EUの地盤低下が来年から徐々に顕著になっていくのでしょう。GDPの数字を見ていくと明確である。 現在のEUのGDPは7割超をドイツ・英国・フランス・イタリア・スペインの5カ国で占めている。ドイツが2割超、英国が17.6%であり、来年から英国が抜けると、ドイツに対する期待が大きくなる。指導力期待が高まっているのは当然といえる。 一方、EUが抱える問題は、①所得格差拡大、②移民流入、③失業率高止まり(コロナが加わる)、④ポピュリズムの台頭があり、英国が抜けた後のドイツの経済的負担が大きくなる。弱小国のドイツのお金に対する期待をもろにかぶってくる。 経済の中心は大西洋から、インド太平洋に移り始めており、EUは日本、オーストラリア、ASEANとの連携強化は不可欠になっている。日本の岸防衛大臣とドイツの防衛大臣が電話会談を実施したようであるが、連邦軍がインド太平洋に来年に艦隊を派遣することになった、先に決まっている英国とフランスが加わり、NATO・EUによる関与協力姿勢が明確になった。 米国と中國に対する経済的依存の傾向が是正され、米国>中国の姿勢に傾いているとみるべきでしょう。バイデンの同盟国重視の姿勢は明確されれば、米国と同盟国の分断化がストップし、従来の関係に回復していくのでしょう。ドイツの重要性は極めて高くなる。ドイツの方向性にEUの浮沈がかかっているともいえる。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
EUの地盤低下が来年から徐々に顕著になっていくのでしょう。GDPの数字を見ていくと明確である。
現在のEUのGDPは7割超をドイツ・英国・フランス・イタリア・スペインの5カ国で占めている。ドイツが2割超、英国が17.6%であり、来年から英国が抜けると、ドイツに対する期待が大きくなる。指導力期待が高まっているのは当然といえる。
一方、EUが抱える問題は、①所得格差拡大、②移民流入、③失業率高止まり(コロナが加わる)、④ポピュリズムの台頭があり、英国が抜けた後のドイツの経済的負担が大きくなる。弱小国のドイツのお金に対する期待をもろにかぶってくる。
経済の中心は大西洋から、インド太平洋に移り始めており、EUは日本、オーストラリア、ASEANとの連携強化は不可欠になっている。日本の岸防衛大臣とドイツの防衛大臣が電話会談を実施したようであるが、連邦軍がインド太平洋に来年に艦隊を派遣することになった、先に決まっている英国とフランスが加わり、NATO・EUによる関与協力姿勢が明確になった。
米国と中國に対する経済的依存の傾向が是正され、米国>中国の姿勢に傾いているとみるべきでしょう。バイデンの同盟国重視の姿勢は明確されれば、米国と同盟国の分断化がストップし、従来の関係に回復していくのでしょう。ドイツの重要性は極めて高くなる。ドイツの方向性にEUの浮沈がかかっているともいえる。