四君子 のコメント

 前回のテーマで、少し補足したいことがあるので、この場を借りて記します。
 精神医学やカウンセリングですが、一番の短所は、「急患」や「緊急の事態」に対処できないということでしょう。
 あくまでも予約制で、今現在困っている問題を、何度かに分けて話し合い、本人の自然治癒力を伸ばす、というやりかしかできないわけです。
 こうなると、やはり、いざというときには、家族や周囲の注意や、法律に頼るしかなくなるのでしょう。
 それに、私の面識のある、その分野の先生は、「精神医学は万能ではない」とよくおっしゃられます。
 だから、そうした不完全なもので人格を判断するのには、無理があると感じます。
 オーギュスト・デュパンやシャーロック・ホームズが、人間心理をよみとるのとはわけが違います(そもそも、それらはフィクションです)。

 それでも、「カウンセリング」とか、そうした心の治療といった役職は喫緊なものでもあって、それに頼らざるを得ない場合もあるのだと思います。
 溺れる者は藁をもつかむ、みたいな気持ちで。
 何もしないよりも、解決策を模索した方が良いことにかわりはないから。
 解決しないまでも、事態をより良い方向へみちびく工夫はした方がよいから。
 主観的に、どこかの政治家が、幼少期の環境が原因で精神障碍が起こるときめつけるよりは、医療機関が客観的に、公の視点で対処するのは、必要不可缺なのだと思います。

 少し話題をかえますが、先日の報道ステーションで、親から性的虐待を受けていた女性のインタヴューが、非常に哀切で、もの悲しさを感じさせられました。
 ある環境の中にいると、それが日常茶飯事で、平生と少しもかわりない常識に感じられるのでしょうか。
 母親が、自分が少しも気づいてあげられなかったことを悔やんでいたのが、なんともいえなかったです。
 自分の知っている漫画にも、奥さんを溺愛していた旦那が、妻がなくなってから、寂しさと悲しさのあまり、娘に慾情をぶつける、なんて鬼畜な話がありましたが(ちゃんと娘が救われる話ですので、ご安心ください。あとロリコン漫画ではないので、念のため)。
 こうした場合でも、カウンセリングは大切です。
 どこかのクラゲ政治家も映像にうつっていましたが、共謀罪の質疑応答で恥をさらすよりは、こうした面で、活躍してほしいと願います。

 とりあえずは、こんなところです。それにしても、イギリス人は、あれだけEU離脱を希求しておきながら、いざとなるとメイ首相不支持に廻る・・・どうなっているのでしょうか。
 あともう少し。夏目漱石も幼少時に養子に出されて、その後、実家にもどっています(もどってからも地獄だったのだけれども)。皇室の場合と異なるかもしれませんが、つけくわえておきます。

No.101 90ヶ月前

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