>>206
もう一つ、つけ加え。
このバングラデシュにおけるイェール大学の抗体検査ですが、マスク着用グループは、村の権威ある宗教的指導者とかに「マスクは大切」と説教されて、マスク以外の感染対策、すなわちソーシャルディスタンスとかの感染対策もとるようになったと書いてあります。

「人々にマスク着用の重要性を伝えることは、バングラデシュの人々がこのパンデミックをより深刻にとらえ、（マスク以外の）他の形で感染から身を守る対策をとることを促進した。（p.20）」

　これってつまり、着用グループの老人たちが、コロナは怖いよと説教されて、感染を恐れて家から出なくなったり、手洗い・うがいなどをよくするようになった結果、この世代の感染が低くなっただけではないのでしょうか。本当なら、この報告書は、そういう老人たちの行動変容について、きちんと観察すべきなのですが、ソーシャルディスタンス以外は具体的なことが何も書いてありません。　

　依然として、実験室以外の現実世界において、マスクのおかげで感染が低く抑えられたということを示す確かなエビデンスは存在しない、と言ってよいでしょうね。