昭和43号 のコメント

予約していた『よしりん御伽草子』を受け取りさっそく観覧。
よしりんの絵本だけあって、絵の迫力が凄すぎます。
本を開くと、極彩色の大判錦絵がバーンと視界に飛び込んできます。
これは小さなデジタル画面では味わえない実物ならではの醍醐味だと思います。
カレーせんべいが木蘭さんとの電話会談で、「ももたろさん」の鬼の場面を絵画の様と表現されていましたが、私も奇想の絵師こと曾我蕭白の迫力ある絵を思い起こしました。

漫画や絵本の製作のことは全く分かりませんが、背景の細部まで丁寧に描いてあるなあと感じました。特に「かちかち山」はどう見ても色鉛筆画のようですが、下書きはどうされていたのか少々気になっています。また龍宮城の床?の点描による彩色も大変そうで、スタッフの皆さんの苦労が偲ばれます。(便利なソフトなども使われているのでしょうか?)

ずっと笑いながら見ていましたが、個人的に印象深かった場面は、
「かぐや姫」では、入っていた竹がジャストフィットサイズ、ゆがんだ鏡にうつった最終フェイス、矢が当たった瞬間と割れた瞬間。

「かさじぞう」では集団号泣の場面、おっかない同じ顔が寄せ集まった恐怖映像に笑ってしまいました。

「ばば汁子守歌」では、撲殺するタヌキの顔がリアルで無表情な事がより怖さを増しており、続く「かちかち山」では、袋小路狸の黄金に輝く袋にどうしても目が行ってしまいました。

傑作「ももたろさん」は、生まれてすぐの自己紹介、ドッキリ演出、そして何よりももたろうの豊かな百面相が面白すぎます。

最後の「うらしまたろさん」は、乙姫の比重がかなり大きいですね。乙姫に出会ったが最後絶対に逃れられないという事でしょうか。ある意味一番怖い気がしました。

No.134 23ヶ月前

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