こんにちはこんばんは。迷衛星の人です。
このブロマガは、私の備忘録代わりに公開するものです。動画にするには情報不足なのとうp主のモチベが上がらないので、動画化するかどうかはわかりません。でも面白いネタが見つかったのでお披露目したかったのですよ。今回はSDI(戦略防衛構想)のミラー衛星の話。
みなさんはミラー衛星というものをご存知だろうか。私の動画シリーズで取り上げた「あじさい」のことではない。レーザー兵器を搭載したレーザー衛星と共同で運用されるものである。レーザー兵器ではうまく攻撃できないとき、ミラー衛星を中継して目標をピンポイントに狙うのである。高精度の位置・角度補正技術が必要だが、やってやれないことはないでしょう。
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http://www.daviddarling.info/encyclopedia/R/RME.htmlより。図は地上からレーザーを送ってますので、上記の説明とは異なる部分があります。
ところで、このミラー衛星は当初からレーザー衛星の補助として発案されたわけではない。レーザー衛星すなわちSDI構想(通称スターウォーズ計画)よりも前、ベトナム戦争中の1974年に発案されたと言われている。
ベトナム戦争では、密林に潜むゲリラにアメリカ軍は苦戦を強いられていた。森に身を隠す彼らは神出鬼没、機を伺って米軍施設を破壊し、少しでも不利になればたちまち森に逃げてしまう。
アメリカ軍は、森をなくしてしまえばいいと考えた。だが森を燃やすのはよろしくない。そんなことをしたら国際社会から非難を浴び、自国の兵士まで大変な目にあう。では夜をなくしてしまえばいいではないか。夜闇に紛れるゲリラに困っているのなら、夜をなくして姿を露わにしてしまえ。
さて、ではその光はどこから持ってこようか。たかが照明弾などではとても足りない。森全体を明るくできるような人工光源は、たとえ原子力を用いても賄えないだろう。待てよ、ベトナムが夜なら、地球の反対側は昼ではないか……つまり、鏡張りの人工衛星を打ち上げて、ベトナムに太陽光を送り込めばいいのだ!!
こうして、太陽の光をベトナムの森林地帯に浴びせるべく「ミラー衛星」は計画された。
ご存知の通り、もちろん無理だった。計画では直径600mの鏡を配置するのだが、雲や霧などで思ったほど効果は上がらなかった。それに隣国のカンボジアから「生態系をぶっ壊す気か!」と国連を介して文句が出たらしい。それで、計画は頓挫し、結局枯葉剤が撒かれることになったのだ。枯葉剤もまた問題になりましたけども。
カンボジアが非難声明を出すあたり、実は結構まじめに考えていたんじゃないという気がしてなりません。
<参考文献:ここまで進んでいる宇宙の危機 瀧澤邦彦・正木晃 学習研究社(1992)>
このブロマガは、私の備忘録代わりに公開するものです。動画にするには情報不足なのとうp主のモチベが上がらないので、動画化するかどうかはわかりません。でも面白いネタが見つかったのでお披露目したかったのですよ。今回はSDI(戦略防衛構想)のミラー衛星の話。
みなさんはミラー衛星というものをご存知だろうか。私の動画シリーズで取り上げた「あじさい」のことではない。レーザー兵器を搭載したレーザー衛星と共同で運用されるものである。レーザー兵器ではうまく攻撃できないとき、ミラー衛星を中継して目標をピンポイントに狙うのである。高精度の位置・角度補正技術が必要だが、やってやれないことはないでしょう。
http://www.daviddarling.info/encyclopedia/R/RME.htmlより。図は地上からレーザーを送ってますので、上記の説明とは異なる部分があります。
ところで、このミラー衛星は当初からレーザー衛星の補助として発案されたわけではない。レーザー衛星すなわちSDI構想(通称スターウォーズ計画)よりも前、ベトナム戦争中の1974年に発案されたと言われている。
ベトナム戦争では、密林に潜むゲリラにアメリカ軍は苦戦を強いられていた。森に身を隠す彼らは神出鬼没、機を伺って米軍施設を破壊し、少しでも不利になればたちまち森に逃げてしまう。
アメリカ軍は、森をなくしてしまえばいいと考えた。だが森を燃やすのはよろしくない。そんなことをしたら国際社会から非難を浴び、自国の兵士まで大変な目にあう。では夜をなくしてしまえばいいではないか。夜闇に紛れるゲリラに困っているのなら、夜をなくして姿を露わにしてしまえ。
さて、ではその光はどこから持ってこようか。たかが照明弾などではとても足りない。森全体を明るくできるような人工光源は、たとえ原子力を用いても賄えないだろう。待てよ、ベトナムが夜なら、地球の反対側は昼ではないか……つまり、鏡張りの人工衛星を打ち上げて、ベトナムに太陽光を送り込めばいいのだ!!
こうして、太陽の光をベトナムの森林地帯に浴びせるべく「ミラー衛星」は計画された。
ご存知の通り、もちろん無理だった。計画では直径600mの鏡を配置するのだが、雲や霧などで思ったほど効果は上がらなかった。それに隣国のカンボジアから「生態系をぶっ壊す気か!」と国連を介して文句が出たらしい。それで、計画は頓挫し、結局枯葉剤が撒かれることになったのだ。枯葉剤もまた問題になりましたけども。
カンボジアが非難声明を出すあたり、実は結構まじめに考えていたんじゃないという気がしてなりません。
<参考文献:ここまで進んでいる宇宙の危機 瀧澤邦彦・正木晃 学習研究社(1992)>
コメント

No.2
(2016/11/17 19:00)
>>1
コメントありがとうございます。私としてはそこまで深いことを考えて書いたわけではないので恐縮ではありますが……ベトナム戦争でなりふりかまわぬ作戦を講じた米軍ですが、戦地のテレビ放映が国内の反戦感情を生み出しました。そのテレビ放映は通信衛星によってベトナムから本国に中継されたわけですから、そこは何とも皮肉ですね。
コメントありがとうございます。私としてはそこまで深いことを考えて書いたわけではないので恐縮ではありますが……ベトナム戦争でなりふりかまわぬ作戦を講じた米軍ですが、戦地のテレビ放映が国内の反戦感情を生み出しました。そのテレビ放映は通信衛星によってベトナムから本国に中継されたわけですから、そこは何とも皮肉ですね。

No.3
(2017/01/26 23:36)
むむむ。このお話が時期的にヤマトの反射衛星砲やガンダムのソーラシステムの元ネタだったりするのかしら?宇宙の珍兵器の世界も怪しい魅力に満ちてますね。しばらく動画制作休憩とのことですが、次回も楽しみにしてますね!(探査機もKSPも大好物ですからw)

No.4
(2017/01/27 20:33)
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