ろすぱす のコメント

> ローマ・クラブは、『雇用のジレンマと労働の未来』(一九九七)と題する報告書のなかで、”楽園のパラドックス”という次のような興味深い議論を行っている。
> それによれば、技術革新とその帰結としての大幅な労働生産性の上昇により、われわれは以前のように汗水たらして働かなくてもよくなり、”楽園”の状態に少しずつ近づきつつある。
> ところが困ったことに、「すべてのものを働かずに手に入れられる」楽園においては、成果のための給与が誰にも支払われないということになり、結果として、そうした楽園は、社会的な地獄状態―現金収入ゼロ、一〇〇%の慢性的失業率―になってしまうことになる

> これは、一見納得しがたい議論のようにも映るが、考えてみれば当然のものであり、つまり「生産性が最高度に上がった社会においては、少人数の労働で多くの生産が上げられることになるので、その結果、おのずと多数の人が失業することになる」ということだ。
> まさにパラドックスであり、しかし紛れもなく現在の先進諸国において現に起こっている事態である。
(『創造的福祉社会:「成長」後の社会構想と人間・地域・価値』18-19ページ)

No.9 88ヶ月前

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