのものでした。そのフェスが実現するまでもなく平和大臣マヒトゥの「辞任」があったのも含め、なんかもう、ディズがひっかかりもしなかった磁場に言論人もミュージシャンも共倒れで絡め取られてる(もしかするとそれを「連帯」と勘違いしてる)様は、たぶん90年代以降に特徴的な現象だろう、と時代論に帰して考えを止めたくなってしまいます。
今日がサマー・ソニック最終日? で、デヴィッド・バーンはもう出たのかどうかすら知りませんが、マッシヴ・アタックをあれだけしゃぶった民衆(「けっ、フェスで政治的主張とかやめろよな」という反応の側も含めて)がデヴィッド・バーンをも喰いがるのか(もしくは単に喰えるのか)、それとも解離されたとして、その理由は何なのか。というトピックが冷凍庫に放置された棒アイスのような、旨味のない晩夏の楽しみになっています。