ウクライナ東部にある、ロシアが侵略で得た植民地における実質ロシア軍が、中央の統制を無視したというのが、「ワグネルの反乱」の手短なまとめだとおもいますが、類型的にみればですが、こうしたことはそれほど珍しくないと思います。細かな点や時系列が異なるのは当たり前ですが、類型的にみることも大事だと思います。 たとえば満州事変。 ①軍は「住民」保護も言ってはいるが実質的には利権を求めている、②中央糾弾(昭和恐慌への無策の糾弾、ロシア国内の「ディープステート」糾弾と、自分たちこそが国のためにたたかっているという意識)、③敵からの攻撃(蒋介石軍の北伐、ウクライナ軍の苛烈な攻撃)や中央の方針により利権を失うのではないかという恐怖心や被害者意識、④自治国の設立(の可能性)など。 ④自治国の設立 については、このRTの記事は最後の方でも率直に「ワグナー・グループの大部分が他の陸軍師団に統合される可能性が最も高く、あるいは一定レベルの自治権を保持する可能性さえある」と書いています。ワグネルはロシア軍に統合されるだろうが、そうでない場合、自治権をもつかもしれないという意味でしょう。 こうして類型的にみるだけで、たとえば「住民」保護などが主要目的ではないことがよくわかるとおもいます。それが主要目的であれば、②③④のようなことになるわけはないからですね。第一、孫崎さんも当初は「東部」地域と言っていましたが、いましょっちゅう出てくるロシア占領地域の地図をみると、「東部」だけでなく明らかにクリミアへの回廊を確保していることがよくわかります(わたしなどは最初からそれが目的だと言っていた)。この場所がロシアの「生命線」だというわけなのでしょうね。 また、プーチンが今後ワグネルをどう処理するかによって、ロシアの今後もある程度類型的に決まってくるとみていますが、それはまた機会があれば。 さらにこうしてみてくると、たとえば中共がウクライナを侵略するロシアを全面的には支持していない理由も、もっと深くわかるのではないかとおもいます(今の中共は米国に遠慮するような国ではありません。ロシアの侵略が正しいと思えば正しいと言います)が、まあそれは別の話題。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
ウクライナ東部にある、ロシアが侵略で得た植民地における実質ロシア軍が、中央の統制を無視したというのが、「ワグネルの反乱」の手短なまとめだとおもいますが、類型的にみればですが、こうしたことはそれほど珍しくないと思います。細かな点や時系列が異なるのは当たり前ですが、類型的にみることも大事だと思います。
たとえば満州事変。
①軍は「住民」保護も言ってはいるが実質的には利権を求めている、②中央糾弾(昭和恐慌への無策の糾弾、ロシア国内の「ディープステート」糾弾と、自分たちこそが国のためにたたかっているという意識)、③敵からの攻撃(蒋介石軍の北伐、ウクライナ軍の苛烈な攻撃)や中央の方針により利権を失うのではないかという恐怖心や被害者意識、④自治国の設立(の可能性)など。
④自治国の設立 については、このRTの記事は最後の方でも率直に「ワグナー・グループの大部分が他の陸軍師団に統合される可能性が最も高く、あるいは一定レベルの自治権を保持する可能性さえある」と書いています。ワグネルはロシア軍に統合されるだろうが、そうでない場合、自治権をもつかもしれないという意味でしょう。
こうして類型的にみるだけで、たとえば「住民」保護などが主要目的ではないことがよくわかるとおもいます。それが主要目的であれば、②③④のようなことになるわけはないからですね。第一、孫崎さんも当初は「東部」地域と言っていましたが、いましょっちゅう出てくるロシア占領地域の地図をみると、「東部」だけでなく明らかにクリミアへの回廊を確保していることがよくわかります(わたしなどは最初からそれが目的だと言っていた)。この場所がロシアの「生命線」だというわけなのでしょうね。
また、プーチンが今後ワグネルをどう処理するかによって、ロシアの今後もある程度類型的に決まってくるとみていますが、それはまた機会があれば。
さらにこうしてみてくると、たとえば中共がウクライナを侵略するロシアを全面的には支持していない理由も、もっと深くわかるのではないかとおもいます(今の中共は米国に遠慮するような国ではありません。ロシアの侵略が正しいと思えば正しいと言います)が、まあそれは別の話題。