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電王戦を予想する

2015/03/14 05:19 投稿

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前回の続き。

自分は前にも書いたように、ソフトと人間の違いは手に辿り着くまでの時間の差なのであって、指された手を評価する部分については、あまり大差がないのではないかと考えています。

なので森下9段が勝ったことはマグレではない気がするし、ソフトにはソフトの弱点があるので。人間の得意とされる序中盤で差をつけて、手の本質を水平線のかなたに押しやってしまえば、将来は無理でも今のところは勝てる余地が残されているのではないかと思っています。



そしてもしかすると、彼が一本入れてしまうかもしれないですね。
電王戦FINALへの道をずっと見てましたけど、彼が一番研究していそうだし、ソフトの棋風とも上手く噛み合っていそうだ。

この点ソフトと人間の相性ってのは大事ですよね。やっぱり奇をてらう指し方をされてしまうと人間としては対応し辛いですし、対応しようとすると調子を落としてしまいかねないですから。棋士の中にははじめから研究やめました本番一発勝負でという人もいるはずなのですけど、斉藤5段についてはそのようなことはないらしく、日々ソフトの対策を積み上げていっているみたいで期待が持てます。

ただし対戦相手は最強とも噂されていたソフトの一角でもあるので。研究しても通用しないこともあり得るんでしょうけど。



一方クセの強いソフトに苦戦していると思われるのが、永瀬6段なわけですが。
もう見てわかるように76歩34歩に77桂だもんね。今や縁台将棋でも、カツ丼将棋でもやらないような乱戦ハメ手志向の指し手だけど、でもこんなの力入れて研究してたら、本業の棋戦の研究に差し障りが出てしまう。

羽生善治「コンピュータ将棋により人間が培った美意識変わる」

http://www.news-postseven.com/archives/20150308_307527.html

要はそれが美意識が崩れてしまう恐ろしさということですよね。つまり76歩34歩77桂は、羽生さんに言わせるならば、美的センスに合わないということで人間が捨ててきた手ですよ。

でもコンピューターがその手の中に死角や盲点を見つけ、正しいということを証明してしまうと、思考の幅やアイディアが広がるというメリットもある反面、それが却って人間の正しいとされてきた指し手に対しての疑心暗鬼を招いたり、対人戦では本来要らないはずの、今まで培ってきた技術を捨てて一から作り直すといった、無駄な検証作業を強いられかねないということですよね。

例えるなら野球で3割5分打てるのに、4割目指そうとしてフォームを改造して調子を崩してしまうみたいになってしまうわけですね。なのでソフト研究をする際には、対人戦に影響を及ぼさないという範囲というものを、各自がわきまえないといけないわけですね。



でも出場棋士の棋戦での結果を見る限り、そういうソフト研究しすぎて調子を落としたという人は、いなさそうなのが幸いですね。

そして第3局に対戦するのがこの稲葉さんですけど、前にも書いた通りこれが一番勝ち目がありそうですかね。開発者自身もやねうら王はドジっ子属性だと言っているし、指し手を見てもところどころ危なっかしい感じがある。

それに本人も研究には意欲的と見えるので、ここは一つ人類のためにも大きな仕事をやっていただきたいと思っています。



普通に考えるとここから先は、人類未踏の領域でしょうね。村山さんはponanzaと対局されるわけですけど、今までのインタビューを見てもponanzaの攻めに怯えている様子が伝わってくるもんね。戦う前から負けてる気がする。

まあそれでも練習で2割ぐらいは勝ってるということなので、本番での覚醒に期待したいです。



でも今回の最後のインタビューで何人かがカギとなる駒は「角」と答えていたのが印象的でしたね。つまりインタビューにもありますけど、通常は角が飛車と並ぶ価値の駒とされているので、出来る限り取らせないように、そして取ったら馬を作るなどして大駒として最大のメリットが享受できるように指さないといけない。

ところがソフトはあまり角の評価が高くないらしく、バンバンと金や銀と交換する傾向があるみたいですね。そして誰だったか、ソフト角を早めに打ちたがる傾向があるとも言っていましたよね。今回の電王戦では、そういうソフトの駒の使い方に注目してみていくと、面白いかもしれません。

ちなみにこの最終局は無理じゃないかな。ソフトが強いのもあるけど、何より本人が最初から諦めてる感じだ。研究とか全然してないんじゃないか。



ということで書いてきたわけですけど、自分の予想としては希望も込めて、人類が2勝すると予想します。

というのも今までと違い人間側がソフトを徹底的に研究しているし、人選に関してもメンバーが遥かに強化されている。思うに今まではイベントとしてどうしたら盛り上がるかという観点で選ばれていたんでしょう。でも今回は純粋にソフトに勝てる相手を選んできているので、人間側の本気度が違う。



それに経済学的に考えても、今の将棋界には通常機械化に伴って起こる価値の下落が、起きているとも考えづらい。もし本当にソフトが人間より強いなら、それに伴って供給曲線が右にズレるとともに均衡点が右下へと移動するので、生産者余剰が下がっていくはずだ。

すると通常は棋士が商売として成り立たなくなるから、将棋界の勢力図が変わるはずなんですよね。例えばプロとアマチュアとの棋力差がなくなるとか、最悪将棋連盟自体が要らなくなるとかね。

でも今の将棋界を見る限りどちらも起こっているとは思えないので。つまり機械化の進展による価値の下落と、人間の相対的実力の低下は、まだあまり起こっていないんじゃないかと考えるわけです。

よって人類が2勝するだろうとなるんですけど、でも誰が勝ちますかね。動画を見ていると稲葉さんと斉藤さんが勝ちそうな気もしてくるんですけど、前に書いてしまったので。ここは初志貫徹で、永瀬さんと稲葉さんが勝つと予想します。

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