santafede33 のコメント

今回のホンサンスの追補、非常に興味深く読みました。大変、面白かったです。

ホンサンスの初期作品の映画、こちらで海賊版で購入し見たことがあります。
売っていた場所は、韓流ドラマなどの海賊版DVDを扱っている店で、注文すれば翌週にはスペイン語字幕を付けたものを揃えておりました。

「人気あるの、これ?お前しか買わないんだけど」
俺は好きだけど。
「なんか不思議な映画じゃない?」
多分。

見たのか、この海賊版屋のにーちゃんも。それにしても、こんなマニアックな作品をどっから手に入れるんだろう……

そんなやり取りをした後、隣にいたコスプレ少女が同じ盤を手に取りました(海賊盤屋は一度入荷すると何枚か焼きます)。彼女は、被ったピカチュウの帽子の隙間から(ピカチュウが帽子化され尻尾が垂れ下がっているタイプ)、細く大きな目で裏面の解説を読んでました。(海賊版ですが、丁寧にスペイン語でのあらすじの解説が付いております)
そして、1枚購入しました。

シネテカ(当国のシネマテーク)でホンサンス作品の上映を行えば、毎回毎回、同じ老人が、同じ席で座って見ているのを何度も何度も目撃しました。彼は、いつも一人でやってきて、最前列の真ん中に座ります。近くにいるカップルは幸せそうに映画を見始め、喋りまくるのですが、老人は咳払いが止まりません。

韓国焼肉屋に行けば(当国は歓楽街のど真ん中に韓国人街が鎮座しております)、ホンサンス作品が上映される度に、作品の手作りポスターが焼肉屋に貼られていました。誰がそのポスターを作り、誰が貼ったのかは分かりません。隣には、Sojuを飲み続ける韓国人男性達。網の上では鶏の足が焼かれてます。オモニは、流し続けた韓流ドラマを見ています。

ホンサンスにまつわるこういった光景が、ホンサンス的でだなあ、と感じます。

作品を見ていつも感じるのは、アクション(ト書き)とダイアローグ(台詞)のコード化です。(シナリオに起こし直すと顕著です。この間のラジオデイズの音声による再現が近いと思いました)その上で、ダイアローグを構築した時に交わされる会話の「運動」がものすごいな、と思います。(私がスペイン語字幕で鑑賞していることに、そのコード化と運動を感じる一因があるのかもしれません)
勿論、コード化した上で、もう一度、そのコードを映像で再現するので、その時に完全にマジックが注入されるように思います。

ボルヘスの言う、炎と数学、の結晶のように。

No.4 40ヶ月前

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