漫画版の君たちはどう生きるかの既視感、これって新世紀エヴァンゲリオンの結末ですよ。
しかもテレビ放送版のやつです。
終盤のストーリーを抛り投げて無茶苦茶やってしまったのをそれこそ今度同名タイトルの映画を作る宮崎駿監督に「庵野逃げたな」と言わしめたものです。
世界の危機が訪れても自分は逃げる、仲間からも逃げる、父親からも逃げる、パートナー組んでいる相手さえもほっぽり出して逃げる、一番信頼していたような友人を裏切ってまで逃げる、結局世界が終ろうとしても自分は何一つ悪くなくそんな自分自身を関わってくれたみんなが認めてくれるような世界であればいいなという願いが叶ってこの作品は終わるんですが、情けない自分を認めてくれるということで25年前の人々は沢山共感を得ていたみたいなんですね。

あれ、当時は何だあの無茶苦茶はと思いましたが、それから２年後に劇場版が作られるんですがやっぱりダメ主人公は何も変わってなくてパートナー組んでた相手を見殺しにして堕落しきった自分の思い通りになる世界を現実世界にも引っ張っていくんですが結局相手から「気持ち悪い」と酷評されてしまい終わっちゃうんですよね。
あの評価も結局は庵野秀明監督の「日常に帰れ」と言われた視聴者から猛反発食らうことになってしまうのですが。

それから数年、みたび劇場版として作られることになるのですが、実は変化があったんですねアレ。
空から女の子が降って来たことで主人公の意識が変わっちゃうんですね。
女の子がやって来たことで意識が変わるなんて随分と現金な奴だなと思いますが、あれって「自分の今まで積み重ねて来た行動を色んな人が見て来てくれて評価している」ということで「天使は降りて来た」んだと思います。
空から降って来た女の子は庵野の今のパートナーをモデルにしているのではないかと言われているようですね。

よく、非モテが「彼女さえ出来れば」みたいな嘆きをして世の中を呪ったりしてますが、何も行動を起こしていなければ誰も評価なんて下さない訳ですし、何もしていない人を慰めてくれる世の中になればいいと言うことでかの漫画「君たちはどう生きるか」がヒットしたのではないかと思います。