超絶久しぶりに投稿させていただきます。 ジャニーズ問題について大荒れになっている模様に驚きました。 何でここまでの騒ぎになるのだろう、と。 確かにBBCがドキュメンタリーを制作したというニュースには驚きましたが、個人的にはその後の日本のマスコミの報道のわざとらしさ(何しろ今まで見て見ぬふりしてたわけだし)や、ジャニーズサイドの対応の下手っぴぶり(社長の謝罪動画とか、東山紀之の失言とか)を見て、やれやれといった心持でおりました。 山下達郎については、ほぼ「もらい事故」のようなものという認識です。 事の発端は、ツイッターで繰り返しジャニーズ批判を続けていた松尾潔が事務所から契約解除を申し渡された際に、社長から「山下達郎も同意している」と言われたという内容をツイートしたこと。 社長がわざわざ山下達郎の同意に言及した真意は不明ですが、それをツイッターにそのまま投稿する松尾潔の公的な感覚はどうなっているのだろう、と疑問に感じました。 その山下達郎は、性的加害については元々は憶測に基づいたニュースという認識で、実は裁判で事実認定されていたということについて「知らなかった」、性的加害は許されるものではないけど、今の自分があるのはアメリカで本場のエンターテインメントを見聞してきたジャニー喜多川に見出してもらったおかげで、その点については感謝している、ジャニー喜多川がいなかったら日本のポップミュージックの隆盛はなかっただろう、といったようなことを述べています。 加害事件と、個人的な感謝の意や当人の才能をきちんと分けた発言で、至極真っ当な内容。 「忖度ととってもらって構わない」「私の音楽は不要なのでしょう」といった発言だけが切り取られ、ネットでは「傲慢」と炎上しているようですが、個人的には「一個人の力だけで、エンタメ業界で売れるのはまず不可能。売れ続けるとなればなおさら」という、業界の難しさや恐ろしさを知り尽くしているからこその謙遜ともとれる発言だと感じました。 ちなみに松尾潔については、「契約解除の理由は他にも色々」と言われていたので、必ずしも山下達郎がジャニーズ擁護のために契約解除に賛同したとは言えず、むしろ松尾潔が問題をややこしくしたのではとも思います。 そんなわけで、大きなニュースではありますが、一体何に対してそこまで感情をこじらせるほどに憤ることがあるのか、全く分かりませんでした。 芸能界が、品行方正で清廉潔白な人たちばかりで構成されている、と信じ込んでいたのでしょうか? だったら余りにもピュアすぎる。 以前、大須賀淳師範がブログでステマ規制法について触れたときに、 「世間一般の「純粋まっすぐ君」な声がけっこう意外でした」 「芸能人が商品を褒めるなんて宣伝要素があるに決まっていて、(略)それに乗っかって楽しむというのが、オトナにとって当たり前の「消費社会のたしなみ」だと思っていたので」 と書かれていたのを思い出しました。 表で思い切り輝くためには、裏ではとてつもない泥臭さにまみれる必要があるというのは、芸能界に限らず、接客業など「人の前に立つ仕事」においては当たり前のこと(もちろん、程度の差はあります)。 こうした表裏の存在は、社会経験を積んだ常識人であれば、普通に認識できるはずだと思います。 だから、ジャニーズにそんな闇があったなんて知らなかった、知ってたらオーディションに応募させなかった、とか、認識が甘いにも程があるでしょう、と。 で、今、ジャニーズに対して憤っている方々は、何がどうなればいいんでしょうね? ジャニー喜多川は故人となっているから、再発防止もクソもない。 民事とはいえ、裁判は終了し、事実が認定されている。 判決が不服だった? ジャニーズ事務所に社会的制裁が加えられるべき? 何にせよ、ジャニーズ事務所および同事務所とズブズブ関係だったテレビ局は相応のイメージダウンを被っているし、一方で応援し続けるファンはちゃんと存在しているわけで、これ以上何を求めているのかがさっぱり分かりません。 また、この騒動を受けて「自分も被害者だった」と名乗り出るメンバーないし元メンバーが続出するわけでもなければ、元アイドル志望者がジャニーズとテレビ局の蜜月関係を批判するようなコメントが席巻しているわけでもありません。 当事者のほとんどは、今の自分が活躍できる現場を持っているし、ファンはそこで活躍する姿を応援しつつ自分の現場に戻ります。 部外者が正義を振りかざして口をはさむ余地は無いでしょう。 一旦は感情的に反応したとしても、己が自分の足で現場に立つ実感を日々感じることができていれば、そのような負の感情などすぐに霧消するものではないかと思います。
