Dr.U のコメント

>>202
 補足ですが、
 もし仮に、私が公的な場所で、こういう議論をしなければならない立場になったら、これまでこのコメント欄で何度も書かせていただいたように、「男系」「女系」「双系」の概念を、これまでの皇室典範以来の「男系」の定義や、人類学・社会学におけるそれらの定義と整合するような形で再定義して、理論的な穴をなるべく少なくして、論戦に挑みます。
 ちなみに、私の定義では、

男系:父子関係のみを遡って皇祖(継体天皇)にたどりつく血筋の男女を皇祖の「男系の子孫」と呼び、このような人物による皇位継承を「男系継承」と呼ぶ。

女系:母子関係のみを遡って皇祖(継体天皇)にたどりつく血筋の男女を皇祖の「女系子孫」と呼び、このような人物による皇位継承を「女系継承」と呼ぶ。
(*しかし、私は皇祖を男性の継体天皇に設定するので、必ず父子関係が入るため、女系子孫・女系継承はあり得ないことになる。)

双系:父子関係と母子関係の組み合わせからなる血筋を遡って皇祖にたどりつく血筋の男女を皇祖の「双系子孫」と呼び、このような人物による皇位継承を「双系継承」と呼ぶ。
(*たとえば、ある女性にとって自らの「父の母の母の父の……父」が皇祖である場合、この女性は皇祖の双系の子孫である)

 この場合、ある天皇の父と母がともに生まれながらの皇族の場合は、その天皇は「男系かつ双系」となる。
 たとえば、

元正天皇:父の草壁皇子から天武天皇を通過して皇祖へ遡っていくラインに着目すれば「男系」、しかし、母の元明天皇からその父の天智天皇を通過して皇祖に遡っていくラインに着目すれば「双系」。ゆえに、元正は男系とも言えるし、双系とも言える。元正は「男系かつ双系」である。

🐰🐰🐰…

 以上のように概念を誤解・曲解の余地がないくらいに明確に定義して、皇位継承の資格を、「男性だけでなく女性も継承できる、また、男系に加えて双系も継承できる」という風に変更すべきであると、私なら主張します。(なお、候補者多数の場合は長子優先・直系優勢)
 このように、私の定義においては、継体天皇以降の歴代天皇はすべて「男系継承」であり、かつ、そのうち何人かは「男系継承かつ双系継承」であったが、「女系継承」の例はひとつもなかったということになります。

 こういう概念枠組みだったら、少なくとも論争においては、こちら側の議論が矛盾のない首尾一貫したものになるはずです。しかも、話としてはそんなに複雑でも難解でもないと思うのですが…。
 でも、これじゃダメみたいですね。大前提として、小林先生や高森先生の議論では「元明→元正は女系継承である」という主張は、絶対に譲れないラインみたいですし。まぁ、これまでの論争の行きがかり上、そういうこともあるかもしれないなぁと思って、少し前のコメントでは、「母子間継承をもって女系継承と呼ぶ」という設定でロジックを組んで、提示してみたわけです。

 でも、もう最近では、「日本は『10代8人の女性天皇』が存在するから、決して男系継承ではない。『双系継承』なのである」という小林先生の発言などがあったりして、こういう感じなら、初めから「男系」「女系」「双系」の概念には触れない形で議論をしたほうがいいんじゃないか、そのほうがよほどすっきりするし、分かりやすいんじゃないか、議論に隙(ツッコミどころ)がなくなるという意味で安全なんじゃないか、と思うようになりました。

 なんだか、同じことばかり、ずーっと書き続けているような気がしますが、なんだろう。
 私、混乱していますか? 何か、本質を見失ったような、バランス感覚の崩れた議論をしていますか? 
 うさぎでした

No.210 17ヶ月前

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