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アニメ「艦隊これくしょん」の駆逐艦運用について(1)~駆逐艦の誕生~

2015/01/24 23:00 投稿

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第三回目、 である。(司馬遼太郎風)

前回のブログにもたくさんコメントを頂いた。

「自分も緻密に見る」
「作品によって見方を変える」
「特に気にせず、自然体で見る」


どのコメントも大変参考になり、また昔のアニメの思い出を交えたコメントなど頂いたりして、大変嬉しく拝見させて頂いた。(メガゾーン、懐かしいですね…)

私としてはどのアニメの見方を「正しい」とか「間違っている」と指摘するつもりはないし、
またその様な意見を述べる立場にはない。
今後も読者の皆さんには、自分の思う通りどしどしコメントして頂ければ幸いである。



さて、第三話のTV放送以後、アニメ「艦隊これくしょん」は大激論を呼んでいる。

「轟沈を描くべきであったか」
「描くならどのようにシナリオを構成すべきだったか」
「アニメで初めて艦これを見る視聴者に対する配慮が適切だったか」等々、

上げればキリがない程に論点があるのだが、私はあえてこれ以上述べない。
それは他のブロガーが山ほど書くだろうし、まとめサイトなどで読者の皆さんがすでに目にしたであろうから。(私なりの意見は全話放送終了後にまとめて述べさせて頂きたい)

それに、「駆逐艦が主人公のアニメ」なんてもう永久に作られないかもしれないのだ。
少なからずミリタリーを齧ってしまった私は、この絶好の機会に是非とも駆逐艦の歴史について語り、アニメとの比較考察をしたいのである。

  • 考察に入る前に…「駆逐艦って何?」
「艦隊これくしょん」が流行し始めると、初めて艦船の種類について知った人の「軍艦というのは戦艦の事だと思っていた」とか、「大和という船があったという事は知っている」といった書き込みをネット上で散見した。

さもありなん。世間の普通の人は、「軍艦」どころか「駆逐艦」なんて興味ないのだから当たり前である。
しかし、せっかく駆逐艦『吹雪』が主人公として活躍しているのだから、この際ちょっとだけ「駆逐艦」について知って頂ければ、と思う。
  • 魚雷の誕生
駆逐艦について語るためには、まず魚雷について語らなければならない。

明治維新の2年前(1866年)、それまで竿の先に爆発物をつけて敵艦にぶち当てて爆発させる「水雷」(外装水雷とも言う)が進化し、魚のような形のカプセルにエンジンとスクリューを取付け、自動で水中を走る新型兵器が誕生した。
すなわち「魚形水雷」、略して「魚雷」である。

(↓世界初の魚雷「ホワイトヘッド魚雷」の図面。1866年に英国で完成。1878年にロシア海軍で使用され、トルコ海軍の軍艦を沈めている)


魚雷は大砲と違って、大きな船に据え付けて発射しなくてもよい。小型のボートに魚雷を打ち出す発射管を取付け、魚雷のスクリューを動かしてから水中に発射すれば、あとは自分で泳いでいく。分厚い装甲をまとった戦艦も、魚雷を食らったら水線下に大穴を開けられ、沈没してしまうのである。このボートが「水雷艇」である。
1877年、イギリスで「ライトニング」と名付けられた水雷艇がこの始祖とされている。

(↓の画像は初めて日本に英国から輸入された『第一号水雷艇』。排水量わずか40tである)



水雷艇が出現すると、列国の海軍には震撼が走った。主力戦艦といえどもうかうかしていると小型ボートに沈められてしまうのである。
みるみる内に各国に水雷艇は普及し、やがて水雷艇同士が撃ち合う事を想定して小型砲が装備されるようになる。
そうすると、敵の武装した水雷艇を追い払うため、砲撃を重視した水雷艇(水雷砲艦)が生まれ、さらに発展して水雷艇を積極的に沈める(駆逐する)艦船へと進化していった。
それが「水雷艇駆逐艦」である。
(英国では水雷艇破壊艦(TBD)と呼んでいた。なお、この設計に関わったイギリス海軍第三海軍卿ジョン・アーバスノット・フィッシャー提督は、近代軍艦の歴史を語る上では避けられない提督なので、興味のある方は下の動画をご覧ください)


  • 駆逐艦の誕生
日本海軍でも水雷艇や水雷駆逐艦は導入され、最初は英国から輸入されていたが、徐々に国産化されていった。
水雷艇駆逐艦は当初、水雷艇の一種と見なされて同じ部隊に組み入れられていたが、1890年(明治33年)独立した艦種として改めて「駆逐艦」と呼ばれるようになった。
「駆逐艦」は水雷艇を駆逐するだけでなく、主力艦艇への夜襲や哨戒などに幅広く活用できる艦船になっており、もう水雷艇とは独立した戦力と見なされるようになったのである。
(日露戦争では駆逐艦は水雷艇と共にロシア艦船へ夜襲を行い、戦果を挙げている)

(↓初の日本国産駆逐艦「春雨型」2番艦「村雨」。排水量375tと大型化している。なお6番艦に初代「吹雪」がいる)


ゲームやアニメの『吹雪』はこの初代「吹雪」ではなく、「特型」駆逐艦の1番艦(つまり2代目吹雪)である。

長くなって来たので今回はここまでにしたい。
次回はいよいよ『吹雪』たち「特型駆逐艦」について語ろうと思う。

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