ひとりで飲み続けて酔っ払い、汚物まみれになった女性をおぶって歌舞伎町の繁華街から新宿駅まで向かったことがありました。女性はホテルへ行きたいと言っておりましたが、彼女も自分も彼女が吐いた吐瀉物まみれで断られ、終電に乗り込む他のお客さんにとっては自分たちの存在は迷惑極まりないと判断し、終電に乗り込むのをあきらめて駅近くの公園で彼女をヒザに寝かせて服についた吐瀉物が乾くまで野宿したことがあります。
もし、この被害者の方が周囲に吐瀉物をまき散らすほど泥酔し、意識を失っていたのであれば、この加害者はこの被害者の女性と、酔いがさめるまで野宿する以外なかったように思います。理由はただ一言、周りに迷惑がかかるからです。私心を排し、公共心を優先させて働いているタクシー運転手の方々にしろホテルスタッフの方々にしろ、泥酔者とは公共性が既に喪失している時点で迷惑以外の何者でもありません。泥酔し公共性を失った人間に対してさらなる事件、事故に巻き込まれないように見守ることは当たり前です。しかし、もしゴー宣道場が「公」を最優先に考える学びの場であるのなら、最優先しなければならないのは直接関わりのない第三者の目なのではないでしょうか。当事者問題だけフォーカスしても、事件に直接関わりのない方々から賛同を得られることはないでしょう。