Dr.U のコメント

<新型コロナを予言していた?小説>

 今回の新型コロナ騒動を予言していたとして挙げられることのある本を、2冊ほど読みました。ちょっと興味深い内容でしたので、ここで紹介させていただきます。(すでに小林先生か誰かが軽く紹介されていたかも…。)

 一冊目は、海堂尊の『ナニワ・モンスター』という小説です。2009年の豚インフルエンザの直後に発表されたこの小説は全体で三部構成になっていて、とくにその第一部は今回のコロナ茶番を見事に批判しているような内容となっています(ちなみに第二部・三部はテーマが地方分権の話、大阪と東京の対立の話に移ってしまい、ちょっと興ざめした)。
 アマゾンには次のような紹介文が載っています。

「浪速府で発生した新型インフルエンザ「キャメル」。致死率の低いウイルスにもかかわらず、報道は過熱の一途を辿り、政府はナニワの経済封鎖を決定する。壊滅的な打撃を受ける関西圏。その裏には霞が関が仕掛けた巨大な陰謀が蠢いていた――。風雲児・村雨弘毅(ドラゴン)府知事、特捜部のエース・鎌形雅史(カマイタチ)、大法螺吹き(スカラムーシュ)・彦根新吾。怪物達は、この事態にどう動く……。」

 と、こんな感じの内容です。「致死率の低いウイルスにもかかわらず…」のあたり、なかなか面白そうでしょう? ちなみに今現在、作者の海堂尊は、どうしたことか「PCR真理教」の信者になってしまっているようです。なぜ彼がコロナ脳になってしまったのか、不思議でなりません。本当なら、この人こそ先頭を切って、2020年~新型コロナ騒動の茶番についての風刺と批判の小説を書いてもよさそうなものなのに。

 二冊目は、高島哲夫の『首都感染』です。これも豚インフルの直後に書かれた小説です。こちらの方が、『ナニワ・モンスター』よりも有名かもしれません。アマゾンには次のように紹介されています。

「二〇××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。しかし、スタジアムから遠く離れた雲南省で致死率六〇%の強毒性インフルエンザが出現! 中国当局の封じ込めも破綻し、恐怖のウイルスがついに日本へと向かった。検疫が破られ都内にも患者が発生。生き残りを賭け、空前絶後の“東京封鎖”作戦が始まった。」

 この小説の筋書きは、『ナニワ・モンスター』に比べると、ずっとシンプルで分かり易いものです。あるとき、日本は恐ろしい疫病の脅威にさらされ、社会は崩壊の危機に陥る。しかし、英雄的なリーダーのもと人々は一致団結し、科学技術を駆使してこの危機を乗り越え、最終的に社会は平和を取り戻す。映画の『インデペンデンス・デイ』や『アルマゲドン』などにも見られた、よくありがちな世界危機とその克服という、予定調和の物語です。
 この小説、2020年以前に読んだなら、まずまずのエンターテイメント小説として楽しめたかもしれません。しかし、約2年間続いたコロナ騒動のあとでは、読んでいて複雑な気持ちになりました。とくに強毒性インフルエンザと戦う主人公の医者の独善性が、西浦博や尾身茂の姿と重なってしまい、うんざりしてしまいました。

 私はこの小説を読んだ後、ぜひこの作者に『続・首都感染』という続編を書いてもらいたいなと思いました。その内容は、たとえば次のような感じ…。

『続・首都感染』(2022年出版)のあらすじ:
 202X年、世界にふたたび新種の伝染病が蔓延した。それは最終的に全世界では600万人ほどの死者を発生させた。脅威度としては、20世紀半ばに流行した「アジアかぜ」と「香港かぜ」の中間くらい。日本国内に限って言えば、死者数は2年間で1万8千人ほど。季節性インフルエンザの毎年1万人の死者数を下回るものだった。
 この疫病が出現するや、主人公の医者・西尾徹は「このままでは数十万、数百万の死者が出る! どんな強引な手段を用いても、どんな損害が出ようとも、社会を完全に封鎖すべきだ!」と煽りに煽り、マスコミも視聴率稼ぎのセンセーショナルな報道を行い、すっかり怯えてしまった大衆の声に押されて政治家たちは、東京の完全封鎖を、自衛隊や警察などの武力組織を用いて断行する。
 さて、東京は、日本は、救われるのか? 物語のカギとなる、効果抜群・副作用皆無の夢のワクチンの行方は? 最後に笑った者は誰だ? 最後に泣いた者は誰だ? ブラック・ユーモアにあふれる、話題沸騰のエンターテイメント小説!

 以上、うさぎでした。

No.161 34ヶ月前

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