ゲスト のコメント

 いずれのコメントも大変興味深く読んだ。Changeさんのだけは毛色が違うような一種の「今の国際情勢から観たら、『希望的』観測を書かれた」との感を抱いたが、いずれも読み応えがあった。そのChangeさんのも含めて、流石に孫崎享読者らだと読んだ次第。

 ところで、人間観にも、例えば一例医学的実証的な見方・思考も、哲学的なそれもあるように、重大な国際情勢も同じ事。帰納ばかりではなく演繹法もあるのだ。この大事件を観、理解するには、少なくともこんな要素は押さえねばならないと僕は考える。
・米(G7)が中東から東アジアへ地政学焦点を移し始めたこと。
・このことは、米シェールガスが採算に近づいたうえで、中国圏に物作りをとられ、米白人労働者たちを喰わせられなくなったその「反乱」を反省して見せたビジネスラウンドテーブルの「パーパス文書(的思考)」(2019年)などがもたらしたものだということ。
・ただし、「石油=ドル」世界通貨体制は相変わらず米の命綱である。石油が大事なら、イラン、ベネズエラ、サウジ、ロシアなどへのシフトは相変わらず続いていく。
・そのアメリカだが、GDPの実質4倍の国家累積赤字を抱えていること。これは、2015年に元会計検査院長が告発したものだ。
・その上で、こんな事も重なってきた。コロナ・どさくさ渦の米保護貿易実施。ウクライナ戦争下で、ノルトストリーム破壊・エネルギーの高騰や、制裁という名のさらなる保護貿易遂行。この間中、対中問題はいったん退けて懐柔策に出ている感すら存在するのではないか。

 と、これら全体を眺めると、pfさん辺りの観察が正解ではないかという気がする。ウクライナ支出への議会チェックもあって、「ウクライナの次への展開」の布石を打ったんじゃないか。ただ、11カ国になった新BRICSや、G20にアフリカ連合が入ったことやは、米専横に対する大きな希望になると考える。

 他方では、日本に対する去年から2度の為替150円突破や、日米協力し合った韓国対策もいよいよ急かつ陰険になっていくだろう。日米ともに大変な株バブルであって、まだまだシリコンバレー銀行やクレディスイスのようなことが起こりうるし、アメリカは大忙しである。いや、さらに忙しくなっていく。時代から実際に、根本的に問われていることが、株主資本主義の矛盾そのものなのだと考えるから。中国も含めて、世界中の若者が失業ばかりというのは、そういうことのはずだ。

No.12 11ヶ月前

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