菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>17

 楽しいご指摘ありがとうございます!ショパンは確かに小品が多いですし、モーツァルトのモティーフメイカーとしての力はすごくポップだと思います。考え抜いて作ってない説もあり、凄い天才だと思います。ただやっぱり、展開で押してきますよね笑。僕はポップスに欠かせないのは、反復だと思っていて、しかも、反復しても反復しても盛り上がらない反復でないといけないんですよ笑。

 もちろん、こうした見立ては楽しい遊びなので、「ブルックナーはドープなんでヒップホップに近い」とか、いくらでも言えるわけですが笑、僕はクラシックがポップスに近いのは(だから液状化を招きやすいのですが)、「だんだん興奮してくる」という、カタルシス / クライマックスに向けてのリビドーで、これは、かなり多くの音楽が持ってるんで、原理に近いのかな?とも思いますが、クラシックはそこに、すごく微妙な緩急を使うんで、要するにロマンティークですね。「楽譜」というのは、近代的にいうと「記号であるMIDI情報の脇とか下に表現すべき感情が、文字で細かく書いてあるもの」です。これはやはり凄い。欧州の宗教性と科学主義の見事な折衷様式だと思います楽譜は。

No.21 45ヶ月前

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