軟体社長 のコメント

現在の経済状態の悪さは、グローバリズムに乗っかって製造業、飲食業などが資材調達から製品組み立てまでを海外に依存し始めたのが原因だと思います。
今から25~6年前くらいから急激に海外依存が増えたと思います(私の実感です)
それまでは我々極零細企業に廻ってきていた仕事が「海外で生産するから」との理由で親会社に引き上げられていきました。
最初は「海外でロクなモンが作れるか!」と悠長な事を考えており、実際引き上げられた仕事が失敗続きで戻ってきた事もありました。しかし月日が経つと未熟であったはずの海外での製品作りがそれなりに機能し始めてきました。
そうなってくると次々に今まで来ていた仕事が来なくなります。海外での単価は当時の平均的な国内単価の1/4程度であったと記憶しています。
仕事の確保の為、品質を落として単価を下げるのか?それとも品質を重視して価格競争の起き難い高難度の仕事を取るのか。
その選択で日本の製造業は2極化したと思います。大量生産を重視する企業(低単価)か、品質・付加価値を重視する企業(高単価)か。大量生産を重視すれば止め処ない価格競争に。品質・付加価値を重視すれば仕事量に困る。結果、どちらにも付いていけない企業が淘汰されて行く上に、海外との競争もプラスされ単価は下がり続けます。
大量生産を重視する企業が大多数なので、品質よりも数を求め職人のレベルも落ちていく。悪い事に熟練の作業者は大量に導入される新規作業者へ技術の継承が行われないまま解雇されていく。技術の継承が行われない、という事は出来ない仕事も増えていく。しかし安い単純労働者は確保し実働時間を長くしなければ利益が確保できない。
こうやって技術レベルが下がり続けているのが現状です。これは製造業だけでなく他の職種でも同じ構図が見て取れると思います。低品質・低単価なモノと高品質(付加価値)・高単価なモノという2極化ですよね。

結局、グローバリズムの推進をやめ、国内回帰を進めないとダメになるのは目に見えています。
TPP推進で海外との競争になったら、今以上に仕事が無くなるのは明白です。
平々凡々と普通の生活を望むなら、間違いなく鎖国に向かわないと無理だと思います。

これらを踏まえて思った事は、坂の上の雲を追い求めるな、といいつつもその幻想を捨て切れていないのかな?という事です。「大学に行けば良い会社に就職できる」「大学に行けば就職に有利」という感覚は、高度成長期の名残では無いでしょうか?
足元が大事なのであれば、地元の中小・極零細企業に就職する事もアリなのでは?

大きな企業に就職できたら平々凡々と暮らせる、のでしょうか?

No.53 96ヶ月前

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