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冷凍チャーハンと労働価値説

2016/02/28 20:49 投稿

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何に期待があるというんだろう。

冷凍チャーハン過熱 原料米にこだわり 各メーカー新商品投入

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=36429

きっと市場が広がれば儲かるようになるとでも思ってるんだろうな。確かに短期的にみると市場が拡大すると需要に対して供給が追い付かなくなるので、一時的に供給側の旨味は増すんだけど、それでも中長期的には需給が均衡するので、生産者側のメリットはなくなる。

そして労働者や供給者が幾らの対価を得られるかは、自身の付加価値を生み出す能力がどれくらいあるかで決まるわけなので。どれだけの市場が拡大しようがその能力に変わりがなければもらえる対価に変動もない。

だから市場が拡大しても農家が潤うことにはならないし、チャーハンを製造している企業の収益が上がることにもならないとなるんだけどねえ。

本格的味を競う冷凍チャーハン戦争が勃発 市場は右肩上がり

http://www.news-postseven.com/archives/20151027_359259.html

これにも酷い間違いがある。記事では「冷凍チャーハンは同一の生産ラインで作れて効率性が高いので利益率が高い」と書いてあるのだが、効率性の高さが必ず利益率の高さを生み出すとは考えられない。

というのも説明している通り、どれだけの付加価値を生み出せるかどうか、高い利益率を得られるかどうかは、働く人間の能力に依存するからだ。つまり古典的経済学でいうところの労働価値説によるならば、価値とは商品の生産に際に投入された労働の総和である。

例えばチャーハンであるならば、コメを作った人に始まり、焼き豚用の豚を作った人や卵を作った人、野菜を作った人に炒める用の釜を作った人、更にはしゃもじを作った人やしゃもじ用の木を切った人、そして冷凍食品の営業社員や経営者の人に……、とチャーハンを製造する際にあたってかかわった、すべての人間の労働者の能力の価値をすべて足し合わせることによって付加価値が構成されている。

だから同一の生産ラインで作ろうが、利益を生み出す冷凍食品会社側の人間に高い付加価値が発生していない限りは、販売価格と原価との差額である、高い利益は得られないとなるはずだ。

そして同様にコメの価格下落が高い利益率を生み出すと書かれているのだが、これも間違いだろう。というのも高い利益率が生まれるかどうかは冷凍食品会社側の能力如何によるのであってコメの価格下落とは関係がないし、コメが価格が下落するということはデフレが起こっているのであって、冷凍食品会社の利益も同様に下がっているはずだからだ。

「着物業界」が衰退したのはなぜか? 「伝統と書いてボッタクリと読む」世界

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1602/23/news055.html

だからそう考えてみると前回説明した着物業界も、着物会社側が高い価値を生み出しているということなんだろう。つまり中国産やベトナム産といった高い価値を持つ着物を、着物会社の人たちが高いノウハウや経営能力を持って売り出すことで、原価率が下がり利益率が上がっている。要は着物の質の向上と経営側の能力の向上とが、同時に起きているということになるんだろうか。

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