gotorin(HaruP) のコメント

よしのり先生が井上先生の仮説を最も信頼されたのは、医学の専門領域を極めつつも総合的に俯瞰される視点がある専門家でもあるからだと私は勝手に想像しております。

私が井上先生を知ったのは、何かのきっかけで大阪府鍼灸マッサージ師会の寄稿文を読んだことが印象に残っていたことも思い出しました。

科学論としても、あらためて読むと非常に示唆に富んでいると思い出しまして、少しばかり引用を

 「歴史の浅い西洋医学では治療効果に関するエビデンスを求める多くの研究努力がなされているが、長い歴史と経験に基づく東洋医学の伝承的治療法では、その効果に関する客観的な検証作業や研究が十分とは云えない。このため西洋医学と同様に東洋医学の治療法にも極めて有効なものからプラセボー効果に過ぎないものまでが含まれている。
 病気に 『洋の東西』は無いのに医療に『洋の東西』がある事は、両者共に未完の治療体系であることを意味する。現代の情報洪水社会では、伝統や流行に惑わされず、己の五感を研ぎ澄まして物事を鳥瞰図的に理解する事が大切である。」
引用終わり
 
森羅万象を解き明かそうとする試みは人間の精神の在り方にあり、物事の本質を見抜く右脳的な作用(五感と直感力)と演繹・帰納を司る左脳的論理力の相互作用により導き出された仮説(言語化)の地道な検証とその結果の積み重ねでのみ、科学による何が真実なのかの確からしさが担保されるに過ぎないものでもあるのでしょう。
このプロセスを繰り返すしかない科学においては、困難は伴いますが「権威(井上先生の指摘しているところの伝統、または定説やらも含むのでしょう)」「流行」に惑わされることなく、論理によって皆が納得できる説明が出来ることこそがまさに科学的な態度といえ、それ故によしのり先生が「説明をする科学者こそが、信頼できる科学者である。あまりにも単純なことだが、これだけで全てが終わる話だ。」に繋がると思いました。

No.65 30ヶ月前

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