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超絶久しぶりに投稿させていただきます。
ジャニーズ問題について大荒れになっている模様に驚きました。
何でここまでの騒ぎになるのだろう、と。
確かにBBCがドキュメンタリーを制作したというニュースには驚きましたが、個人的にはその後の日本のマスコミの報道のわざとらしさ(何しろ今まで見て見ぬふりしてたわけだし)や、ジャニーズサイドの対応の下手っぴぶり(社長の謝罪動画とか、東山紀之の失言とか)を見て、やれやれといった心持でおりました。
山下達郎については、ほぼ「もらい事故」のようなものという認識です。
事の発端は、ツイッターで繰り返しジャニーズ批判を続けていた松尾潔が事務所から契約解除を申し渡された際に、社長から「山下達郎も同意している」と言われたという内容をツイートしたこと。
社長がわざわざ山下達郎の同意に言及した真意は不明ですが、それをツイッターにそのまま投稿する松尾潔の公的な感覚はどうなっているのだろう、と疑問に感じました。
その山下達郎は、性的加害については元々は憶測に基づいたニュースという認識で、実は裁判で事実認定されていたということについて「知らなかった」、性的加害は許されるものではないけど、今の自分があるのはアメリカで本場のエンターテインメントを見聞してきたジャニー喜多川に見出してもらったおかげで、その点については感謝している、ジャニー喜多川がいなかったら日本のポップミュージックの隆盛はなかっただろう、といったようなことを述べています。
加害事件と、個人的な感謝の意や当人の才能をきちんと分けた発言で、至極真っ当な内容。
「忖度ととってもらって構わない」「私の音楽は不要なのでしょう」といった発言だけが切り取られ、ネットでは「傲慢」と炎上しているようですが、個人的には「一個人の力だけで、エンタメ業界で売れるのはまず不可能。売れ続けるとなればなおさら」という、業界の難しさや恐ろしさを知り尽くしているからこその謙遜ともとれる発言だと感じました。
ちなみに松尾潔については、「契約解除の理由は他にも色々」と言われていたので、必ずしも山下達郎がジャニーズ擁護のために契約解除に賛同したとは言えず、むしろ松尾潔が問題をややこしくしたのではとも思います。
そんなわけで、大きなニュースではありますが、一体何に対してそこまで感情をこじらせるほどに憤ることがあるのか、全く分かりませんでした。
芸能界が、品行方正で清廉潔白な人たちばかりで構成されている、と信じ込んでいたのでしょうか?
だったら余りにもピュアすぎる。
以前、大須賀淳師範がブログでステマ規制法について触れたときに、
「世間一般の「純粋まっすぐ君」な声がけっこう意外でした」
「芸能人が商品を褒めるなんて宣伝要素があるに決まっていて、(略)それに乗っかって楽しむというのが、オトナにとって当たり前の「消費社会のたしなみ」だと思っていたので」
と書かれていたのを思い出しました。
表で思い切り輝くためには、裏ではとてつもない泥臭さにまみれる必要があるというのは、芸能界に限らず、接客業など「人の前に立つ仕事」においては当たり前のこと(もちろん、程度の差はあります)。
こうした表裏の存在は、社会経験を積んだ常識人であれば、普通に認識できるはずだと思います。
だから、ジャニーズにそんな闇があったなんて知らなかった、知ってたらオーディションに応募させなかった、とか、認識が甘いにも程があるでしょう、と。
で、今、ジャニーズに対して憤っている方々は、何がどうなればいいんでしょうね?
ジャニー喜多川は故人となっているから、再発防止もクソもない。
民事とはいえ、裁判は終了し、事実が認定されている。
判決が不服だった? ジャニーズ事務所に社会的制裁が加えられるべき?
何にせよ、ジャニーズ事務所および同事務所とズブズブ関係だったテレビ局は相応のイメージダウンを被っているし、一方で応援し続けるファンはちゃんと存在しているわけで、これ以上何を求めているのかがさっぱり分かりません。
また、この騒動を受けて「自分も被害者だった」と名乗り出るメンバーないし元メンバーが続出するわけでもなければ、元アイドル志望者がジャニーズとテレビ局の蜜月関係を批判するようなコメントが席巻しているわけでもありません。
当事者のほとんどは、今の自分が活躍できる現場を持っているし、ファンはそこで活躍する姿を応援しつつ自分の現場に戻ります。
部外者が正義を振りかざして口をはさむ余地は無いでしょう。
一旦は感情的に反応したとしても、己が自分の足で現場に立つ実感を日々感じることができていれば、そのような負の感情などすぐに霧消するものではないかと思います。