tako2008 のコメント

ここからが本題。

未だに多くの人が日本の製造業は強いと勘違いしているが、
決してそうではなくなっている。特に生産性、コスト競争力
においては絶望的な状況だ。このままだと、日本は二流国に
転落する。20年後、国民の所得は半減しているだろう。

何が足枷になっているのかというと、ITの応用率である。

中国や東南アジアなど海外の安い労働力にはコスト競争で勝て
ない、あるいは、米国のように労働者の賃金をを切り捨てて、
一部の大企業にリソースを集中する戦略には勝てない、と諦め
ている人達がいるが、決してそうではない。

上記の戦略をとらずに、成功している国がある。ドイツだ。

近年ドイツは、「インダストリー4.0」(第4次産業革命)
という官民一体プロジェクトを掲げて、IoT、AI、クラウド
など最新のIT技術を駆使した産業強化に成功している。
https://seibushoko.com/news/880

中小企業を含めた国全体のすべての製造業を、IT技術により
統合・一体化し、国内を巨大な一つの「工場」に変えてしまう
という戦略である。

ようするに、ドイツ国内での競争は一先ず棚に上げて、外国と
の競争に勝つために、国全体の企業の底上げを図ったのである。
これがドイツがEU内で一人勝ちしている理由である。

そして、このモデルは、和の精神が根付いている日本にも
比較的向いていると思われる。(文化に合わせ調整は必要)
日本では、各社がバラバラに取り組んでいる状況だ。
国中が一致団結し、協力して底上げをしなければ効果が薄い。

知らない人も多い。ここを見た人は、頭の片隅にでも覚えて
おいて欲しい。日本が生き残るための鍵になる。

今の我が国は、80年代の一時の成功に奢りすぎている。
もう一度初心に戻り、「謙虚に他国から学ぶ」必要がある。
明治維新の際、ドイツからワイマール憲法を学んだように。

(まだ続きます)

No.2 54ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

孫崎享チャンネル

孫崎享チャンネル

月額
¥110  (税込)
このチャンネルの詳細