ここ数日のうちに、米国で中堅の銀行が相次いで突然に破綻した。
10日にシリコンバレーバンクが破綻。(総資産は約28兆円。2008年のリーマンショック以来、最大の銀行破綻)
12日にシグネチャーバンクが破綻
原因は、
・2022年以降に起きた米国内のインフレに対処するとして、FRBが急速な利上げを行った。
→そのため債券価格が急速に下落(債券は市場の金利が上昇すると、市場での価格が下落する性質)。
→その債券の売却で損失がでた銀行の経営が悪化。
→経営悪化をみた顧客からの預金の引き出しが相次ぎ、経営破綻。
という流れのようだ。
原因は、米国のインフレによるものだが、信用創造理論(銀行の貨幣創造の向かい先を重視する理論)を確立したエコノミストのリチャード・ヴェルナー氏によると、この米国のインフレはウクライナ戦争によるエネルギー価格の高騰の影響ではなく、中央銀行のFRBによる過剰な信用創造を行う政策によってもたらされたものだという。
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上記リンク先の文章からの訳文
「2020 年 5 月以降 (FRB による大規模な信用創造がインフレを引き起こし、名目成長率が高い)、金利が急上昇することは明らかでした。」
(転載終了)
中央銀行によってもたらされた実体経済向けの過剰な信用創造がインフレの原因であり、
その狙いは、中小の銀行の経営危機を悪化させ、統合させていくのが目的だという。
つまり銀行の統廃合による巨大銀行への一元化である
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上記リンク先の文章からの訳文
「中央計画担当者は、銀行の数を減らすという宣言された方針を持っています。 プロジェクト CBDC(中央銀行デジタル通貨) 以来、利益相反が明らかになっています。」
(転載終了)
つまりこれは、国際銀行家によって、あらかじめ計画されていたバブルであり、その崩壊であり、社会変革のための流れであると。
この大まかな流れをまとめると以下のようになる。
・2008年のリーマンショックおよび最近のコロナショック以降に行われた欧米日の中央銀行による2000兆円ともいわれる量的緩和政策(国債などの大規模な購入)
→その結果、国債などの債券の金利が急低下し、債券価格が上昇(未曽有の債券バブルの発生)
→2020年以降の米国FRBによるインフレ政策と、ウクライナ戦争による物価上昇に伴うインフレ
→そのインフレに対応させるという形で、中銀が政策金利を2022年以降、急速に上昇させる
→金利の急上昇は、それまでに発行された膨大な低金利債券の市場価格を急速に下落させる
→その低金利債券を大量に保有していた銀行が損失を抱える
→経営が悪化した銀行から、顧客からの預金の引き出しが相次ぎ米国の銀行2行が破綻
この流れは以前から予測が出来ていたことである。
以下の2022年の10月の記事を参考。
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その巨大な金融バブルを作り出す原資は、各国中央銀行が行った量的緩和による金融経済への資金供給。
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) October 4, 2022
つまり欧米日の中央銀行が金融経済向け信用創造量を意図的に巨大にさせてバブル化させた。
それが破裂しそうだということ。
金融バブルを作って崩壊させるというおなじみのスクラップ&ビルド。
当然、日本も欧州も米国と同じ状況を抱えている。
↓
クレディS、年次報告書発表を延期-直前にSECから問い合わせ
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) March 14, 2023
クレディ・スイスは年次報告書の発表時期を明らかにせず、経営陣は規制当局の要請の内容をよりよく理解できるまで「短期的に延期することが賢明だ」と考えていると説明した。https://t.co/szLyVQm5IG @businessより
なぜ、延期した?
長期金利、上限据え置き 総裁「変動幅拡大考えず」―大規模金融緩和を維持・日銀会合:時事 https://t.co/8ji9l9Wrap
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) January 18, 2023
長年の量的緩和で低金利バブルを作ってしまったので、それを急に止めると反動が起こる状況。
軟着陸には、信用創造の増加による景気の回復をまち、緩和を少なくしていくのが無難か
銀行の灰色債権、60兆円超: 日経
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) January 9, 2023
灰色債権とは、返済条件の変更や元利払いの猶予などが必要になった企業向けの債権
米長期金利の上昇(米債券価格は下落)で地銀のうち6割が9月末時点で有価証券の含み損を抱える。不良債権処理が追い打ちになれば地銀の貸出姿勢などにも影響https://t.co/PtLtUfvohv
ただし、欧米は現在、ロシアと戦争中である。
リーマンブラザーズの時のような自国にマイナス成長をもたらす金融恐慌を演出するかどうかは分からない。
戦争が終わるまで金融恐慌に発展させるのを遅らせる可能性もある。
先日、米国政府は建前の自己責任制を放棄して、預金を全額保護する政策を打ち出した。
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米シリコンバレー銀行への預金、全額保護 米財務長官ら共同声明 https://t.co/alYqJUUg1H
― 天野 統康 (@amanomotoyasu) March 13, 2023
FRBの量的緩和バブルによってもたらされた反動が、今回の破綻の原因。他の金融機関も似たような問題を抱えているだろう。リーマン時と違いロシアと戦争中の米国は金融危機を起こさないよう処理しようとしている
債券バブル崩壊は避けられないが、どの程度のショックになるのかは中央銀行(およびそれを管理してきた国際銀行家の権力)のさじ加減によってコントロールできるのである。
・関連本
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・関連図解
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(記事終了)
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※「真の民主社会を創る会」では、憲法の究極の目的である「個人の尊厳の実現」を目指し、真の市民主権の民主社会を創るために、共に活動をする会員を募集しております。
代表 天野統康(あまの もとやす)
副代表 古村 剛(ふるむら つよし)
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